金正恩が激怒した北朝鮮の「ヤバイ大学受験事情」 | FRIDAYデジタル

金正恩が激怒した北朝鮮の「ヤバイ大学受験事情」

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2月8日に行われた党中央委員会で演説する金正恩氏。不正入試の横行に怒りを露わにしている(画像:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

大学入試がスタートし、本格的な受験シーズンがやってきた。エリート校入学へのハードルが高いのは、北朝鮮も同じ。だが日本とは、だいぶ事情が違うようだーー。

「平壌医科大学で重大な犯罪行為があった」

昨年11月の党中央委員会で、北朝鮮の指導者・金正恩氏が激怒する場面があった。平壌医科大学は北朝鮮でも有数の難関大で、卒業後は大病院幹部への道がひらけている。その名門大で起きた「犯罪行為」とはなんだろうか。『デイリーNKジャパン』編集長の高英起氏が語る。

「『トンジュ』と呼ばれる富裕層出身の男子学生グループが、複数の女子学生に『性上納』を強要したんです。なんらかの利益の見返りに、わいせつな行為を強要したのでしょう。苦しみに耐えかね、被害者の一人は自ら命を絶ったそうです」

事件の背景には、横行する不正入試がある。裏取引される試験問題、特権階級の子弟がカネとコネを駆使し裏口入学……学問に対する意識の低い若者が入学し、トラブルを起こしているのだ。高氏が続ける。

「北朝鮮の主要都市には『第1中学校』という学校があります。1984年7月に英才教育の推進を打ち出した、故・金正日総書記が作らせたエリート校です。難関大の学生の大半は、第1中学の卒業生。昔の日本で言えば『ナンバースクール』でしょう。最近では、各地の第1中学にも入試を突破するレベルに達していない生徒が大勢入学しているそうです」

抜き打ちテストの結果が……

昨年12月、党中央委員会は北東部・咸鏡北道(ハムギョンブクト)の第1中学校を検閲(監査)を実施した。在校生に抜き打ちの試験を受けさせたが、あまりに成績が悪いことに派遣員が驚愕したためだ。検閲すると、地元の役人に裏カネを渡していたなど、不正入試の実態が明るみになった。

「毎年『特例』として複数の生徒を選抜し、入学させていたことも判明しました。学校は、運営に必要な資材を購入するためと釈明しています。つまり『金づる』が必要だったんです。不正入試に加担した教員への処分は下されていませんが、無事ではすまないでしょう」(高氏)

もちろん名門校へ入学すれば、将来が約束され、質の高い教育を受けられるというメリットがある。だが、親たちが第1中学にこだわる理由は他にもある。

「兵役逃れですよ。すべての北朝鮮国民は、満17歳になれば徴兵検査を受けます。一般中学に通う生徒は、卒業すれば軍に入隊し、世界最長と言われる10年の兵役に服さなければなりません。務め上げれば朝鮮労働党入党などのメリットがありますが、リスクは大きい。環境の悪い山奥の基地で飢えと戦い、栄養失調になる兵士が続出しているんです。生きていくために盗難を働き、逮捕される者もいます。

一方で第1中学校に入れば、卒業後すぐに大学に入学でき兵役は3年に短縮されます。党幹部への道も開ける。大金を積んででも、入学させたい学校なんです」(高氏)

北朝鮮は「教育の平等と無償」を建前としている。だが不正入試の横行で有名無実化。人材育成を当面の目標に掲げる金正恩氏にとって、頭の痛い問題となっている。

  • 写真KNS/KCNA/AFP/アフロ

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