「藤次寺」住職が明かす「コロナ不動尊」に祈る人々の切実な内情

昨年8月入山以来、ご利益を求め参拝客が続々

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いま、コロナ禍に悩む人々が、大阪の街中にある寺に詰めかけているのをご存じだろうか。

不動尊に祈禱する参拝客。藤次寺の桑原住職(右)は「希望する方は遠慮なくお越しください」と語った

創建1200年になる大阪市天王寺区生玉町の名刹「藤次寺(とうじじ)」。この寺に高さ4mの不動尊が入山したのは、昨年8月のことだった。以来、藤次寺にはコロナ禍の終息を願う参拝客が続々と訪れ、いつしか不動尊は「コロナ大仏」(正式名称は「谷町不動尊」)と呼ばれて親しまれるようになったという。藤次寺の桑原年弘住職が語る。

「感染の終息をご祈念し、祈禱は無料で行っています。コロナ禍によって悩む方は多く、縁日には数百人を超える参拝客がいらっしゃいます」

住職が聞く、参拝客の悩みは様々だ。

「藤次寺はミナミの繁華街が近いので、やはり飲食店の方々が目立ちます。それに、お医者さんや看護士さんも多いです。コロナの後遺症に苦しむ人も少なくない。長く続く倦怠感、抜け毛……皆さん、切実ですね」

「コロナ大仏」は、鎌倉時代に活躍した仏師・運慶の流れを汲む木造大仏制作の第一人者の松本明慶氏が、5年の歳月をかけて完成させた。明慶氏が言う。

「5年前に大仏の作成にとりかかったときにはコロナなんて誰も知りませんでしたが、完成した昨年から世界中の関心事になった。コロナに悩む人々の心の安寧を不動尊が担っているという不思議な縁というのを感じるんです。私の手を離れて藤次寺に入山して鎮座した不動明王像を見て、血が通ったような気がしました。これから何百年、何千年と皆様を守る像となってほしいです」

カッと目を見開き参拝客を迎える不動尊。その憤怒の表情は、新型コロナウイルスの蔓延を食い止めようという迫力に溢(あふ)れている。

昨年8月の入山の様子。コロナ禍に完成したこともあり、自然と「コロナ大仏」と呼ばれるようになった

『FRIDAY』2021年3月12日号より

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