初場所中に雀荘、風俗店通い疑惑報道の時津風親方「意外な評判」
2度目の重大なコンプライアンス違反。苦労人の師匠が、解雇の危機に瀕している――。
1月28日発売の『週刊文春』で、雀荘や風俗店通い疑惑を報じられた時津風親方(47、元前頭・時津海)だ。文春によると、初場所中の1月18日から22日に5日連続で東京・赤坂の雀荘へ入店。店を出るのは、夜11時頃だったという。さらに1月20日には、風俗店がある新橋の雑居ビルに入る姿も目撃されている。
「緊急事態宣言が発令されているため、相撲協会は新型コロナウイルスへのガイドラインを徹底させています。雀荘やカラオケ店、スポーツジムへ行くことはもちろん、不要不急の外出は禁止されているんです。力士や親方の感染者が増え、初場所の開催すら危ぶまれていましたから」(相撲協会関係者)
コロナに対する、相撲協会の緊張感がうかがえる。千秋楽で八角理事長(元横綱・北勝海)は、ファンに向け厳しい表情でこう話した。
「無事に千秋楽を迎えることができました。これもひとえに、本場所の感染対策にご対応いただきました、お客様のご協力のたまものと厚く御礼申し上げます」
協会関係者が続ける。
「力士や親方は一日2回の検温が義務付けられ、部屋によっては食事に時間差をもうけ密を避けるなど様々な対策がなされていました。文春の報道通りなら、時津風親方の行為は相撲協会への裏切りと同じです。
昨年9月場所直前にも、東京から福岡へ行きゴルフをしていたことが判明しています。違反は2度目です。協会内のコンプライアンス委員会で事実関係が調査され、解雇される可能性もあります」
師匠の不祥事で強制引退
日刊スポーツによると、本人は麻雀に興じていたことを認め「クビになることを覚悟している」という。
「確かに親方は、ギャンブル好きで有名です。現役時代から、パチンコ店に通っていましたから。10年に起きた野球賭博事件では、解雇された大嶽親方(当時)や大関・琴光喜とともに関与していたことが発覚。二階級降格になっています」(時津風部屋関係者)
だが、意外な声も聞かれる。
「これまで苦労が多く、大変だったと思いますよ。07年に起きた時津風部屋の暴行事件では、入門間もない力士が亡くなりました。先代の親方や兄弟子からビール瓶や金属バットで殴られるなどして、命を落としたんです。先代は解雇され、急遽、現役から親方になったのが現在の時津風親方でした。強制的に引退させられたんです。まだ33歳でした。
師匠として、なんの引き継ぎもありません。最初の2~3年はお詫びのために、全国の後援会や所属力士の親族の家を回る日々です。現役への未練もあったのでしょう。親方になってもトレーニングを欠かしていませんでしたから」(同前)
師匠としての評価も高い。
「初場所で優勝争いをした大関・正代を見出したのは、親方の功績でしょう。東京農業大学の卒業を前に、地元(熊本県宇土市)での就職が決まっていた正代を説得したんです。『才能があるんだから相撲を続けろ』と。『ムリやり稽古させても成長しない』という考えから、部屋では力士の自主性に任せています。相撲界では珍しい放任主義で、部屋の力士はのびのびしていますよ。
酒もタバコもやらない。マジメで大人しい性格です。ただ現役への未練やコロナでの外出自粛のストレスから、ギャンブルは止められなかったのでしょう」(同前)
部屋の暴行事件の尻ぬぐいで強制引退、お詫び行脚の日々……。苦労の末に得た師匠の地位を、時津風親方は自らの脇の甘さで失おうとしている。
写真:共同通信社