パニック!「交番襲撃事件」容疑者の身勝手な犯行動機
埼玉県志木市発 加藤耕太郎容疑者(21) 平和な街に響き渡った「殺してやる!」
「殺してやる!」
買い物客で賑(にぎ)わう昼の志木駅前ロータリー(埼玉県)は、突如パニックに陥った――。
埼玉県警は交番相談員の男性(65)を包丁で切りつけたとして無職の加藤耕太郎容疑者(21)を殺人未遂の容疑で現行犯逮捕した。
「加藤容疑者は『モノをなくした』と遺失物の届け出を装って交番を訪れました。対応した男性が書類を取り出し、犯人のほうに向き直した瞬間に突然、包丁で切りかかったのです。男性は左腕を数ヵ所刺され、重傷を負いました。『殺そうと思って刺した。警察官なら誰でもよかった』と供述しており、手口から見ても計画的な犯行だと思われます」(全国紙県警担当記者)
子連れの買い物客も多く集まる駅前で起きた白昼堂々の凶行。目撃者の男性が犯行直後の様子を振り返る。
「交番前でやっていた家具の催事で商品を眺めていたら、突然怒号とともに悲鳴が聞こえたんです。後ろを振り向くと、血だらけの腕を押さえた男性が見え、次の瞬間には3人の警官が犯人に飛びつき、取り押さえていました。最初は叫びながら揉(も)み合っていましたが、途中からは無抵抗に。交番の外に引きずり出された犯人は虚(うつ)ろな表情でただ空を見上げていました。手錠をかけられた後、警官に立つように言われても返事をせず、引きずられながら連行されていきました」
加藤容疑者は専門学校を卒業後、IT関連の会社に入社するも、2ヵ月で退職。2度目の就職活動に苦戦し、父親に「刑務所に入ればこんな苦労せずにラクに暮らせるのに」と話していたという。
「去年の夏までは加藤さんがスーツで出かけていく様子を何度か見かけていたんですが、それ以降はめっきり見なくなりました。昨年末の朝、寝間着のようなジャージ姿でコンビニ袋を持った姿を見かけたのが最後です。目の下にクマがあり、疲れ切った様子でした。私が挨拶しても無視されたのを覚えています」(同じマンション内に住む女性)
身勝手な動機で他人を傷つけ、街を恐怖に陥れた代償は高くつくだろう。
『FRIDAY』2021年3月5日号より
- PHOTO:蓮尾真司(1枚目) 目撃者提供