前代未聞のミステリー…!突然消えた「二百トン漁船」行方のナゾ | FRIDAYデジタル

前代未聞のミステリー…!突然消えた「二百トン漁船」行方のナゾ

乗務員六名と養殖ハマチを積んだ第八しんこう丸 12月22日に愛媛県愛南町を出港、翌日には三重県尾鷲港に到着する予定が……

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8つの生け簀に活魚を積む運搬船「第八しんこう丸」。消息を絶った際、救難信号は出されていなかったという
8つの生け簀に活魚を積む運搬船「第八しんこう丸」。消息を絶った際、救難信号は出されていなかったという

遭難か、それとも……。

愛媛県宇和島市の活魚運搬船「第八しんこう丸」が行方不明になってから3週間以上が過ぎた。昨年12月22日に愛媛県南部の愛南町で養殖ハマチを積み込んで出港した「第八しんこう丸」は、翌23日15時には三重県尾鷲市の港へと到着するはずだった。しかし、22日午後の連絡を最後に、到着予定時刻を過ぎても港に現れず、パッタリと姿を消してしまったのである。

「23日の夜には海上保安庁へ通報が入った。24日になって海保の飛行機が和歌山県すさみ町の南西沖約30㎞のところに大量の油が浮いているのを発見しましたが、いまのところ手掛かりはそれだけです。巡視船などによる懸命の捜索が続きましたが、救命ボートはおろか、船の残骸すら見つかっていません。もちろん、乗組員6名も全員行方不明です」(全国紙松山支局記者)

「第八しんこう丸」は全長41m、重量199トン。漁船としては大型である。しかも、当日の天候は晴れ。波も高くなく、遭難の可能性は極めて低い。では、いったい何が起きたのか。

「コンテナなどを運ぶ超大型船に衝突されたとしか考えられません」

そう語るのは、「第八しんこう丸」を所有する「戸田水産」の戸田好士郎氏だ。戸田水産社長の息子であり、「しんこう丸」に乗船していた戸田源二船長の甥(おい)っ子にあたる。

「油が発見された地点は、朝4~6時頃に通る海域。そのときに、衝突されたんだと思います。大型船にぶつかり、救難信号すら出せないくらい一瞬で沈没してしまったんでしょう。4時間交代で二人が見張りをし、レーダーでも他の船を確認するシステムですが、何らかの予想外の出来事が生じ、事故が起きてしまったのでは……」

「第八しんこう丸」は全長40mを超える漁船だが、200mを超える大型コンテナ船と比べれば、アリと象のようなものだ。大型船はぶつかったことにすら気づいていない、という可能性もある。

実際、海上保安庁は現在、当時運航していた船の船体を調べ、衝突の傷跡がないかを捜査しているという。和歌山県田辺の海上保安部の担当者が言う。

「油が発見された辺りの海域は水深が1500mほどあるため、捜索は容易ではありません。現在は『しんこう丸』に搭載されていた電波情報から、沈没したとすればそれがどこなのかを調査しています」

はたして、「第八しんこう丸」は見つかるのか。前出・戸田好士郎氏が語る。

「僕はたまたま別の仕事が入っていたので今回は乗りませんでしたが、『しんこう丸』には叔父だけでなく、僕の従妹も乗っていました。今の望みは、救命ボートが漂流してどこかの島にたどり着いてくれていること。行方不明になってからずっと、胸が張り裂けそうです」

乗員6名を発見するため、懸命な捜索は今も続いている。

「第八しんこう丸」を所有する愛媛県宇和島市の活魚運搬業「戸田水産」。同船には社長の弟を含む6名が乗っていた
「第八しんこう丸」を所有する愛媛県宇和島市の活魚運搬業「戸田水産」。同船には社長の弟を含む6名が乗っていた
戸田水産が所有する「第八しんこう丸」と同じ型の運搬船の甲板。生け簀に活魚を満載し、日々、航海を重ねていた
戸田水産が所有する「第八しんこう丸」と同じ型の運搬船の甲板。生け簀に活魚を満載し、日々、航海を重ねていた
12月24日に発見された大量の油。海上保安庁は電波情報を解析し、沈没した場所を割り出すべく調査している
12月24日に発見された大量の油。海上保安庁は電波情報を解析し、沈没した場所を割り出すべく調査している

『FRIDAY』2021年1月29日号より

  • 写真毎日新聞社/アフロ(戸田水産)、朝日新聞社(大量の油)

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