拳銃密輸に年寄株担保に借金…昭和の力士「豪快トラブル集」 | FRIDAYデジタル

拳銃密輸に年寄株担保に借金…昭和の力士「豪快トラブル集」

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拳銃密輸の疑いで警視庁に出頭した大鵬。昭和の大横綱も緊張の面持ち(画像:共同通信社)

昭和の横綱は、スケールが違った。米国から拳銃を密輸、借金の支払いのために大切な年寄株を担保……。休場が続く白鵬や鶴竜の進退が話題となっているが、起こすトラブルからして格が違うのだ。「あっぱれ!」と言いたくなく、大横綱たちの事件を紹介しよう(登場する力士の肩書きはことわりがない限りすべて横綱、年齢は当時)。

休場中に巨人戦を観戦しクビ

49(昭和24)年10月場所の前田山(35)は、調子が悪かった。初日に前頭の力道山(後の名プロレスラー)に勝ってからは、5連敗を喫する。早々に優勝争いから脱落すると、大腸炎を理由に休場。場所が行われていた大阪から、東京に戻った。ところが……。

「相撲協会に休場届を提出し病院に直行すると思われましたが、向かった先は後楽園球場(東京都文京区)。そこで行われていた、サンフランシスコ・シールズ対巨人の試合を観戦したんです。前田山は草野球チームを持つほどの野球好き。試合後は、シールズ監督のレフティ・オドールと握手までしました。

前田山にとって運が悪かったのが、観戦の様子が翌日の新聞に写真とともに大々的に報じられてしまったこと。しかも当時は指導者も兼ねていたので、批判が殺到したんです。慌てた前田山は急きょ大阪に戻り再出場を願い出ますが、相撲協会は却下。前代未聞の不祥事に、引退勧告がなされました」(協会関係者)

この事件がキッカケとなり、「治療目的以外の外出は禁止」と休場中のルールが厳格化。前田山は「クビになった横綱」と世間から中傷されるが、妻の説得で高砂部屋の親方に。後に外国人初の三役となる高見山を入門させるなど、「国際部長」と呼ばれるほど海外に相撲を浸透させた実績で汚名返上した。

ハワイ巡業の土産がピストル!

「昭和の大横綱」と言われ、真っ先に思い浮かぶのは大鵬(24)だろう。その偉大な横綱が、拳銃密輸の疑いで警視庁に書類送検されたのは65(昭和40)年5月だ。キッカケは、大関・若羽黒が不法所持していた拳銃を暴力団関係者に売却し逮捕されたこと。警察が相撲協会を捜査すると、大鵬や前頭・北の富士(後に横綱)らも拳銃を持っていることが判明する。

「大鵬は、ハワイへの海外巡業中に『米国土産に』と軽い気持ちで拳銃を購入したようです。税関もまさか横綱が拳銃を持っているとは思わず、手荷物を厳しくチェックすることはなかった。大鵬は手先が器用だったので、キレイに解体してバッグに入れていたとか。

警察の出頭要請を受け、大横綱も慌てます。取り調べに対し、こう供述しました。『若羽黒の件がバレ怖くなった。ピストルは隅田川に捨てた』と。証言にもとづき警察は隅田川を捜索しますが、拳銃は見つからず。大鵬は罰金3万円の略式起訴処分を受けました」(元スポーツ紙記者)

世間からは厳罰も求められたが、大鵬は角界を支える人気力士。相撲協会からの処分は、けん責にとどまった。大鵬は71(昭和46)年まで現役を続け、幕内優勝32回、同通算746勝の記録をうちたてる。

妹のちゃんこ屋倒産で年寄株を……

幕内通算673勝をあげた輪島(37)がトラブルに巻き込まれたのは、引退し花籠部屋を継承していた85(昭和60)年11月だ。妹の経営していたちゃんこ屋が倒産。多額の負債を抱える事態となったのだ。

「債権者は花籠部屋にも押しかけます。その過程で、輪島が借金の返済に『花籠』の年寄名跡(年寄株)を担保にしていたことが発覚。年寄名跡は、親方になるために必要な大切な株で売買は絶対に禁止です。相撲協会は、輪島の行動を問題視します。緊急理事会が開かれ、無期限の謹慎処分がくだされました」(前出・協会関係者)

結局、輪島は同年12月に廃業する。ジャイアント馬場ひきいる全日本プロレス入りしたが、3年ほどで引退。その後はタレントとして、バラエティ番組を中心に活躍した。

今では考えられない、破天荒な事件の数々。トラブルとはいえ、力士たちも大胆な行動に出られる大らかな時代ゆえだったのだろう。

  • 写真共同通信社

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