金足農業・吉田輝星 すでにプロ級な「集客力」
登板なしにもかかわらず、吉田目当ての観客で神宮球場は満員に
|スポーツ
8月21日に幕を閉じた甲子園の余波が収まらない。熱波の中心にいるのは、もちろん吉田輝星(こうせい)投手(金足農業高3年)だ。9月3日から始まるU-18アジア選手権日本代表メンバーに選ばれた吉田は8月25日からの合宿に合流。とはいえ、甲子園で計881球を投げた疲労を考慮され、監督は「(アジア選手権の行われる)宮崎までは、吉田は投げさせない」と明言していた。それでも28日に神宮球場で開催された壮行試合は、満員札止めになったのだ。プロ野球在京スカウトが言う。
「巨人や楽天が吉田に『ウチに来てくれ』と言っているのは、マスコミ向けのリップサービスではありません。各球団の評価は二つの面で非常に高い。
一つはスピンの効いた素晴らしいストレートを投げることです。しかも闘争心も素晴らしい。各球団とも『勝てる投手』を探していて、素質が素晴らしくともピンチで気持ちが萎(な)えてしまうような選手は要らないんです。もう一つは、話題性。プロ野球もビジネスですから、お客さんを呼べる選手はぜひとも欲しい」
大人の思惑渦巻く中、壮行試合前の子供野球教室では、少年少女たちに笑顔を見せていた吉田。まだまだ人目から逃れることはできそうもない。
撮影:濱﨑慎治