SNSでツッコめると人気だった『知ってるワイフ』最終回の見所 | FRIDAYデジタル

SNSでツッコめると人気だった『知ってるワイフ』最終回の見所

止まらない元春のクズっぷりを復習しておこう!

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ドラマ『知ってるワイフ』で、クズっぷりが際立つ主人公・剣崎元春の妻を演じる広瀬アリス
ドラマ『知ってるワイフ』で、クズっぷりが際立つ主人公・剣崎元春の妻を演じる広瀬アリス

『知ってるワイフ』(フジテレビ系)が今夜、最終話を迎える。この作品が初回放送から、絶えることなく盛り上がった理由は主役の剣崎元春(大倉忠義/関ジャニ∞)のクズ男ぶりに他ならない。DV、浮気性、借金持ちなどそういう安っぽいクズではなく、小さな嘘や自己主張を積み重ね、周囲のペースを乱していくパターンだ。

そんな一筋縄ではいかない彼のクズっぷりについて、一度振り返ってみたい。今夜の最終話が一段と面白く視聴できるはず。

「これ以上クズな人間にはなりたくない」by元春

まずは若干ややこしい『知ってるワイフ』のあらすじをたどりつつ、私が気になったクズポイントを紹介したい。ひょっとしたら見逃している節もあるかもしれないし、受け取り方は十人十色だと思うので、あくまでも主観だ。でも自称・ドラマオタクの審美眼を信じていただけたら幸いです。

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銀行勤務の剣崎元春は建石澪(広瀬アリス)と結婚をして子ども二人に恵まれた生活をしていた。でも仕事ができるわけでもなく、パッとしない、はっきりしない性分。妻の機嫌を取ろうとする行動はすべて裏目に出ていて、いつの間にか澪は恐妻になっていた。怒鳴る、物を投げつけることが日常茶飯事に。

この状況に嫌気がさした元春は偶然出会った、謎の男からタイムスリップができるチャンスをもらう。自分を振り返ることのできない元春は「違う未来を手にするんだ!」とあっさり過去へ。この辺り、本人は一大決心だったけれど見る側からすると「あっちゃ〜……」と呆れた。

そしてメインのタイムスリップ後の舞台で、彼は資産家の令嬢・沙也佳(瀧本美織)と結婚。ちなみに過去の記憶はしっかり残っているからややこしい。いわゆる逆玉となって、職場からの信用もゲットした元春。ただお嬢様育ちで自分の実家ばかりを優遇、擁護する態度に生活のズレが生じる。そして職場には元妻の澪が異動してきて、お互いに惹かれあってしまう。沙也佳はその状況に女の勘をビンビン鳴らして、やや狂気化した行動に出てしまい、あっけなく離婚。

ここでクズポイントをいくつか。まずは“二人の嫁をおかしくさせてしまう”こと。澪が鬼嫁になったのは、育児疲れかなにかだろうと思っていた元春。現嫁の沙也佳がおかしくなりだしたのも当初、誤解や偶然だと思っていたのだから、救いようがない……。人にはよくあると言えばきりがないけれど、相手の気持ちを察しないこと、それから優柔不断な元春の態度がすべての元凶なのだ。

その状況を理解し始めた彼が第9話で「これ以上クズな人間にはなりたくない」と言ったときは「やっと分かったか……」と笑ってしまった。

最終話に向けて加熱する、SNS実況中継の主役は元春

それからクズポイントの一つに“簡単に家族との約束を破る”。全体的にちょいちょいウソをついているけれど、それが顕著に現れたのが第6話。澪の実家の法事だけで3回(回想含む)、沙也佳と「早く帰ってきてね」という約束も2回と合計で約5回も約束を破るのはいかがなものかと。

ちなみに元春のクズっぷりが露呈されるのは、なにも女房相手に限ったことではない。タイムスリップ後に、澪が親友の津山千晴(松下洸平)とつき合い始めると、小出しに嫉妬をする。毎度、澪と自分が愛し合っていた頃のことを回想して、さも自分のほうが澪のことを知っている……と腹の中でマウントを取っていた。そこで「いや澪を捨てたのはあんたじゃん」と突っ込む私。

どうやら同じことを思っているのは、私だけではなくSNS上にもファンが多くいた。これが『知ってるワイフ』の大きな武器だった。放送中に全国のファンたちがハッシュタグをつけて実況するのは、SNSの普及によってデフォルトになっている。これによってタイトルがトレンド入りするかどうかが、最近のドラマの人気を決める指針だ。

何もドラマは好きな人と並んでイチャイチャしながら見たいわけでもないし、作品に突っ込みたい、共感したい、小さく感動したいという気持ちが強い。それを叶えてくれるのが、実況中継である。その代表作にように、本作は毎回、元春のクズっぷりにSNSが白熱した。同クールでは『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)や『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)も実況向きの作品だったことを加えておこう。

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以上のような愉快、痛快さを備えて『知ってるワイフ』は最終話へ向かう。ちなみに主演の大倉忠義はこれまで出演した作品でも、なぜかクズ男を演じていることが多かった。家族に血縁がないことを卑屈に思う『生まれる。』(TBS系・2011年)の林田太一役。タイトル通り『ドS刑事』(日本テレビ系・2015年)とバディを組まされて振り回される代官山脩介役。そして友人をハメるわ、借金から逃げるために恩人を裏切ったりする『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』(フジテレビ系・2018年)の南条幸男役。

あんなにかっこいいのに、どうやら役は見た目とは裏腹らしい。

最終話のクズっぷり、実況をチェックしながら腹の中で多いに突っ込んで視聴したい。

  • 小林久乃

    エッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター、撮影コーディネーターなど。エンタメやカルチャー分野に強く、ウエブや雑誌媒体にて連載記事を多数持つ。企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊を超え、中には15万部を超えるベストセラーも。静岡県浜松市出身、正々堂々の独身。女性の意識改革をライトに提案したエッセイ『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)が好評発売中。

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