最大震度6強 福島沖地震「さらなる巨大地震が日本を襲う可能性」 | FRIDAYデジタル

最大震度6強 福島沖地震「さらなる巨大地震が日本を襲う可能性」

専門家が警鐘 もし五輪開催中に発生したらどうなる?

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「福島県沖地震は、太平洋プレートの内部で断層がズレ動いたために起きました。東日本大震災は大きな地殻変動をもたらし、いまでも広い地域で地震が起きやすくなっています。福島県沖もその一つ。そして、今回の地震によって、さらに地殻のバランスが崩れたところもあります」

2月13日の福島県沖地震によって、福島県二本松市にあるサーキット場では大規模な土砂崩れが発生した(撮影:朝日新聞社)
2月13日の福島県沖地震によって、福島県二本松市にあるサーキット場では大規模な土砂崩れが発生した(撮影:朝日新聞社)

東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授(地震地質学)はそう指摘する。

2月13日深夜に発生した福島県沖地震はM7.3。福島県や宮城県で震度6強を観測した。国内で震度6強以上の地震が起きたのは1年8ヵ月ぶり、長い揺れは、多くの人に「3.11」を連想させた。

東海大学海洋研究所地震予知・火山津波研究部門長の長尾年恭教授が言う。

「東日本大震災はM9でした。そこから1を引いたM8の『最大余震』が発生する可能性があるのです。その観点では、今回の地震はまだ最大余震ではありません。福島県沖をはじめ、青森沖や茨城沖でM8の地震が近い将来に起こりえます」

福島県沖地震は、さらなる巨大地震の前触れでしかないようだ。前出の遠田教授もこう警鐘を鳴らす。

「とくに注意が必要なのは、福島県沖とさらに沖合の日本海溝付近です。このエリアで断層が動くと、津波が発生する恐れがあります。一つ地震が起きると連鎖的に起きやすい状況になるというのは確か。2月13日の発生から1週間ということでなく、数ヵ月単位で警戒が必要です」

当然、今夏の五輪開催予定時期に起こることも否定できない。さらに遠田教授は関東での大震災の発生を危惧(きぐ)する。

「首都圏から房総沖は、東日本大震災の影響で地震の数が増えており、発生のペースが落ち着いていません。いつ大きな地震が起きても不思議ではなく、首都直下型も十分に考えられます」

立命館大学の高橋学特任教授(災害リスクマネージメント)もこう語る。

「お菓子の袋に切り込みがあれば、そこから簡単に切ることができますよね。『3.11』によって、日本列島の地殻に切り込みができたと考えてください。茨城県、栃木県、千葉県でM3~4の地震が起こることが多くなりました。いずれM8~8.5の地震が発生するでしょう。震源から少し離れていても、首都圏は甚大な被害を受けることになります」

東京五輪の開催には「地震」という大きなハードルも存在する。

福島県新地町の図書館では約8万冊の蔵書のほとんどが、棚から落下。無残な姿に職員は茫然とするしかなかった
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福島県相馬市では一般道に巨大な岩が落下した。県内を通る国道や高速道路は各所で通行止めの措置がとられた
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福島稲荷神社(福島県福島市)では灯籠が崩れ、近くに駐車していた職員のクルマを直撃し、押し潰した
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断水が続く福島県新地町に自衛隊の給水車が出動。長い行列ができた。奥に見える民家は揺れによって屋根瓦が落下
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『FRIDAY』2021年3月5日号より

  • 写真朝日新聞社 共同通信社 毎日新聞社/アフロ

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