『愛の不時着』ヒョンビンとイェジンの熱愛が祝福される背景 | FRIDAYデジタル

『愛の不時着』ヒョンビンとイェジンの熱愛が祝福される背景

韓国エンタメ界の数少ない”興行女優”ソン・イェジンはまさに「これ以上ない相手」

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
ドラマ『愛の不時着』製作発表会でのヒョンビン(左)とソン・イェジン(右) 写真:YONHAPNEWS/ニューズコム/共同通信イメージズ
ドラマ『愛の不時着』製作発表会でのヒョンビン(左)とソン・イェジン(右) 写真:YONHAPNEWS/ニューズコム/共同通信イメージズ

コロナ禍、日本で新たな韓流ブームを巻き起こした韓国ドラマ『愛の不時着』。
今年に入ってドラマの話題が沈静化するかと思いきや、主演したヒョンビンとソン・イェジンの熱愛報道で、またしても注目度が高まった。

『愛の不時着』以前から映画『ザ・ネゴシエーション』(2018年)でも共演し、熱愛が噂されていた二人だ。韓国では驚きよりも、むしろ既成事実のように受け止められている。

『愛の不時着』で日本女性をも魅了したヒョンビンだが、ブレイクしたのはこれで3度目。最初のブレイクのきっかけは、2005年の大ヒットドラマ『私の名前はキム・サムスン』だった。

韓国での最高視聴率はなんと50.5%という、今では考えられないような数字を叩き出した怪物ドラマだ。ヒョンビンはツンデレの御曹司キャラがピタリとハマり、女性視聴者は“ヒョンビン症候群”に陥った。

このドラマでヒョンビンは韓国のトップスターとなり、その後、日本でもファンを増やしている。

ヒョンビンの恋人ソン・イェジンも日本の韓流ファンの間では知名度が高かった。ドラマ『冬のソナタ』と同じユン・ソクホ監督の四季シリーズ『夏の香り』でヒロインを演じていたからだ。

韓国でソン・イェジンは清純派女優のイメージが強く、“国民の初恋”と呼ばれていた。ヒョンビンがブレイクする前年の2004年には主演映画『私の頭の中の消しゴム』も公開されている。ヒョンビンが韓国でブレイクした頃、ソン・イェジンはすでに女優人生を開花させていたといえる。

日本で行われた映画『四月の雪』(2005年)公開記念イベントに登場したペ・ヨンジュン(左)とソン・イェジン(右) 写真: 共同通信イメージズ
日本で行われた映画『四月の雪』(2005年)公開記念イベントに登場したペ・ヨンジュン(左)とソン・イェジン(右) 写真: 共同通信イメージズ

ブレイク後に続いた長い低迷期

ヒョンビンの公式初来日は2006年。初主演映画『百万長者の初恋』を引っさげて来日し、記者会見を行っている。翌年には日本で公式ファンクラブがオープンし、ファンミーティングを開催。以後、毎年のように来日してファンイベントを行っている。

仕事は順調のように見えたが、注目度の高さとは対象的にヒット作からは遠のいていく。

主演ドラマは視聴率が伸びず、映画もコケた。この頃、俳優として成長したいヒョンビンと、“イケメン”キャラのヒョンビンを見ていたいファンとの間に齟齬が生じていたように思う。

新しいキャラクターを模索するヒョンビンだったが、『キム・サムスン』以来のヒット作は2010年のドラマ『シークレット・ガーデン』まで待たなければならなかった。

恋した相手と魂が入れ替わるという突拍子もない設定に挑んだ『シークレット・ガーデン』のヒットで、ヒョンビンはCM出演の本数が増えるなどトップスターの地位に返り咲く。そして翌年、海兵隊に入隊した。

まさに絶好のタイミングで入隊だった。しかも、自ら志望したのは軍隊の中でもっとも訓練が厳しいといわれる海兵隊。人気俳優でありながら、あえて過酷な道を選んだヒョンビンの決意に、多くの韓国人が「誇らしい大韓男児」「韓国の息子」と、賞賛の言葉を口にした。

このとき、もしも“芸能兵”を選んでいたなら、その後のヒョンビンの俳優人生は今とは違ったものになっていたかもしれない。

海兵隊への入隊を前に、ファンに向け手を振るヒョンビン(2011年3月7日) 写真:ロイター/アフロ
海兵隊への入隊を前に、ファンに向け手を振るヒョンビン(2011年3月7日) 写真:ロイター/アフロ

除隊後の復帰作は映画『王の涙-イ・サンの決断-』(2014年)。朝鮮王朝時代の王・正祖を熱演し、385万人もの観客を動員している。『キム・サムスン』でブレイクしていた当時の『百万長者の初恋』では56万人しか動員できなかったことを考えると、映画俳優としても認められたといえる。

一方、除隊後初の主演ドラマ『ジキルとハイドに恋した私』は視聴率で苦しんだ。なんと視聴率が3%台に落ち込むほど不人気だった。

裏番組のドラマ『キルミー・ヒールミー』と同じ“二重人格”が素材。おまけに、『ジキルとハイド』の原作者が『キルミー』に対して「盗作」呼ばわりしたことで場外戦のほうが話題になってしまう。結果、『ジキルとハイド』はヒョンビンの復帰作とは思えないほど悲惨な状況で最終回を迎えている。

