西武ライオンズ 山川と浅村 本塁打激増と打率アップの本当の理由 | FRIDAYデジタル

西武ライオンズ 山川と浅村 本塁打激増と打率アップの本当の理由

プロ野球 2018ペナントレース 「西武ライオンズ」の謎を解く

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本誌カメラマンにおどける、西武主軸を担う山川(右)と森友哉。チーム得点757は12球団トップの破壊力だ

「ボク自身は目標の40本塁打をクリアしたので、あとは日本一に向けてチームに貢献するだけです」

こう話すのは、今季西武の主砲に成長した山川穂高(26)だ。

西武が10年ぶりのリーグ優勝にむけ快進撃中だ。目玉となる補強もせず、なぜ西武は山川や浅村栄斗(ひでと)(27)など、もともといた打者の本塁打数や打率を大幅にアップできたのか。ポイントは、2年前に作戦コーチへ就任した橋上秀樹(52)だ。西武OBのデーブ大久保氏が語る。

「橋上さんは、選手へのストレスのかけ方がうまいんです。例えば今季前半は絶不調だった中村剛也(たけや)(35)には、こう話しかけていました。『オマエ、このままじゃ試合に出られないよ』と。これだけだと単なるパワハラですが、中村がどうすべきか悩み始めた段階でアドバイスするんです。『打つためにはどうすればいい?疲れがたまっているなら軽いバットを使ったら』と。いきなり『こうしろ』と言うのではなく、選手の問題意識が高まった時に忠告する。そうすれば、相手も素直に受け止められるでしょう。実際、中村は後半復調しました」

橋上が就任するまでの西武は、’14年に125本、’15年は136本とリーグトップレベルのチーム本塁打数を記録しながら2年連続でBクラス。同2年間の三振数は1234、1194と12球団ワーストで、粗さばかりが目立った。

「橋上コーチは選手個別に面談し、相手投手の分析データなどを示しながら狙い球を絞るように促しました。しかし’16年は、シーズンに入っても結果が出ません。データを完全に理解していない選手たちは迷走し、橋上コーチに次の打席ではどうすれば良いか聞きに行く始末。また打撃コーチからも『なんでオレの頭ごしに選手に指示を出すんだ』と不満が噴出しました」(スポーツ紙西武担当記者)

今季、橋上はやり方を変えた。まずは、打撃コーチにデータの重要性を理解してもらう。そして、打撃コーチを通じて選手に伝達。さらに全体ミーティングで情報をチームで共有し、相手の傾向を選手に徹底的に叩き込んだのだ。

「各打者は狙い球を絞れるようになり、ボール球を振らなくなりました。今季の四球数はリーグ断トツの529(2位の日本ハムが474)。浅村など’15年の三振率(三振数を打席数で割った率)が21%超だったのに、今季は16%ほどまで改善しています。データが徹底されたのは投手陣も同じです。菊池雄星(27)が夏場に1ヵ月ほど勝てない時期がありましたが、本人は『どうすればいいか分かっているから大丈夫』と焦った様子はありませんでした」(同前)

西武の破壊力抜群の打線は、名コーチの緻密なデータ戦略に裏づけられていた。

今季は自身初の30本塁打を記録し、打点王のタイトル獲得も濃厚な浅村

13勝4敗、防御率3.16という成績の菊池。今オフにはメジャー移籍を希望する

撮影:坂口靖子

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