センバツNo.1投手小園健太「公立高校で日本一を目指す理由」 | FRIDAYデジタル

センバツNo.1投手小園健太「公立高校で日本一を目指す理由」

最速152キロ!強豪私立校からの誘いを断り、中学時代の女房役・松川虎生と同じ学校に進学

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3月19日に甲子園で開幕する「センバツ」で最注目の大型バッテリー。小園(右)は184㎝、90㎏。松川(左)は178㎝、101㎏。二人は同じメーカー・同色のグラブを新調したばかり

中学時代にコンビを組んで全国制覇を果たしたバッテリーが、同じ公立高校に進学し、強豪私立を倒して甲子園出場――。そんな漫画のような物語を現実にしたのが、市立和歌山高校の二人、世代ナンバーワンの呼び声が高い152キロ右腕・小園健太(17)と、同じくドラフト候補の大型捕手・松川虎生(こう)(17)だ。

硬式野球の貝塚ヤング(大阪)に所属していた中学時代、より広く名前が知られていたのは松川だ。人気番組『ビートたけしのスポーツ大将』(テレビ朝日系)に出演し、桑田真澄からヒットを放った逸話も持つ。小園が振り返る。

「松川のほうが余裕で有名だった(笑)。打者としても捕手としても、日本で一番頼れる存在でした」

高校進学を前に、松川はあの大阪の名門から、一方の小園も兵庫の強豪私立から熱心な勧誘を受けていた。だが、意外なことに、「二人とも来てほしい」と声をかけたのは、市立和歌山だけだった。

「僕自身は他の学校に傾きかけていたんですけど、松川に『一緒に市立和歌山に行こう』と誘ってもらったのが嬉しくて、決め手になりました。松川ほどの選手が自分を必要としてくれているとありがたかったし、一緒にもう一度、甲子園で日本一になろうと誓いました」

和歌山県では、甲子園で名勝負を演じてきた智弁和歌山高校が大きな壁として立ちはだかる。甲子園出場を目指すならもっと〝近道〟はあったかもしれない。

だが、小園と松川は獣道を選び、県内ライバル校との対戦を糧(かて)に成長を遂げていく。そして昨秋は、新人戦と秋季和歌山大会、秋季近畿大会で智弁和歌山に3連勝。圧巻だったのはセンバツの切符が懸(か)かった近畿大会の準々決勝だ。4安打完封で勝利し、二人にとって初めての甲子園出場を決めた。

「ずっと憧れた舞台で、頭の中で自分がマウンドに立つことを考えたことはあるんですけど、まだはっきり想像できないです。本当は甲子園練習(今年は感染予防のため中止)があれば、試合の前にマウンドを踏めるんですけど……」

小園はMAX152キロの球速にばかり注目が集まるが、むしろ脱力したフォームで投じる140キロ台中盤のストレートこそ、よりスピンが効いていて、打者には厄介かもしれない。さらに球種がカットボール、カーブ、スライダー、縦横のツーシームにチェンジアップと多彩である。

「ストレートの球速にはこだわっていないですけど、変化球の球速にはこだわっています。カーブとスライダーの区別をしっかりつけたくて、10キロから15キロの球速差を出すように意識しています」

憧れの投手は小園とはタイプがまるで異なる福岡ソフトバンクの左腕・和田毅。

「あの年齢(40歳)になっても、ストレートにキレがあって、打者がストレートとわかっていても捉えきれない。自分もそういうストレートを追い求めています」

小園のボールを受ける松川のグラウンドでの存在感は、まさしく引き締まった〝ドカベン〟だ。強肩に加え、打線では4番に座り、高校通算31本塁打を誇る。阪神が優勝した’03年に生まれた松川の「虎生」の名は、虎党の祖父から付けられた。

両者ともに高校からプロへ進む道しか考えていない。すでに強豪大学からの勧誘には断りを入れている。

「小園と一緒にもう一度、日本一を獲りたい。小園のストロングポイントは、試合になると100%以上の力を発揮するところだと思います」(松川)

「甲子園で自分をアピールしたい気持ちはありますが、チームの勝利を最優先に考えて戦っていきたい」(小園)

黄金バッテリーの物語は、日本一という入学前に誓った大願を甲子園で成就してこそ、成功譚となる。

『FRIDAY』2021年3月19日号より
  • 取材・文柳川悠二 (ノンフィクションライター)撮影加藤 慶

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