4度の大手術を克服 引退危機の力士を鼓舞した「意外すぎる趣味」 | FRIDAYデジタル

4度の大手術を克服 引退危機の力士を鼓舞した「意外すぎる趣味」

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3月15日に約16ヵ月ぶりの白星をあげた友風。V字復活となるか(画像:共同通信社)
3月15日に約16ヵ月ぶりの白星をあげた友風。V字復活となるか(画像:共同通信社)

「歩けるようになったら御の字でしょう」

医師から、こう通告された力士が約16ヵ月ぶりの白星をあげた。3月15日に若一輝を突き落としで破った、序二段の友風(26)だ。「粉々になった」大腿骨は万全の状態にほど遠く、歩く姿もぎこちない。取組後、本人も「相撲内容はダメダメ」と記者団に語ったが表情は明るかった。

「(白星は)1年半ぶりなんで……。思うところはたくさんありました。土俵に上がれたのは、素直に嬉しい」

友風が悲劇に襲われたのは、19年11月場所だ。番付は自己最高位の西前頭3枚目と絶好調。だが2日目の琴勇輝戦で土俵下に転落。脚を強打し、右ヒザから下は皮膚と内側靭帯、血管1本がつながっただけの状態になったという。ケガの内容を聞いただけでも痛々しい。外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯、ハムストリングの断裂。大腿骨と脛骨の骨折ーー。本人も「これはムリだな」と引退を覚悟する。

「完治するかどうかもわからず、相当苦しかったでしょう。本人は『入院中に見舞いに来てくれた力士仲間の顔を見るのもツラかった』と話しています。3つの病院で治療。外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯、神経の再建と、手術を4度も受けました。

『引退』を口にする友風を励まし続けたのは、師匠の尾車親方(元大関・琴風)です。親方も西前頭筆頭で上り調子だった78年11月場所で、内側側副靭帯を断裂。幕下30枚目まで落ちましたが、腐らず稽古を続け大関まで昇進しました。好調時に大ケガをした友風と、自分の過去の姿が重なったのでしょう。こう忠告したそうです。『みんなケガをしてはい上がってくる。プロの生き様を見せろ』と」(相撲協会関係者)

毎日マッサージをした恩人

もう一人、友風を支え続けた人物がいる。母親の奈美さんだ。

「奈美さんには、ビューティーアドバイザーの肩書きがあります。友風が2度目の手術を受けた19年11月に仕事を休職。ほぼ毎日、友風のもとに通い右脚をマッサージし続けたそうです」(同前)

さらに友風には、ヤサぐれがちな心を癒してくれる子どもの頃からの趣味があった。プロ並みの腕前といわれるピアノだという。

「小学生時代から自分で作曲し、演奏していましたからね。作曲した運動会の曲は、卒業後も地元・神奈川県川崎市の小学校で使われていました。身体が大きかったので相撲の道を選びましたが、周囲は本気で音楽大学への進学を勧めたほどです。

尾車部屋に入門してからも、ピアノ演奏は続けています。巡業中、たまたま食事会場にピアノが置いてあり友風が演奏すると、力士たちから大喝采が起きたことがあります。リクエストに応えることも。ケガでさすがに演奏は控えているそうですが、病室ではX JAPANやフランスのピアニストのリチャード・クレイダーマンの曲を聴いて自分を鼓舞していたとか。必ず復活してみせると」(スポーツ紙担当記者)

友風には目標にする力士がいる。何度も経験した大ケガや病気で、大関から同じ序二段まで降格。食事や相撲内容、生活習慣をガラリと変え、今場所で大関再昇格を狙う関脇・照ノ富士だ。師匠や照ノ富士はケガというアスリートにとって致命的な逆境を克服し、輝きを取り戻した。友風も負けてはいられない。諦めなければ、再び幕内の土俵に上がる日が現実味を帯びてくる。

  • 写真共同通信社

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