綱取りの期待が失望に…休場・貴景勝が陥った「増量の魔力」 | FRIDAYデジタル

綱取りの期待が失望に…休場・貴景勝が陥った「増量の魔力」

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初場所6日目、阿武咲にあっさり押し出される貴景勝。綱取りの大切な場所でつまずいてしまった(画像:共同通信社)
初場所6日目、阿武咲にあっさり押し出される貴景勝。綱取りの大切な場所でつまずいてしまった(画像:共同通信社)

「足がまったく出ていないな。ケガでもしているんだろうか」

初場所初日から大関・貴景勝(24)の取組を見ていた相撲協会関係者は、疑問を持った。身体が重たそうで、得意の突き押しに迫力を感じない。不安は的中し初日から4連敗。9日目の遠藤戦にも敗れ2勝7敗となると、「左足関節じん帯損傷のため約3週間の加療を要する」との診断書を提出し休場となった。

貴景勝にとって、綱取りに臨んだ大切な場所。左足を痛めたとされる3日目の北勝富士戦後も、出場にこだわった。師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)に、こう直訴したという。

「まだ、ちょっと不完全燃焼なんで……。(相撲を)取らせてください」

両横綱休場の好機に……

だが、9日目も黒星で負け越しまで後がなくなった時点で勝負はあった。

「師匠には、悔しさをにじませ休場を申し出たようです。『足首に痛みがあります。これ以上相撲は取れません。明日から休場させてください』と。今場所は白鵬と鶴竜の両横綱をはじめ、新型コロナウイルスの影響もあり幕内だけで7人が休場。優勝して綱取りを果たせる好機でした。貴景勝の無念さはよく理解できます」(スポーツ紙担当記者)

なぜ横綱になるチャンスの場所で、貴景勝はつまずいてしまったのだろう。前出の協会関係者が指摘するのは「増量の魔力」だ。昨年は170kg台だった体重が、現在183kgまで増えているという(身長は175cm)。

「師匠は『稽古しながら身体が大きくなっている。やり過ぎとは感じません』と、増量の悪影響を否定しています。しかし以前から元横綱・北の富士さんらは『体重を減らしたほうがいい』と、問題視していました。ケガの一因になったのは、間違いないでしょう。

貴景勝は、押し相撲一本で大関まで昇進しました。さらにパワーをつけるために、10kgも増量したんだと思います。体重が増えれば、力強さも増すと考えがち。増量の魔力ですよ。ただ力士には、適正なベスト体重がある。貴景勝は太ったことで動きが悪くなり、逆に突き押しの力が弱まりました。体重が増えれば、下半身に負担がかかります。左足を痛めたのも当然でしょう」(同前)

今回は、貴景勝の性格も裏目に出たようだ。

「貴景勝はとてもストイックで、アスリート体質です。親方の言うとおりに稽古するのではなく、目的のためにはどんなトレーニングをし何を食べればいいか、自分で調べて実行に移す。今回もひたすら増量にこだわったため、適正の体重を超えてしまったと思われます。貴景勝のマジメさが、悪い方向に働いてしまったようです」(前出・協会関係者)

3月に行われる来場所は、カド番として仕切りなおし。適正体重で突き押しに磨きをかけ、横綱に再チャレンジする。

  • 写真共同通信社

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