オコエ、清宮、中村奨成…甲子園のスターが「いま伸び悩む理由」 | FRIDAYデジタル

オコエ、清宮、中村奨成…甲子園のスターが「いま伸び悩む理由」

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髪型も態度も目立つオコエ。年俸以上の高級車を購入したことでも話題となった。18年の春のキャンプで(画像:共同通信社)
髪型も態度も目立つオコエ。年俸以上の高級車を購入したことでも話題となった。18年の春のキャンプで(画像:共同通信社)

オコエ瑠偉(23、関東一)、清宮幸太郎(21、早稲田実業)、中村奨成(21、広陵)――。かつて甲子園を沸かせたスター球児たちが、プロ入り後苦しんでいる。高校時代の実績は十分ながら、なぜ伸び悩んでいるのか。それぞれの事情を追った。

購入した年俸以上の高級車

今季のオコエは、スタートからつまずいた。楽天は2月2日、左手関節の手術を受けるためオコエが春季キャンプへ参加しないと発表したのだ。

15年のドラフト1位選手も、はや6年目。昨年はプロ入り後初めて1軍出場がなく、2軍でも27試合の出場にとどまり打率.269、0本塁打と精彩を欠いた。石井一久GM兼監督も、昨年末こう苦言をていしている。

「まだ考えが甘い。がんばってほしいというより、そろそろ出てこないと彼自身の野球人生が苦しくなる。ここが正念場。自己評価が少し高い感じがする」

遠投120mの強肩に2.0以上の視力、50m走5秒96、スイングスピード157km……。オコエの身体能力の高さは、誰もが認める。なぜブレイクできないのだろうか。

「野球以外の面で目立ち過ぎです。象徴的なのは奇抜な髪型。新人の時からモヒカンスタイルで大きなヘッドホンを首にかけて球場入りするなど、注目されていました。髪型は個人の自由とはいえ、組織の文化もありますからね。

また、自身の年俸以上の高級車を買ったことでも話題になっています。17年にBMWのスポーツカータイプで、約2000万円する『I8』を購入。翌年には、1500万円の高級外車マセラティのSUV型『レバンテ』を買いました。報道陣から目標とする選手を聞かれ『ウサイン・ボルト』と答える陽気さはありますが、どうしても浮ついた印象を受けてしまうんです」(スポーツ紙担当記者)

一方で、野球に対する意識は、相当高いようだ。

「高校時代から、メジャーを意識していましたからね。イチローさんなど、メジャー経験者の動画を繰り返し見ています。新人の時には、食事回数や筋力トレーニングを増やし身体を大きくしたというダルビッシュ有に触発され、体重が88kgから94kgになりました。本人は、『メジャーリーガーのイイとこ取りをしてハイブリッド選手になる』と話しています。

ただメジャーへの憧れが強いため、日本の指導者のアドバイスを素直に聞かない傾向がある。石井監督が苦言をていした時も、発表したコメントはあっさりしたものです。一言、『来年がんばります』と」(球団関係者)

高い能力をいかせるかどうかは本人次第。オコエは「もう後がない」という危機感を持ち、石井監督や首脳陣を見返すことができるだろうか。

中田翔が「相手にならない」

高校時代の実績から期待が大きい清宮。ヤクルトの主砲に成長した同期・村上に追いつけるか。18年5月撮影
高校時代の実績から期待が大きい清宮。ヤクルトの主砲に成長した同期・村上に追いつけるか。18年5月撮影

日本ハムの清宮はキャンプ入りすると、朝8時から夜7時までみっちり練習。順調なスタートを切れたようにみえた。ところが……。

「2月7日の紅白戦に出場予定で、スタメン表にも名前が書かれてあったんですが、直前にストップがかかりました。本人が右腕の張りを訴えたためです。以降は別メニューの調整。ティー打撃を再開したのは、11日になってからです」(スポーツ紙担当記者)

史上最多の高校通算111本塁打を放ち7球団が競合した清宮。だが、これまでの成績を振り返ると「大物ルーキー」の名に似合うモノではない。本塁打は1年目から毎年わずか7本。打率は.200、.204、.190と低空飛行を続けている。

