BTS『ダイナマイト』大ヒットを生んだ所属事務所の賢すぎる戦略 | FRIDAYデジタル

BTS『ダイナマイト』大ヒットを生んだ所属事務所の賢すぎる戦略

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2020年1月の第62回グラミー賞に出演したBTS(防弾少年団) 写真:REX/アフロ

今や世界中の人が、こぞって歌ったり踊ったりして楽しんでいるBTSの「Dynamite」。

2020年9月5日、米国で最も権威のある音楽チャート「Billboard Hot 100」で初登場首位を飾った後、緩やかに順位を下げつつTOP10圏内に留まっていたが、2020年12月そして2021年1月と再び順位を上げており、まだまだその熱は覚めやらない。

「Dynamite」がデジタルシングルとしてリリースされたのは、2020年8月21日。それからもう半年が経とうとしているのに、これほどファンの心を熱くさせている原因は、アーティストとしてのBTSの魅力や楽曲の良さだけではない。ファンを飽きさせずにいつまでも楽しませてくれるBig Hit Entertainment(BTSの所属事務所 以下BH)のソーシャルメディア戦略と、世界中のARMY(BTSファンの呼称)たちによるファンダムの力にある。

そこで、「Dynamite」をトコトン楽しむと見えてくるBHの戦略を検証。ライトファンをも一気に沼オチさせた「Dynamite」現象を振り返る。

公式MVのバリエーションが豊富で見飽きない!

アーティストのオフィシャルMVは、1曲につき1本だと思っていたら大間違い! Dynamiteは、Big Hit Labelsで公開しているオフィシャルMVだけでも4種類ある。

まずは2020年8月21日に公開されたオフィシャルMV。このMVで着用している衣裳が、2021年1月31日にアメリカのチャリティーオークションに出品されて、元ZOZOTOWN代表・前澤優作と人気No.1ユーチューバー・HIKAKINが約1700万円で落札したことは、記憶に新しい。

実はこのOfficial MV公開の3日前に、29秒のオフィシャルTeaserも公開されている。Teaserは、新曲リリース時にあえて情報を小出しにしてファンの興味や関心を高める、宣伝広告の常套手段。この動画だけでも6700万回以上再生されているので、BTSの人気の高さがうかがえる。

 

そしてOfficial MV公開のわずか3日後に公開されたのが、MVのアザーカット版。おふざけリアクション多めのユニークなNGカットを、MVと同じシチュエーション割りで編集したもので、MVでみせるかっこよさとのギャップに、思わずキュンとなってしまう。

残り1本は、2020年9月26日に公開された振り付けバージョンで、全編通しの振り付けが見られるもの。BTSのダンスパフォーマンスを真似したいというファンのための映像になっているだけでなく、彼らのパフォーマンスをじっくりと堪能できるところもイイ。

この4本で満足してはいけない。実は「Dynamite」の大ヒットを受け、クリスマスシーズンの特別バージョンのMVが2020年12月11日に公開された。こちらは11〜12月いっぱい療養中だったSUGAを除く6人のバージョンと、2人ずつペアでセルフィーで撮影した全4種を一挙公開。クリスマス、ニューイヤーに向けさらに大きな盛り上がりを演出する、ブースト映像となった。

かっこいいと可愛いのギャップにやられる! MV制作裏話動画

また、MVではひたすらかっこいい7人の、オチャメで可愛い姿を楽しめるのが、BANGTANTVで公開されているメイキング映像のShooting Sketchや、メンバーがMVを見ながらコメントするMV Reaction。

特にMV Reactionでは、7人でわちゃわちゃとおしゃべりしながら映像を見て、メンバーのパフォーマンスを褒め合ったりじゃれたり。「本当に同一人物かな?」と思える“ギャップ”のある姿に、ズブズブと沼にハマってしまう人が続出している。

・Shooting Sketch

MV撮影風景をまとめた映像。メンバーのコメントを挟みながら曲を楽しめる構成になっていて、B-sideとはまた違うメンバーの表情を楽しむことができる。

 

・MV Reaction

こちらは出来上がったMVをメンバー7人で観て、あれこれおしゃべりするもの。映像をパッドで観ているので“お家感”があり、仲良しな7人の様子に思わず顔がほころんでしまう。

観た方はお気づきだろうが、上記の映像はすべて韓国語。「韓国語がわからないから、おもしろくない」という方も、ご安心あれ。YouTubeを検索すると【日本語字幕】とタイトルが入った同じ映像が、簡単に見つかる。これこそが、BTSの人気を世界に広めたARMYたちのファンダムだ。

公式が公開した映像は、ARMY有志の手によりさまざまな言語に翻訳され、その映像がYouTubeなどで公開されている。BTSの映像も多く上がるK-POPアイドルの動画サービスVLIVEにも、「V Fansubs」という視聴者が字幕をつけられる機能が備えられているなど、ファンの翻訳行動に対する公式の姿勢は「容認」。むしろ、限られた運営側の力が及ばないところまで自主的に補完してくれる存在として認め、画像や動画のシェアに対して寛容である。

ファンの行動の根底には、「BTSのメンバーが言っていることを、正確に理解したい」、「自分が好きなBTSをもっと知ってもらいたい」といった動機があり、それがファン同士の交流に繋がりを生み出す。その横の絆が世界と繋がり、大きな潮流となって、BTSを名だたる音楽賞で世界一に押し上げる大きな力となったのだろう。

  • 取材・文中村美奈子写真アフロ

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