北京五輪を狙うカーリング戦士 「氷上の美しい笑顔2021」

平昌の感動から3年 北京五輪代表を争う日本選手権では北海道銀行フォルティウスが6年ぶりの優勝

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2月14日に北海道で行われた第38回全農日本カーリング選手権大会の女子決勝。『北海道銀行フォルティウス』が、平昌(ピョンチャン)五輪銅メダルの強豪『ロコ・ソラーレ』を破り、6年ぶりの優勝を果たした。

北海道銀行フォルティウス 伊藤彩未(19) 高校卒業後の’20年4月にチーム加入。パン作りが趣味で、練習に手作りパンを持ってくることもあるという

来年の北京五輪の代表選考も兼ねていた今大会。もし、『ロコ・ソラーレ』が優勝すれば、同チームが五輪出場権を獲得する予定だった。しかし今回、『フォルティウス』はそれを阻止した形になる。

今大会を取材したスポーツライターの竹田聡一郎氏が、『フォルティウス』の勝因について解説する。

「フィジカルコーチ、バレエストレッチのトレーナーなど、優秀なスタッフを揃えて多方面からの強化を地道に続けたことが大きいでしょう。また、’20年10月からは、プロ野球『北海道日本ハムファイターズ』などでの指導経験を持つ白井一幸氏をメンタルコーチに迎え、精神面の成長を図ったことも功を奏しました」

’17年9月から『フォルティウス』のトレーナーを務める松井浩二氏は、チームにさまざまな分野の専門家を招くことを提案した張本人だ。松井氏が語る。

「目的を明確化し、それに沿ったトレーニングを意識的に行ってきました。たとえばここ数年、チームでは短距離走の練習を積んできましたが、これはストーンを投げる動きと短距離走のスタートの動きがよく似ているからです。また、カーリングでは右脚を後ろに伸ばして左脚を曲げるため、左右の脚のバランスが不均等になりやすい。そこで、バレエのストレッチを取り入れて左右の股関節を均等に動かすトレーニングを行いました」

そして今大会、『フォルティウス』が注目を浴びたのには優勝以外にもう一つ理由がある。それは、’20年4月からチームに加わった、最年少の伊藤彩未(あやみ)(19)の存在だ。

伊藤がカーリングと出会ったのは、小学4年生のとき。進学校である青森高校在学時の’19年12月、『フォルティウス』のトライアウトで、6名の参加者の中からチームのメンバーに選出された。

「課題を自主的に克服していけるタイプです。チーム加入時から体幹は強かったのですが、初めは腕立て伏せが10回ほどしかできなかった。しかし、翌月の体力測定では40回できるようになり、その次はさらにできるようになっていた。頭も良く、アドバイスの意味を瞬時に理解することができます」(前出・松井氏)

現在、日本のカーリング界はレベルが上がっており、「今回優勝を逃した『ロ
コ・ソラーレ』を筆頭に、『中部電力』や『富士急』も世界レベルで戦えるチームになってきた」(前出・竹田氏)という。

彼女たちの氷を溶かすような熱い戦いに、今後も注目だ。

 

ロコ・ソラーレ 藤澤五月(29) 

一家全員がカーリング選手というカーリング一家に育つ。’18年の平昌五輪ではチームの銅メダル獲得に貢献

北海道銀行フォルティウス 吉村紗也香(29) 

チームで最後にストーンを投げる『スキップ』を務める。私生活では’20年5月、札幌在住の一般男性と結婚した

ロコ・ソラーレ 吉田夕梨花(27) 

中部電力 松村千秋(28) 

’11年から『中部電力』に所属し、最年長としてチームを引っ張る。兄の松村雄太は、男子チーム『北海道コンサドーレ札幌』に所属

富士急 石垣真央(29) 

小学校時代、『北海道銀行』吉村紗也香らとともに4人でカーリングチーム『WINS』を結成。今大会、『富士急』の成績は4位だった
 

『FRIDAY』2021年3月12日号より

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