森喜朗会長の退場で存在感増す小池百合子の「後出しジャンケン」感

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ついに辞任を表明した森喜朗会長。一部では、トドメを刺したのは小池百合子東京都知事と言われるが…

「政界の風見鶏」の異名はダテではなかった。東京五輪組織委員会の森喜朗会長が2月12日、一連の“女性蔑視発言”の責任を取り、正式に辞任した。

「まさか森さんの首が吹っ飛ぶとは…」

政界関係者からもつい本音が漏れる。政財界で隠然たる力を持ち、誰も鈴をつけることができなかったキングメーカーの“最後”。そのウラで脳内センサーをフル稼働し、時勢を読みまくっていたのが小池百合子都知事だ。

それは森氏に対する発言の“濃淡”を追ってみればわかる。森氏は3日に行われた日本オリンピック委員会の評議員会で

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」
「女性の優れているところですが、競争意識が強い。誰か手を挙げると『自分も言わないといけない』と思うんでしょうね」

などと発言。即座にメディアは不規則発言だと大々的に報じた。

しかしこの時、小池氏はまだ様子見だった。口を開いたのは翌4日、森氏が前日の釈明会見を行ったあとだった。森氏はこの席でマスコミに

「面白おかしくしたいから聞いてんだろ?」

と逆ギレし、さらに旗色を悪くしていた。小池氏は退庁時の取材に応じ

「直接(会見を)見ておりませんが、前日の発言もあり、内外から厳しい声が私の所にも届いている。重要な時期に五輪よりも別の意味で世界中にニュースを提供してしまうということに私自身も困惑しております」

とコメント。森氏の進退に関しては「ご自身の真意をもう1度説明していただきたい」と言及を避けつつ、女性の立場の現状などを含めて

「今回の件で、あらためて見直していく必要があるのではないでしょうか」

と述べるにとどめた。

「森氏の“力”をぞんぶんに分かっているのが小池氏。IOCが東京五輪の1年延期を決めた際も、小池氏は蚊帳の外だった。今回も下手に突っ走れば、しっぺ返しを食らう。小池氏は過去の教訓から3日の発言直後から情報収集を開始。懇意にしている記者や五輪スポンサー、代理店などから得た情報を分析し、国内外の空気感を計っていた」(全国紙都政担当記者)

翌5日も小池氏は“動かなかった”。改めて森氏発言について聞かれ、

「絶句したし、あってはならない発言だった。大会を安全安心に進めるのが都や組織委のミッションであり、大きな事態に直面している」

とややトーンを強めたが、同時に森氏から謝罪電話があったことを明かし「申し訳ないとおっしゃっていた」と代弁。森氏の進退についても、

「開催地としてどのように実現に向けやっていくかということ。誰が適任かというと、(森氏は)これまでIOCと交渉してきた立場でもある。粛々とした準備に努めていきたいと、これに尽きます」

とはぐらかした。

「そこから週末の休みに入り、小池さんの情報収集は加速。都庁には通常業務に支障をきたすほどの抗議電話が届き、職員も悲鳴を上げていた。世界各国の反応や、兆円単位の五輪の放映権料を支払う米放送局NBCもプレッシャーをかけていたことがわかり、小池氏は『これは(森氏の)クビまで獲れる』と確信した」(同・全国紙記者)

一気にその刀を抜いたのが10日。小池氏は2月17日開催で調整されていたIOC、組織委員会、政府との4者会談を「今開いてもポジティブな発信にならない」という理由でボイコット。五輪準備を話し合う重要な会議に開催都市の長が出席しなければ当然、成立しない。

元大阪府知事の橋下徹氏は11日放送のテレビ番組で

「最高の政治的態度、振る舞い。身震いするほどです。こういうやり方があるのかと」

と称賛したが…。

「全部『後出しジャンケン』なんですがね。そうは見せないのが小池さんの凄いところ。これで東京都のコロナ対策の“失政”もうまく隠れた。再びイケイケの小池さんが戻ってくると思いますよ」(前出・政界関係者)

ただ、会長職を辞したからといって森氏の権勢が完全に削がれたというわけではない。森氏は政財界や競技団体、関係省庁、世界の要人とパイプがあり、五輪開催の調整を一手に担ってきた。

逆に森氏が去った今、開催都市の知事として小池氏がどこまで“まとめられるか”手腕が問われるところだろう…。

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