「最終的には生活保護がある」発言で見えた菅総理の「上級思想」 | FRIDAYデジタル

「最終的には生活保護がある」発言で見えた菅総理の「上級思想」

秋田の農家出身「パンケーキおじさん」の仮面がはがれた瞬間

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「叩き上げの庶民派」をアピールしてきた菅首相の放り出し発言にSNSも騒然となった 写真:つのだよしお/アフロ

1月27日、参院予算委員会で驚くべき発言があった。

コロナ禍にあえぐ国民に「再度の給付金を」と求める野党に対し、拒否し続ける首相。この日、予算委員会で立憲民主党・石橋通宏議員の質問に答えた菅義偉首相は、

「最終的には生活保護がある」

と言い放ったのだ。

生活保護に至るまでの現状は過酷だ

昨年来、経済は冷え込んでいる。コロナ禍にとりわけ大きな打撃を受けたサービス業、非正規雇用者の失業、女性の貧困も大きな問題になっている。そして、自ら命を絶つ人が増えてしまった。

「生活困窮支援の相談会には、これまであまり見られなかった女性や若い方の姿も増えています。相談会の会場になっている公園へ、交通費がなくて何時間もかけて歩いてらっしゃる方、所持金が数百円、数十円の方も珍しくありません」(民間の支援団体スタッフ)

それでも「生活保護は絶対受けたくない」という人が多いという。

「国のお世話になるのは申し訳ないと思っているまじめな方、なんとか踏ん張ろうとなさる方。そういった方に『生活保護は権利ですから』と受給を勧めますが、相談に来られた方の9割は『まだ自分でなんとかしたい』と言って立ち去ります。寒空の下、路上に出るんです」

「最終的」とは、どういう状態をいうのか

首相がいう「最終的」というのは、路上生活より「もっと先」の困窮なのか。

「生活保護を申請したくてもハードルが高すぎるんです。役所の窓口にいっても、申請の用紙すら手に入らないこともあります。そして、さらに壁になっているのが『扶養照会(ふようしょうかい)』です」

生活保護の申請をすると、親族に「この人を扶養(援助)できませんか」と連絡がいってしまう。長年会っていない兄弟や、事情があって離れた高齢の親に現状を知られることになる。そして、その「照会」から「扶養」に繋がる例は「ほぼ0%」だという。

生きていくこと、そのために最低限の保護を受けることを躊躇(ためら)う必要はない。無用な「扶養照会」をやめて迅速に必要な人に届くよう、仕組みを整えなければならない。そういう声が、コロナ禍にあってより高まっている。

いくつものハードルの越えなければ受けることができない「生活保護」を持ち出し、「盾」にするこの国の仕組みに、今、疑問の声が上がっている。

1月に東京・四谷のイグナチオ教会で「大人食堂」を開催、食事提供を担当した料理家の枝元なほみさんが言う。

「お正月くらい、温かいものを食べてもらいたいと思って、1月1日に350食、3日に400食のお弁当を作って手渡しました。

並んでくれてる姿を見て、泣けました。切なくて。なんか肩を落とす感じで。なんだよ!って叫びたくなった。池袋から歩いてきたっていうおじいちゃんとか、泣いてる若い女の子とか。小さい子を連れたおかあさんもいました」

この日、相談ブースには多くの人が訪れたが、実際に生活保護の受給に繋がれた人は少ない。

「生活保護をはじめ、公助の仕組みは機能していません。水が漏れている」

生活保護申請の同行支援もしている「反貧困ネットワーク」の瀬戸大作さんは言う。

「夜は寒くて眠れないから、一晩中歩いている」という人がいる。今、食べるものがなくて、路上で夜を過ごしている人たちにすら届いていない「生活保護」を持ち出して、国民の生活を語る菅首相。

シフトが減って1日1食でしのいでいる人。学費が払えず、退学する大学生。子どもに食べさせるものがなくなった母親。食品に割引シールが貼られるのを待って、暗くなってからスーパーにいくお年寄り。

「秋田の農家出身」と、質素な印象をアピールしていた菅首相はホテルで朝食をとる。寒空の下、弁当の列に並んだことは、おそらく、ない。

「こんにちは、ガースーです」

菅首相は、緊急事態宣言下に銀座に繰り出す議員や、カラオケに興じてクラスターを起こす秘書たちを率いて、この国をどこに導くのか。

  • 写真つのだよしお/アフロ

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