国内外でファン多数!アニメ好きがMAPPAに熱視線を送るワケ | FRIDAYデジタル

国内外でファン多数!アニメ好きがMAPPAに熱視線を送るワケ

『呪術廻戦』『進撃の巨人』『チェンソーマン』話題作を次々手掛ける今注目のアニメスタジオとは

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国民的ヒット作となった『鬼滅の刃』。ブームのきっかけとなった2019年のアニメ放送は、原作漫画を見事映像化した制作会社“ufotable”(ユーフォーテーブル)の名を、アニメファン以外にまで周知させました。以降、人気原作のアニメ化を担う制作会社にも、これまで以上に注目が集まるようになってきています。

そんな中、『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)『進撃の巨人』『チェンソーマン』といった話題作のアニメ化を次々と担い、現在国内外で頻繁に話題になっている制作会社が、アニメスタジオ”MAPPA”(マッパ)です。

「MAPPA」公式ホームページより

映画『この世界の片隅に』をはじめ、特撮ドラマを原作とした『牙狼-GARO-』や実写化もされた人気漫画『賭ケグルイ』といった有名作品も手掛けてきたこちらの会社。

アニメ好きはもちろん、普段はアニメをみない人から海外のアニメファンにまで支持される作品も数々生み出してきました。どの作品も単に映像が綺麗なだけでなく、そこに集うクリエイターのこだわりがつまった“いい意味でのアクの強さ”があり、アニメ好きにとってはMAPPA制作と聞くだけで「きっと一筋縄ではいかないはず」と、予感せずにはいられない会社でもあります。

人気原作を次々と映像化するこの制作会社は、他の制作会社とどこにどのような違いがあるのでしょうか。

どのスタジオでもアニメは作れる…が

そもそも、漫画や小説といった原作をアニメ化する際、制作会社の違いによって何が変わってくるのでしょうか。

同じアニメを作る制作会社といってもそこに集うクリエイター、できる表現、蓄積してきた技術、どこまでをスタジオ内で手掛けるか等はまったく違います。そのため、どのスタジオも“アニメを作れる”ことに変わりはありませんが、その制作会社の特色が原作とぴったり合致すれば、『鬼滅の刃』とufotableのように、“原作の魅力を映像作品として最大限にブーストさせたアニメ”ができるのです。

少し乱暴ですがラーメン屋に例えてみましょう。どの店もラーメンを作れることに変わりはありませんが、そこに集う職人や機材、出せるメニュー、積み上げてきた味は全く違い、それらが反映されたその店は、しょうゆラーメンが有名だったり塩ラーメンが人気だったり、ヘルシーさが評判だったりと、それぞれ特色も変わってきます。

そのため、例えば同じ“塩ラーメンの材料”を使っても、どの店でも“塩ラーメンを作ることは可能”ですが、素材の味を最大限に引き出した塩ラーメンを作れるラーメン屋ならば、他の店のものより“ひとつ抜きんでた一品”が作れる、というイメージです。

微妙な違いに思えますが、年間300本以上の新作アニメがリリースされ、そのどれもが高い水準で制作されているいま、『鬼滅の刃』のように頭ひとつ抜きんでたヒット作を生むのに、原作と制作会社との合致がいかに重要かは何となく想像できると思います。

社会現象となった『鬼滅の刃』。アニメ制作を務めるufotableは、『劇場版 空の境界』『Fate』シリーズなどの人気作を手掛けてきた /劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 キービジュアル ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

“映像化不可能”を覆すスタジオ・MAPPA

では、人気原作ものを次々と映像化しているこのMAPPAは、どんな特徴を持つ会社なのでしょうか。あくまでアニメファンからみたイメージですが、原作ものに限って話すと、ビジネス面や技術面等の様々な理由でアニメ化が難しそうな、ともすれば他の制作会社が手を出しにくい作品を、人々の期待を超える形で映像化する制作会社だと思います。

例えば、原作ファンも強く支持し、結果的には興行収入27億円超えのヒット作にもなった映画『この世界の片隅に』も、実は当初ヒットの要素が見当たらないと言われ、マーケティング的には映像化が難しい企画でありました。

また、原作人気は高いながらも、時にグロテスクで混沌とした世界観ゆえに、ずっと“映像化が不可能”と言われていた漫画『ドロヘドロ 』も、原作未読者・既読者共に惹きこまれるほど見事なアニメ化によって、国外でまでアニメの賞レースにノミネートされるほどの高評価を受けています。

他にも、原作完結から20年以上を経て、ファンの中ではある種バイブル化されている漫画『BANANA FISH』を、舞台を現代にコンバートしながらも、原作ファンからの期待に応える形で映像化し、好評を博しました。

人気原作のアニメ化は諸刃の剣

“原作が人気ならアニメも当然人気が出るもの”と思われがちですが、実は原作の人気が高すぎる作品のアニメ化は、同時に諸刃の剣でもあります。あまりの人気に、ファンの中で原作がある種“神聖視”されているために、映像化のハードルが高くなるだけでなく、アニメがファンの期待に及ばなければ、制作会社がマイナスイメージを抱かれてしまうリスクもゼロではないからです。

しかしMAPPAは、そうしたプレッシャーもある中で、上記以外にもアニメ化のハードルが高い人気原作を、原作ファンも驚き、アニメが初見のファンも魅了する形で映像化してきました。故・手塚治虫氏の名作『どろろ』の最新アニメしかり、『進撃の巨人』The Final Seasonしかり、放送開始以降大きな盛り上がりを生んでいる『呪術廻戦』しかりです。

昨年12月に発表された「週刊少年ジャンプ」の注目作品『チェンソーマン』のアニメを手掛けるというニュースに、原作者をはじめ国内外のファンからまず期待の声があがったのも、こうした積み重ねによる「MAPPAなら!」という確かな信頼が、ファンの中にあったからでしょう。

TVアニメ『チェンソーマン』(原作:藤本タツキ)ティザービジュアル ©藤本タツキ/集英社・MAPPA

人気原作のアニメ化を可能とするMAPPAのポテンシャル

MAPPAがこうして、人気原作を数々手掛ける、ファンからの信頼が厚い制作会社になっていったことには、歴代のスタジオ代表たちによる、「よその会社に断られた企画が来たときに何とか形にしたい 」「面倒くさいことを言う人(クリエイター)の、面倒くさい希望をあえて叶える 」というアニメ制作への姿勢が、大いに関係しているように思います。

普通であれば、そのための労力を鑑みて避ける企画に敢えて向き合い、かつそれを破綻させずに実現してきたことは、前述の通り映像化不可能を覆す会社としての実績となってきました。また、そうした映像化を可能とする座組が組めるのも、個性的で実力あるクリエイター達が「MAPPAでならやりたいことができる!」と集まってくれる、作り手たちのこだわりにとことん応える姿勢があるからなのでしょう。

こうした代表たちによる、事業経営とはまた違った“アニメを作るための場所づくり”が、他の制作会社とひと味違うアニメ制作を可能にし、人気原作を次々手掛けることができるMAPPA特有のポテンシャルとなっているのだと思います。

(※今回は原作ものに限った話ですが、MAPPAは『ユーリ!!! on ICE』や『ゾンビランドサガ』等、作品毎にジャンルがガラッと変わるオリジナル作品も大変魅力的です)

  • 小新井 涼

    北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。三木プロダクション所属。毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を5年以上前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。まんたんウェブやYahoo!ニュース個人などでコラムを連載する傍ら、番組コメンテーターとしての出演やアニメ情報の監修で番組制作へも参加している。 Twitter:@ry0nch1

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