懐かしすぎ…!『レトロ自動販売機の聖地』に行ってみた
神奈川・相模原 コロナ禍のなか、安くて安全なテイクアウトとして注目
いま、神奈川県相模原市南区にある『中古タイヤ市場 相模原店』が大混雑しているという。実際、2月上旬に訪れると、広い駐車場には山梨や茨城など県外ナンバーのクルマも多く、満車状態だった。

客の目当ては古タイヤではない。店舗に併設されている自販機コーナーだ。そのどれもが、昭和の時代から稼働している年代物ばかり。価格はチーズバーガーが280円、天ぷらそばやラーメンが300円、カレーが400円である。営業は24時間(商品の補充は19時まで)。コロナ禍のなか、昼間は家族連れ、夜は若者やカップルで大賑わいだった。ほとんどの客が、ほぼ無言で購入した後、車内で食べる。まさに安くて安全なテイクアウトなのだ。
「手作りに近いうどんやそばなど麺類が人気です。週末は400杯以上売れて、通路が歩けなくなるほど混むこともあります」
そう語るのは、社長の斉藤辰洋さん。もともとは4年ほど前に斉藤さんがポップコーンや瓶コーラの古い自販機を自ら修理して、5台設置したのが始まり。それが関東近郊の廃業した商店から自販機を引き取っていくうちに、現在では合計95台にまで増えたのだという。
「もう部品がないので、壊されてしまうと修理が大変なんです。どうか優しく扱ってください!」(斉藤さん)
記者はチャーシュー麺(400円)を食べてみた。生麺にチャーシューが5~6枚、お金を入れると熱々のスープが注がれ、1分弱で完成。本格的な味に驚いた。
「レトロ自販機の聖地」までドライブ。そんな週末も良いかもしれない。




『FRIDAY』2021年2月26日号より
取材・撮影:加藤久美子