『天国と地獄』高橋一生の中毒性ある演技がヤバすぎる…! | FRIDAYデジタル

『天国と地獄』高橋一生の中毒性ある演技がヤバすぎる…!

ハイスペックな役柄が多い高橋一生が、難役を好演!

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ドラマ『天国と地獄 ~サイコな2人~』で見事に女性になりきっている高橋一生
ドラマ『天国と地獄 ~サイコな2人~』で見事に女性になりきっている高橋一生

「もう、イヤだぁぁぁぁ〜!!」
「(見たくないものを)見ちゃったあああ〜〜〜っ!!」
「なめんじゃないわよ、私だって警察の端くれなんだからねっ」

これが『天国と地獄 ~サイコな2人~(以下、天国と地獄略)』(TBS系)で放送された高橋一生のセリフだ。女性が羨むキュッと細いウエストを持つ、芸能界で残り少ない独身のアラフォー俳優の高橋。そんなミスターパーフェクトが今、ドラマで完璧な女性を演じきっている。

これがクセになって仕方がない。なぜ女性を演じる高橋一生にハマってしまうのか? ただ物珍しいとか、ありがちなことではなく何かが潜んでいるはず。ドラマを見つつ、ニヤニヤとしながら、その理由を振り返ってみることにした。

君は見たか?目覚めの瞬間から日高の仕草は女だった

2月7日放送の平均世帯視聴率が13.4%と、人気絶好調の『天国と地獄』。放送時間は月曜から働く社会人の皆さまのエネルギーになる、日曜の21時だ。綾瀬はるかと高橋一生という、コロナ禍を吹っ飛ばすような豪華キャストであるだけが、人気の理由ではない。超・人気者をそろえたドラマであっても騒がれることはなく、ひっそりと放送終了を迎えたドラマをたくさん知っている。タイトルは言えないけど。

そんな人気作のあらすじは……

“望月彩子(綾瀬)は警視庁捜査一課の刑事。猟奇的殺人を繰り返す容疑者・日高陽斗(高橋)と接触を重ねるうちに、2人は体が入れ替わってしまう。体は日高で心は彩子。一方、体は彩子で心は日高。この事態でも、唯一の理解者・後輩の八巻英雄(溝端淳平)の協力を得ながら、日高を追い詰める彩子。でも日高は彩子の体のまま、新しい殺人事件を犯していた。”

このように、ややこしい。男女の体が入れ替わると言えば、人気の小説が何度も映像化されている『転校生』(1982年)がある。2人が入れ替わるシーンもこの代表作と同じく、階段から転がり落ちることがきっかけになっていた。日本人なら「あ、ここで入れ替わる」と勘づく。やや古典的な演出だと思っていたが、違ったのは日高(彩子になった高橋一生)が目覚める瞬間の様子だった。

階段から落ちて気を失った後、病院で目覚めると男性の体になっていた彩子。すでに第一声の「はっ!」という声から女性の発声、手を額にあてて瞬きをしながら起き上がる様子はもうどっぷりと彩子だ。目覚めてから数秒で、この演技はさすがの一言。

政治家、キャリア官僚……エリートな役柄との差異

その後は男性の性器や特有の現象を見て狼狽するなど、入れ替わりドラマらしいシーンが続く。仕草、風呂上がりのタオルの巻き方、涙目になる瞬間など見た目は日高=高橋なのに、どうしても女性がダダ漏れしている。綾瀬はるかの男っぷりも見事だ。二人の性別がそのままの状態で放送されたのは、第一話のみなのに、少ない時間の中でキャラクターを吸収している。

実はこのドラマで男女が入れ替わった後のキャラを期待していたのは、綾瀬のほうだった。数々の作品やバラエティや歌番組も披露されていたように、普段はすっとぼけ天然なのに、何か強烈なキャラを与えると完璧に演じきって、最高の化学反応のような現象を見せるからだ。

ただドラマがスタートすると、注目はむしろ高橋の女っぷりへ。

思い返すと彼はパブリックイメージがそうさせるのか、ハイスペックな役を演じていることが多かった。『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』(フジテレビ系・2017年)では政治家、『東京独身男子』(テレビ朝日系・2019年)ではメガバンク社員、『凪のお暇』(TBS系・2019年)ではエリート社員、『竜の道 二つの顔の復讐者』(フジテレビ、関西テレビ系・2020年)では国土交通省勤務。そして今回の日高もベンチャーの社長役。社員に対してスマートにサラッと敬語を使う姿も様になっている。もちろん全てではないけれど、やっぱり多い。

ブレイクのきっかけになった『民王』(テレビ朝日系・2015年)の総理大臣秘書役や、『カルテット』(TBS系・2017年)のクズ男役はすでに懐かしささえ感じてしまうほど。これらの役と今回の日高(体は彩子)とのギャップが、いい効果をもたらしているのではないだろうか?

いずれにしてもこのドラマ、面白いことだけは間違いない。IKKOさんと並んで女言葉で話していても、なんら違和感のない高橋の女っぷり。ポンコツ八巻がいつ日高に殺されるのかとハラハラする緊迫感。月の満ち欠けと、数字が物語のキーワードになっていること。そして日高の入れ替わり初心者疑惑。あの慣れた様子は初心者ではないはず。いろいろ気になることはあるけれど、次回の放送を待つ。

  • 小林久乃

    エッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター、撮影コーディネーターなど。エンタメやカルチャー分野に強く、ウエブや雑誌媒体にて連載記事を多数持つ。企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊を超え、中には15万部を超えるベストセラーも。静岡県浜松市出身、正々堂々の独身。女性の意識改革をライトに提案したエッセイ『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)が好評発売中。

  • 写真時事通信社

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