第4次改造安倍内閣 沖縄知事選でまさかの惨敗に「早くも息切れ」

ロシア外交・北朝鮮問題は手詰まり、日米貿易問題も押されっぱなしで「終わりの始まり」

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第4次改造内閣は12人が新任されたが、サプライズはなし。堅実というより地味な顔ぶれとなった

「『全員野球内閣』なんて言っていますが、実際はもう『レームダック(死に体)内閣』ですよ。各派閥に気を配ってバランス良く入閣させましたが、裏を返せばそれだけ周りに気を使わないといけない状況になっているということ。沖縄県知事選での大惨敗を契機に、安倍一強体制にほころびが出始めています」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)

10月2日、第4次改造内閣が発足。恒例どおり大臣の記念撮影が行われるなか、安倍晋三首相(64)の表情は冴えなかった。首相の胸中で渦巻いていたのは、まさかの大惨敗を喫した沖縄県知事選の屈辱。そして、来夏に予定されている参院選への不安だ。

自民党は小泉進次郎衆議院議員をはじめ、菅義偉官房長官や石破茂元幹事長など、人気者・大物を次々と沖縄入りさせ、推薦候補の佐喜真淳氏(54)を徹底的に支援。「基地反対」を明確に掲げる玉城デニー氏(58)を相手に、まさに必死の応援を繰り広げた。

「沖縄は全国一の貧乏県。安倍政権はそこに目をつけ、政府の沖縄関係予算や子供の貧困対策費の補助率削減などをちらつかせ、徹底的に揺さぶりました。要するに『佐喜真氏を選べば公共事業を増やすが、デニー氏を選べば予算は絞る』という買収攻勢で県民を恫喝しました」(沖縄国際大学教授の前泊博盛氏)

たとえば、告示翌日の9月14日には、沖縄県内の建設業者を集め、〈さきま淳氏とともに建設産業の発展を〉と銘打った、まるで札束で頬を叩くような「決起大会」が開かれた。出席者の一人が語る。

「与党からは自民党の佐藤信秋参院議員、公明党の太田昭宏前国交大臣、維新の下地幹郎衆議院議員が来ていた。平日の14時に招集をかけられただけに、みんな『仕事があるのに……』と内心不満でした。しかし、下地さんはそんな我々の気持ちなんて関係ないようで、『日本にとっても沖縄にとっても大切な選挙ですので、仕事をやめて選挙運動しましょう』と挨拶してました。大会での内容は、『佐喜真を当選させたら公共事業予算は増加する。デニーになったら予算はまた減るぞ』というもの。確かに県民の生活が潤うのは大切ですが、恫喝に近い与党のやり方には、正直、辟易しました」

自民党からすれば、同じやり方で勝利した今年6月の新潟県知事選を再び繰り返そうとしたのだろう。県民からの反発にも気づかず、5000人もの党員に動員をかけた。だがそれでも、デニー氏にリードを広げられたままだった。

「すると、与党内の足並みまで揃わなくなってきました。全国から動員された自民党の地方議員は朝から夕方までは選挙運動をしていましたが、夕方以降は身内で飲み会に繰り出していたんです。それを知った公明党員は、『夜も運動をしろ』と激怒。しかし自民党も『そっちは党内すら固められていないくせにイチャモンをつけるな』と言い返し、もはや収拾がつかなくなっていました」(自民党議員のベテラン秘書)

こうした状況下では勝てるはずもなく、9月30日の投開票を迎えると、与党は8万票の大差をつけられてデニー氏に大敗した。この結果によって、野党は基地や原発といった「ワンテーマ」を争点とすれば勝機はある、と息巻いており、逆に与党内では安倍不信が広がっている。

「ロシア外交はプーチンによって棚上げされ、北朝鮮問題も手詰まり、日米貿易問題も押されっぱなしと、安倍政権が得意としていたはずの外交も上手くいっていない。そこにきて参院選にも黄色信号となれば、二階、麻生、菅の3大幹部が早期の安倍降ろしへと動く可能性もあります」(前出・鈴木氏)

悲願の3選を果たした安倍首相だが、驕る平家は久しからず。沖縄県知事選が「終わりの始まり」となるかもしれない。

小泉進次郎議員は3度にわたり沖縄入り。絶大な人気は窺えたが、佐喜真氏の当選にはつながらなかった
大差での当選を果たし、踊るデニー氏。基地移転に関し、安倍政権に「対話を求めていく」と明言した

PHOTO:共同通信(1枚目写真) 加藤 慶 時事通信(3枚目)

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