「本人も、期待の大きさに結果がともなっていないことは自覚しています。こう話していましたから。『なんとか結果を残したいです。本当に、ひたすらアピールしなければならない立場なので』と」(球団関係者)

高校時代の実績も十分。本人も自覚があるのに、一皮むけない要因はなんだろう。

「本人は危機感を持っているのでしょうが、まだ甘いと思います。現にキャンプ初日には、練習用の黒いユニフォームを忘れ、一人だけホーム用の白いユニフォームで参加していましたから。まだ自覚が足りないと言われても、仕方ないでしょう。

シーズン中に三振やエラーをしても、ニコニコしている場面がよく見られました。もともと童顔で、チームに溶け込もうと明るく振舞おうとしているのは理解できる。しかし、人によっては緊張感がないと受け取るでしょう。性格がおおらかというか……。」(前出・記者)

愛嬌があり、サービス精神も強いのだろう。だが日ハムの主砲・中田翔は清宮の甘さを感じ、昨シーズン終了後あえて厳しい言葉を投げている。

「今年に関しては相手にならないというか、眼中にもないっていう感じでした」

自身も高校(大阪桐蔭)卒業後、苦しい時期を経験したからこその愛のある苦言だろう。同期入団のヤクルト村上宗隆は、昨季打率.307、28本塁打、86打点とチームの4番に成長。大きな差ができた。清宮の背水のシーズンは始まっている。

胸に刻むノムさんの言葉

今季は目の色が違うと評判の中村。広島の正捕手の座を狙う。今春のキャンプで(画像:共同通信社)
今季は目の色が違うと評判の中村。広島の正捕手の座を狙う。今春のキャンプで(画像:共同通信社)

「母親をラクにすることを日々のプレーの動機にしなさい」

17年の広島ドラフト1位・中村は、プロ入り後この言葉を胸に刻んできた。発言の主は、故・野村克也さん。同じ母子家庭で育ち、三冠王にも輝いた捕手として雲の上の存在だ。野村さんとは18年春のキャンプ中に、テレビ番組で対談。「若手はレギュラーの倍は練習しなさい」「親孝行しなさい」とアドバイスをもらったという。

中村は広島の強豪・広陵高で、1年生の春から正捕手の座を獲得。高校通算45本塁打を記録し、U-18日本代表にも選ばれた。広島の次期スター候補選手である。ところが……。昨シーズンまで、一軍出場はわずか4試合。ヒットは1本も打てていない。

「性格にムラっ気があるんです。夕刊フジの取材に、母校・広陵の中井哲之監督は中村について『どうしようもないバカだった』と話しています。『野球だけうまかったらエエんやという感じでしたね』と。髪型や服装は球児の模範になるにはほど遠い。自身が『人生をなめていた』と反省するほど、生活態度が悪かったそうです」(スポーツ紙担当記者)

プロ入りしてからも、ムラっ気がある性格はしばらく治らなかった。

「入団当時、広島には会沢翼、石原慶幸、坂倉将吾と、3人の正捕手候補がいました。通常、一軍入りできる捕手は3人。中村には、つけ入るスキがなかったんです。それで、ちょっと腐っている雰囲気はありましたね」(球団関係者)

そんな中村に、今季は千載一遇のチャンスが巡ってきた。昨シーズンで石原が引退。坂倉が、下半身のコンディション不良で離脱してしまったのだ。アピールしだいで、中村に2番手、いや正捕手の座を奪取する可能性もある。

「今季の中村は、目の色が違います。目の前にチャンスがありますからね。以前とは別人です。昨年までは練習後に遊びに出ることもありましたが、今は新型コロナの影響もあり、ノムさんの著書を宿舎で読んでいるそうです」(前出・記者)

「母親と天国のノムさんに活躍する姿を見せたい」。気持ちを切り替えた甲子園のスターが、4年目の巻き返しを誓う。

  • 撮影西原 秀写真共同通信社

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