広島カープ38年ぶりの日本一へ 本物のエースになった大瀬良大地

プロ野球 2018ペナントレース 「広島カープ」の謎を解く

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15勝(リーグ1位)、防御率2.53(同2位)、勝率.682(同2位)と鯉のエースに成長した大瀬良。投球フォームも黒田を意識している

今季の広島も圧倒的な強さを見せている。セ・リーグでの3年連続優勝は、巨人以外の球団では初めての快挙。逆指名のないドラフト制度で各チームの戦力が均衡化し、さらに資金力がとぼしく大きな補強もできない広島が、ナゼ偉業を達成しようとしているのだろうか。

答えは「エースに成長したある投手」と、広島OBの川口和久氏が話す。

「投手陣が3年連続フル回転するのは、とても難しいんです。たいがい疲れてしまう。去年2ケタ勝った薮田和樹(26)や岡田明丈(24)は今季、本来の力が出せていません。その穴を埋め大車輪の活躍をしているのが、リーグトップの15勝あげている大瀬良大地(27)です(9月25日現在、以下同)。彼がいなければ、今季は優勝争いをできていなかったかもしれない」

黒田博樹の教え

大瀬良の成長は、フォームによるところが大きい。川口氏が続ける。

「昨季まで規制されていた二段モーションを採用したんです。二段モーションにより下半身にタメができ、球威が上がり変化球のキレも大幅にアップしました」

大瀬良は精神面に不安があった。昨季までは、四球をきっかけに崩れる場面が多く見られた。投手コーチに叱責され「自分が情けない」とふさぎ込み、中継ぎに配置転換されたことも。刺激となったのが広島の大先輩・黒田博樹氏だ。

「昨季のオフに黒田さんと食事をしたそうです。その場で言われたのが『スポーツは気持ちだけで勝てないが、気持ちがなければ勝てない世界だ』という言葉。例に挙げられたのが昨年8月の阪神戦です。藤浪晋太郎から死球を受けた大瀬良は、『大丈夫、大丈夫』と笑顔で対応しました。黒田さんも’15年4月に藤浪から死球を受けましたが、『コラッ!』と一喝してマウンドに歩みよった。黒田さんは、大瀬良にこうも言ったそうです。『オマエの対応が悪いとは言わない。ただマウンドに立ったら、やるかやられるかという覚悟を持ってほしい』と。大瀬良は感銘を受けたのでしょう。今季マウンド上で笑みを見せることは、ほとんどなくなりました」(スポーツ紙広島担当記者)

大瀬良は黒田をまね、試合前に「モチベーションビデオ」という映像を見ている。プロ初完封やクライマックスシリーズで三振を奪った時の自身の姿を見て、モチベーションを高めているのだ。

黒田から継承したのは”気持ち”だけではない。生活習慣も変えた。

「大瀬良は、毎日必ず30分以上入浴する大の風呂好きでした。しかし黒田からは、メールでこんな忠告を受けたそうです。『オマエは汗っかきで、入浴時間が長いと体重が減ってしまう。筋肉が緩んでケガのリスクも高まるから、風呂もほどほどにな』と。そのアドバイスで大瀬良は、風呂には入らず毎日シャワーで身体をさっと洗うようになったんです。筋トレを繰り返したおかげもあり、昨年から体重は7〜8kg増えて95kgに。下半身が安定したため、ストレートの球速も常時150kmを超えるようになりました」(同前)

打線をひっぱるのは、打率3割2分1厘、38本塁打、92打点と打ちまくる丸佳浩(29)だ。前出の川口氏が語る。

「丸は研究熱心です。試合中でもベンチに戻ると、必ずノートにメモを取っています。高校時代から続けているそうですが、相手投手のクセから自分の打撃フォームの修正点まで、気づいたことを書いて毎日寝る前に読み返しているとか」

打席での集中法も独特だ。

「試合前のクラシック音楽鑑賞ですよ。趣味が高じて一時期、登場曲をロシアの作曲家ラフマニノフのピアノ協奏曲にしたくらいです。最近ではメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲がお気に入りらしく、試合前に聴くと落ち着いて打席に入れるそうです」(広島球団関係者)

大瀬良、丸を中心に、広島は34年ぶりの日本一を目指す。

打率、本塁打、打点でいずれも自己ベストの成績を更新しそうな丸。3冠王を取ってもおかしくない活躍をみせている

Photo Gallary2

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