豪華記念写真!田中将大 8年前の優勝「銀座シャンパンタワー」
「おぉ~。スゴイっすね~」
当時24歳だった田中将大(32)は、歓声を上げながら携帯電話で撮影を始める。13年9月。初のリーグ優勝を決めた楽天は、東京・銀座の高級クラブを借り切って祝勝会を行っていた。
集まった40人ほどの選手の中心にいた田中を驚かせたのは、巨大なシャンパンタワーだ。中心選手だったジョーンズや松井稼頭央が、ドン・ペリニヨンやベル・エポックなどの高級シャンパンを積み上げられたグラスに注いでいく。
あれから8年――。メジャーで78勝をあげた田中が、楽天に戻ってきた。1月30日に都内で記者会見を開いた田中は、こう語った。
「悩んで悩んで悩み抜きましたが、一番はどういう野球をしたいのか、どういう環境の中で野球をしたいのか。イーグルスでプレーして、また日本の方々の前で投げる。そこを上回るものは最後までなかった」
助っ人と英語で会話の中身

田中が復帰したことで、楽天の先発陣は12球団随一の布陣となった。田中、則本昴大、涌井秀章、岸孝之、早大からドラフト1位で入団した早川隆久……。田中の24勝無敗という圧倒的な成績で達成した13年以来の日本一も、決して夢ではないだろう。楽天で監督経験のある、デーブ大久保氏が語る。
「楽天は、間違いなく今季の優勝候補の筆頭です。田中はバリバリのメジャーリーガーですから、大きな戦力になることは間違いない。則本や岸など他の先発投手陣は『自分がダメでも田中さんが勝ってくれる』と、プレッシャーがかからず本来のパフォーマンスができるでしょう。田中から聞くメジャーの経験も貴重です。一人でチームをけん引できるほど、野球に対する田中の意識は高いですよ」
田中の意識の高さは、冒頭で紹介した8年前の銀座祝勝会でもうかがえた。店内には、20人ほどのクラブ嬢が。中にはスマートフォンのゲームをして、女性と盛り上がる若手選手の姿もあった。
だが翌年からメジャーに移籍する田中は、そうした騒ぎに加わろうとしない。長い時間英語で話していたのが、ヤンキースやレンジャーズなどで通算434本塁打を放った当時の主砲ジョーンズだ。
田中「おかげ様で(24の)連勝記録を作ることができました」
ジョーンズ「それはウソだろう」
田中「どういう意味?」
ジョーンズ「オマエなら、これで終わらない。連勝記録を伸ばせるということだよ」
ジョーンズの言葉が現実となりそうだ。「(東日本大)震災から10年という数字は自分にとって意味のあるタイミングじゃないかと思った」と、復帰会見で語った田中。連勝記録を伸ばし、日本一に輝いた13年の再現へ。田中が再び楽天のユニフォームに袖を通した。



撮影:結束武郎 等々力純生