綾瀬も亀梨も熱演 最近ドラマに「グロな殺害シーン」が溢れるワケ | FRIDAYデジタル

綾瀬も亀梨も熱演 最近ドラマに「グロな殺害シーン」が溢れるワケ

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『天国と地獄』のロケの合間に上着を半分脱ぎ微笑む綾瀬。サイコな難役を見事にこなしている。昨年11月撮影
『天国と地獄』のロケの合間に上着を半分脱ぎ微笑む綾瀬。サイコな難役を見事にこなしている。昨年11月撮影

冬ドラマも後半戦に突入。ぶっちぎりのトップを走っているのは、綾瀬はるか(35)と高橋一生(40)W主演の『天国と地獄~サイコな二人』(TBS系)だ。好調の理由は、男女の入れ替わりという難しい役どころに挑む主演二人の怪演と、全く行方の見えないストーリーの面白さにあるだろう。その一方でこのドラマは、「殺人シーンがグロくないすか……?」、「話は面白いけどグロくて断念」など、グロテスクな映像に離脱する人が多いことも話題となっている。

思えば今期ドラマは亀梨和也(34)主演の『レッドアイズ』(日本テレビ系)も、ナイフでメッタ刺ししたりバットで叩き殺したりと、残虐な殺人シーンを連発。ネット上には「開始10分で脱落」という声もあったように、度肝を抜かれた視聴者が少なくなかったようだ。

また竹内涼真主演の『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)も、グロテスクなシーンが避けられないゾンビドラマ。それがプライムタイムに放送されるというのも、今までにはなかったことだ。

ご法度の映像に求められたモノ

なぜ今期はこれほどグロテスクなシーンを流すドラマが増えたのか。気になってキー局のテレビ社員たちに取材したところ、背景には配信系ドラマの台頭があることが見えてきた。

「地上波テレビといえば、昔は家族全員で見るものでしたから、いわゆる“エログロ”はご法度とされていました。一方で配信系作品は個々人が選択して見るもの。子どもの目に触れないようにすることが可能なので、『ウォーキング・デッド』のようなグロテスクだけど面白い、というドラマ作りができるわけです。

ただ、テレビも今は見逃し配信もあるように、それぞれが見たいときに見たい番組を見る、という時代。しかもスマホやパソコンで見る人も多いため、配信系作品との垣根が低くなってきています。

決して『テレビもエログロOK』という流れになっているわけではないのですが、配信系はグロテスクなドラマが話題になりがち。そのためどうしても話題性を求めて、地上波でもグロテスクな作品を作ろうとする人は増えているのかもしれません」

配信系ドラマで刺激の強い映像に慣れてしまった視聴者たちも、地上波ドラマの中途半端な映像に物足りなさを感じ始めていると言われる。テレビ業界は今、配信系との差別化の難しさに苦しんでいるようだ。

「今や、何とか差別化できる要素があるのは報道ぐらいでしょう。日本社会はいまだにテレビ局や新聞社しか取材できない、というところがけっこうありますから。よくニュースで見られる代表質問も、ある程度名の知られている媒体を指名することが多い。まだ新興の配信系報道番組よりはネタを取りやすい、という優位性があります。でもそのネームバリューによる強みも、いつまでもつのかは分かりませんが……」

一方、別のキー局社員は次のような見解をコメントしてくれた。

「テレビ業界でグロテスクなものが推奨されるような風潮は、まったくありません。むしろコロナ禍で世の中が荒んでいるので、ほんわか路線が好ましいとされています。日本テレビの『ザ!世界仰天ニュース』も以前よりほんわかネタが多くなりましたし、人の失敗をネタにしていたTBSの『爆報!THEフライデー』も終了が決まっています。

一方でサンドイッチマンやバナナマン、千鳥など、仲良しぶりが微笑ましいコンビの冠番組が増えている。多少グロいシーンを流すドラマは以前からありましたが、昨今は平和な番組が増えているだけに、そのグロテスクぶりが際立って見えるのではないでしょうか」

しかしよくよく考えれば、今や社会現象となり国民人気の『鬼滅の刃』も、子どもが見るにはなかなかグロテスクなシーンが多い。また近年は、残虐性が強いと言われる韓国ドラマのリメイクも増えている。地上波におけるグロテスク描写のボーダーラインが下がってきていることは、確かなようだ。

今後はほっこりバラエティの増加と同じぐらい、フィクションにおけるグロテスク化も加速するかもしれない。

  • 取材・文奈々子

    愛媛県出身。数年間の会社勤務を経てフリーライターに。女性誌や週刊誌でタレントのインタビュー、流行事象の分析記事を扱う他、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影近藤裕介

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