宿敵・巨人OBに不満の声も…阪神・川相コーチが笑顔の理由

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キャンプ初日(2月1日)に大山悠輔を指導する川相氏。温和な外見と違い指導は厳しい(画像:共同通信社)

「身体で覚えるまでヤルしかないぜ!」

球場にゲキが響く。身振り手振りをまじえ大声を出すのは、阪神の臨時コーチに就任した川相昌弘氏(56)だ。キャンプ初日(2月1日)から熱心に指導。自らグラブをはめ、基本動作を選手たちに繰り返し教えた。内野手として昨季5つの失策をした北條史也は、練習後、感心したように報道陣へ語った。

「ステップを大きく取ることによって、投げる目標をしっかり見る間ができました。わかりやすかったです」

川相氏は宿敵・巨人のOB。ジャイアンツではヘッドコーチや二軍監督の経験もあり、阪神へは異例の招聘となった。

「昨年の香田勲男・二軍投手コーチのように、巨人出身者が阪神の指導者になる例はありますが、極めてまれです。しかも川相さんは、長年ショートのレギュラーとして活躍した『巨人の顔』の一人。阪神がジャイアンツの大物を招くのは、前代未聞でしょう」(スポーツ紙担当記者)

招聘の裏には、やむにやまれぬ事情がある。

「阪神は昨季チーム失策85個を数えるなど、3年連続リーグワーストの不名誉な記録を残しています。川相さんは現役時代に日本記録の533犠打を決めバントの名手として知られている一方、6度ゴールデングラブ賞を受賞するなど堅守の人でもある。

普段は温厚ですが、気のないプレーをする選手を『やる気がないなら帰れ!』と怒鳴りつけるなど、指導はとても厳しい。球団は、若返りをはかるチームに良い刺激になると考えたのでしょう」(同前)

「外様なのに……」

阪神は、OBの影響力がとても強いことで知られる。ライバル球団出身者へ、反発はないのだろか。

「保守的な球団ですからね。多くのOBの本音としては、阪神出身者で監督やコーチを固めたいでしょう。他球団からきた指導者が、『外様なのに……』と陰口をたたかれることもあるんです。特に川相さんは巨人の大物ですから、良く思わないOBがいてもおかしくありません」(球団関係者)

だが、川相コーチは笑顔でのびのび指導している。選手の反応も、決して悪くない。

「矢野(耀大)監督の後ろ盾があるからですよ。阪神は昨季2位になったとはいえ、首位・巨人に8勝16敗と大きく負け越しています。トップとのゲーム差は7.5で、巨人の独走を許した要因になりました。選手、指導者として長年巨人にいた川相さんなら、巨人の内情や弱点にも精通しているはず。矢野監督は川相さんの意見を取り入れ、うまく戦略をたてられれば、来季勝ち越せる可能性はあると考えているんです。

パ・リーグには好例があります。ロッテでヘッド兼内野守備コーチや二軍監督を務めた、鳥越裕介さんです。ロッテはソフトバンクで選手、コーチを経験した鳥越さんをチームの中枢に置くことで、日本一になったホークスに2年連続勝ち越していますから」(球団関係者)

05年以来、15年間も優勝から遠ざかっている阪神。今季が任期最終年となる矢野監督としては、OBの顔色をうかがっている余裕などないのだろう。宿敵からコーチを招聘してでも、猛虎復活を期す。川相氏の笑顔からは、矢野監督の覚悟がうかがえる。

  • 写真共同通信社

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