大塚騎手へのパワハラで裁判沙汰になった「木村調教師の素顔」 | FRIDAYデジタル

大塚騎手へのパワハラで裁判沙汰になった「木村調教師の素顔」

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弟子である大塚騎手(中)からパワハラで訴えられた木村調教師(左)
弟子である大塚騎手(中)からパワハラで訴えられた木村調教師(左)

年明け早々、競馬界が揺れた――。

1月12日、デビュー3年目の大塚海渡騎手の父・哲郎氏と代理の弁護士がリモートで会見し、所属厩舎の木村哲也調教師の度重なる暴言、暴行のパワーハラスメントで精神的苦痛を負ったとして、850万円余りの損害賠償を求める訴訟を水戸地裁に起こしたことを明らかにした。翌日、木村調教師が厩舎を構える美浦トレーニングセンター内からは、

「大塚騎手のお父さんといえば、現役の調教助手。所属厩舎では人望があり番頭格を務める方だけに、よっぽどのことだと思います。競馬人気に水を差すような事態に、JRA(日本中央競馬会)ばかりか、競馬サークル全体が憂鬱なムードに覆われたね」(競馬専門紙記者)

という声が聞かれた。

確かにコロナ禍にあっても、馬券の総売り上げはアップ。ここ1年間ほどで電話・インターネット投票会員数が約50万人も増え、昨年12月27日には、JRAから前年比103・5%の2兆9834億5587万円で、9年連続増収となったことが発表されたばかりだった。

「木村師は‘18年にGⅠ初制覇を含む48勝(全国7位)を上げ、JRA賞の『最高勝率』と『優秀技術』のダブルタイトルを受賞。ファンにも馴染みの調教師だけに、波紋は大きい。師弟関係の大塚騎手側からの『調教師と新人騎手の関係では我慢するしかなく、いつまた殴られるかもしれないという恐怖に支配されていた』という主張通りであれば、なおさらです」(スポーツ紙記者)

新人時代の大塚騎手が木村師の前で“びくびく、おどおど”している様子は、美浦トレセン内や競馬場でたびたび目撃されていた。

「殴っているところは見ていませんが、‘19年秋ごろに調教スタンドの調教師ルームで叱責と浴びていた。遅い時間で、すでに人影はまばらのなか『ここでしっかりと調教を見ていろ!』と大きな声がし、小さな声で『はい』と頷く大塚騎手が見えました。

それから間もなくして、今度は『座って見てるんじゃねえよ!』とまた、木村調教師が大声で怒鳴り始めたことがあった。確かにベランダの席は調教師専用ですが、空いている時間であれば報道陣も座らせてもらっている場所。『すみません、すみません』と何度も謝り続ける大塚騎手の萎縮した姿は忘れられませんね。あれは言葉のパワハラに映りました」(前出・スポーツ紙記者)

木村調教師の高圧的な態度は厩舎関係者にも及んでいたという証言も。

「開業時は厩舎運営方針を巡って、片手じゃ足りないほど厩務員が辞めていきましたね。その1つが馬主への感謝の手紙を書かせることでした。『それは調教師の仕事だろう』と反発すれば、『辞めてもらって結構です』と頑なに押しつけて来たものです」(美浦トレセン厩務員)

木村調教師は厳格な性格からなのか、厩舎スタッフに対しても完璧さを求めるようで、

「スタッフが遅刻しようものなら、初犯であろうが理由も聞かず、『もう明日から来なくていいです!』と、冷たく言い放つ。調教師は一国一城の主であり、一般社会のトップや管理職という位置づけ。部下の体調を気遣ったり、ミスしたとしても、まずは始末書や反省文でしょう。

大塚騎手は厩舎の仕事をしているときも、常にピリピリしたムードを感じ、心休まることがなかったのでしょうね。提訴後の彼のツイッターを見て驚かされました」(前出・専門紙記者)

大塚騎手は‘20年1月に落馬事故で意識不明の重体に陥っていたが、

《意識障害の中、暴行を示唆するようなうわごとを繰り返していたことから発覚し、両親と話し合った結果、所属解除を求めることを決めました》

と、綴っている。一方の木村氏は13日に報道陣の取材に対し、

《この度はお騒がせし、また、とりわけ競馬ファンの皆様、JRAその他競馬関係者の皆様に、多大なるご迷惑とご心配をお掛けして、大変申し訳ありません。大塚騎手の件につきましては現在、民事訴訟が起こされ、また捜査機関に被害届が出されている状況にありますので、私からのコメントは一切差し控えさせていただきます》

と、文書で回答している。ただ、大塚騎手側の会見では、木村師が手を出したのは教育目的と主張、謝罪や再発防止の対応などを拒否したという旨の主張をしている。

「教育現場はもとよりスポーツ界でも、すでに『体罰厳禁』の今、『教育目的』という理由は通じません。競馬界でも‘19年10月に美浦の戸田博文調教師が検量室内で粗暴な行為に及び、20万円の制裁金が科せられるなど、厳格な処分を下している。

当時、暴力行為は調教師でも騎手でも免許の一時停止、再犯は剥奪などのルール作りをすべきだという声も上がった。すでに一部の調教師からは、調教師会による独自の調査の必要性を問う声もあり、パワハラ問題について真剣に考えるべき時期に来ている」(前出・スポーツ紙記者)

主催者であるJRA報道室は12日、

「係争中であることは把握していますが、警察による捜査中の事案でもあるので、現時点ではコメントを差し控えたい」

と発表。1月20日に開かれる第1回口頭弁論に注目が集まるばかりだ。

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