ヤバすぎる隠し宮殿がバレて…プーチン大統領に迫る「終焉の時」
反体制派が建設中の〝豪華すぎる宮殿〟の存在をリーク 連日の抗議デモでは9000人以上が拘束され、ロシア国内は大混乱
21年に及ぶ〝プーチン時代〟の幕引きが近づいているのかもしれない。
先月19日、インターネットやSNSを駆使しロシア政府や同国内の大企業の不正を告発してきた活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏(44)率いる反体制グループ『反汚職基金』が、YouTubeに一本の動画をアップした。内容はプーチン大統領(68)のプライベートを暴露するもので、なかでも世界に衝撃を与えたのは〝豪華すぎる宮殿〟の存在だ。

建造費1400億円、東京ドームの1600倍以上といわれる広大な敷地内には、劇場やスケートリンク、カジノスペースなど数々のレジャー施設が建設中。また巨額の費用は、現政権の利益誘導で大富豪となった新興財閥が資金提供したとして〝世界最大の賄賂(わいろ)〟と告発されている。
同動画は公開10日足らずで1億回再生を突破。プーチン大統領は即座に関与を否定したもののロシア国民からは大きな反発が起きた。
『ニューヨーク・タイムズ』モスクワ特派員のアントン・トロアノフスキー氏が現地の様子を語る。
「プーチン政権下における過去最大規模の抗議運動が起きています。1月23日、31日と2週連続で行われたデモでは、少なくとも85都市で9000人以上が拘束されました。デモ隊は『プーチンは泥棒!』と叫び、現在拘束中のナワリヌイ氏の釈放を求めています。これに対し、政府は『テーザー銃』という強力なスタンガンの使用を初めて許可するなど強硬姿勢で対抗。緊張が高まっています」
昨年7月には’36年までの大統領在任を可能にする憲法改正の国民投票を行い、78%という圧倒的支持を集めたプーチン。「終身大統領」への道が見えた矢先の大混乱だが、政権崩壊の可能性はどれほどあるのだろうか。ロシア政治に詳しい筑波大学の中村逸郎教授は、近い将来、その時は必ず訪れると予言する。
「崩壊は待ったなしという状況です。ここまで急速な変化が起きた背景には新型コロナウイルスによる未曽有の経済危機があります。職を失い、生活が困窮する一方で、政府は税金を上げるだけで助けてくれない。
そんな中で国民の怒りを買ったのが暴露動画内の〝トイレブラシ〟の金額です。ロシアの平均月収は約8万円といわれています。しかし、プーチン宮殿のトイレブラシが一本9万円とリークされた。自分たちの平均月給よりプーチンのトイレブラシ一本のほうが高い。今回の反プーチン集会ではトイレブラシを持って行進する人がいっぱいいたんですよ。
今後は暴徒化した国民によるテロや、側近による暗殺などクーデターが起きる可能性がある。それくらい現政権への不満はピークに達しています。〝プーチン帝国〟崩壊の日はそう遠くないでしょう」
また、政権交代の動きを後押しする〝黒幕〟も存在する。
「一連の混乱の背景には独英米の諜報組織の存在があります。発端となったリーク動画はプーチンの愛人であるドイツ人女性の存在やソ連の秘密警察であるKGB時代の身分証、宮殿の設計図、飛行禁止区域でのドローン空撮と盛りだくさんだった。明らかに〝プロ〟の仕事です。彼らの狙いは反政府デモを扇動し、ロシアに打撃を与えること。プーチンは現在、国内における大規模デモだけではなく、国外からのプレッシャーにもさらされているのです。
これまでどんな抗議運動も無視してきたプーチンが、1月23日のデモについてはロシア国営第一テレビで5時間も生中継した。デモ参加者が次々と捕まる姿を見せることで、国民を牽制したわけです。そういった暴力でしか抑えられなくなっているところに、プーチンの焦りが表れていると言えます」(外務省関係者)
〝Xデー〟はすぐそこまで近づいている。



「FRIDAY」2021年2月19日号より
写真:アフロ AFP PHOTO/Alexey Navalny Youtube Channel(宮殿及び設計図)