またもや低迷期に入るのではないかと懸念されたが、この年、ヒョンビンは個人事務所を設立。ここから快進撃が始まる。

映画『コンフィデンシャル/共助』(2017年)、『スウィンダラーズ』(2017年)が続けてヒット。翌年にはソン・イェジンと共演した『ザ・ネゴシエーション』も注目を集めた。

ドラマ『アルハンブラ宮殿の思い出』は思ったほど話題にならずに終わったが、主演映画は次々とヒット。そういった状況の中、『愛の不時着』はヒョンビンの除隊後3作目にしてついに視聴者の心をつかんだドラマだったのだ。

映画『スウィンダラーズ』(2017年)記者会見でのヒョンビン(左)とユ・ジテ(右) 写真:Lee Jae-Won/アフロ
映画『スウィンダラーズ』(2017年)記者会見でのヒョンビン(左)とユ・ジテ(右) 写真:Lee Jae-Won/アフロ

韓国芸能界のトップスター同士の恋愛

プライベートに関していえば、『愛の不時着』でヒロインを演じたソン・イェジンが初ロマンスなのに対し、ヒョンビンはこれまで何度か熱愛が報じられてきた。

初の交際報道は2007年だったが、相手の女優とは報道後すぐに破局している。
2016年に報じられた人気女優カン・ソラとの交際は一年ほど続いた。そのカン・ソラは去年、一般男性とゴールインしている。

ヒョンビンの熱愛で一番注目されたのはドラマ『彼らが生きる世界』で共演した人気女優ソン・ヘギョとの交際だろう。

韓国や中国で人気の高いソン・ヘギョは共演者キラーとしても知られている。かつては『オールイン 運命の愛』で共演したイ・ビョンホンとも交際していた。いわゆる“恋多き女優”だ。

ソン・ヘギョの恋愛は“共演ハイ”との見方もあり、ヒョンビンとの熱愛に対しても、ネット上では「お似合いのカップル」というファンがいる一方で、「またか」という微妙な反応もあった。

そのせいか、ヒョンビンの入隊前に破局していたのもファンからすれば想定内だった。

ソン・ヘギョはその後『太陽の末裔』で共演したソン・ジュンギと結婚し、2年もたたずに離婚している。「あぁ、やっぱり」といった声も少なくなく、仮にヒョンビンと結婚していても結果は同じだったかもしれない。

2017年に結婚したソン・ヘギョ(右)とソン・ジュンギ(左)。「世紀のカップル」と呼ばれ話題を呼んだが、2019年に「性格の不一致」により破局した 写真:Yonhap News/ニューズコム/共同通信イメージズ
2017年に結婚したソン・ヘギョ(右)とソン・ジュンギ(左)。「世紀のカップル」と呼ばれ話題を呼んだが、2019年に「性格の不一致」により破局した 写真:Yonhap News/ニューズコム/共同通信イメージズ

昨年、中国メディアはヒョンビンとソン・ヘギョの復縁説を報じたが、ヒョンビンはこれを否定。映画『ザ・ネゴシエーション』(2018年)で共演したソン・イェジンとの交際説が何度も浮上していたことを考えると、今さらソン・ヘギョが入り込む余地はなかっただろう。

ヒョンビンが過去の恋愛のようにいずれ破局するのではないかと懸念する声もあったが、ヒョンビンとソン・イェジンといえば、今では韓国トップクラスのカップルだ。どちらもドラマでは高視聴率が期待でき、映画でも劇場に観客を呼べる。

ドラマ1話あたりのギャランティーは韓国メディアによれば、日本円で1千万円。韓国でもトップクラスで、視聴率や観客動員数といった数字を持っていることが高く評価されていることが伺える。

映画『ザ・ネゴシエーション』(2018年)でも共演したヒョンビン(左)とソン・イェジン(中央)。右はイ・ジョンソク監督 写真:Yonhap News/ニューズコム/共同通信イメージズ
映画『ザ・ネゴシエーション』(2018年)でも共演したヒョンビン(左)とソン・イェジン(中央)。右はイ・ジョンソク監督 写真:Yonhap News/ニューズコム/共同通信イメージズ

映画で大勢の観客を動員できる女優はそう多くない。

韓国では女優主演の映画はヒットしづらいといわれている。ヒョンビンの元カノのソン・ヘギョもドラマでは注目されてもスクリーンでは存在感を発揮することができず、今も“興行女優”にはなれずにいる。

けれどソン・イェジンは違う。映画でも活躍し、安定した観客動員数を期待できる女優の一人だ。しかもハリウッド映画『Cross /クロス』への出演も決まっている。

ヒョンビンにとってもソン・イェジンにとっても「これ以上の相手はいない」というレベルの相手だ。仕事でのすれ違いがあろうと、このまま結婚に向かって突き進む可能性のほうがむしろ大きいのではないか。

  • 取材・文児玉愛子(韓国コラムニスト)

    韓流エンタメ誌、ガイドブック等の企画、取材、執筆を行う韓国ウォッチャー。
    新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。

  • 写真共同通信、アフロ

Photo Gallery6

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事