実は同期!辻元清美が菅義偉首相の政治にいま思うこと

「菅義偉首相のいう自助はある意味正しい」「イデオロギーのなさがいい」というベテランが目指すもの

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「菅さんとわたし、同期なんです。党派が違っても『同期』っていう感覚はあって。会えば『元気?』って、けっこう話しますよ」

1996年に初当選した辻元清美衆議院議員。菅義偉首相とは当選同期なのだ。

「違法接待疑惑についても、発覚した当初に『ちゃんと総務省に調査させないと尾を引くよ』と言ったら『わかった』と答えてたんですが」

同期だからといって「手加減」はない。この疑惑の追及でも厳しい質問力を見せている

秘書は「いつ寝ているかわからない」と言う

菅さんの言った「自助」は、悪くない

「今、いちばんの課題は、新型コロナの対策とコロナ後の生活のこと。

菅首相の言った『自助・共助・公助』。『自助』という言葉は悪い印象を与えましたが『自助』って、ほんとうは悪いことではないと思うんです。誰だって、自分の足で立ちたいです。大切なのは、どんな人も自助ができるように、スタートできるように『公』がまず支える。そして自助に向けて進めるようにするという施策です。

『自助』の土台になるもの、自助できるようにするための『公助』、公的支援が必要です。子ども手当もそのひとつだし、生活が苦しい学生さんへの奨学金や、事業の給付金も必要ですよね」

政治の仕事は「すべての人を守る」こと

「政治の仕事は『生活を守る』ことです。接待疑惑、桜を見る会、森友など追求すべきことは山積みだけど、まず目の前の課題は新型コロナ。医療の問題を解決しなければならない。そして、政府の対策によって経済的に苦しんでいる人、生活が立ち行かなくなっている人を守らなければならない。自死が増えてしまいました。もう、感染してもしなくても、まるごと命の問題なんです。

病院に入れない人、生活苦になっている人。困っている人がおおぜいいる一方で、豊かな人は豊かに余裕を持って暮らせている。『格差』が広がりました。日本はグロテスクなまでに格差社会に進んでいます」

感染しても検査すら受けられないという事態は収まってきたが、適切な医療が受けられない心配は続いている。ワクチンの接種も進まない。多くの「普通の人」は自粛生活のなかで我慢を強いられている。

「政治の役割って、国民を守ることでしょう。『自助』を求める前に、まず守ることです。それも、すべての国民を。裕福な人、自分と意見が合う人だけを守るのは、間違ってます。

でもね、それをやってしまったのが前の政権で、政治がどんどんおかしくなってしまった」

分断を煽るリーダー

「こんな人たちに負けるわけにはいかない、と言ったんです、安倍さんは。(選挙の演説の時に、安倍政権に反対と声を上げた)目の前の人を指差して『こんな人たちに負けるわけにはいかない』って。政治家はすべての人を守らなければならない。考え方が違っていても、自分に対して否定的な人であっても、すべての人を。

考え方の違う人を『敵』にしてはいけないんです。わたしは、ネットなどで何度もデマを流されています。その都度きちんと否定しているので、デマを流した当人は『これはデマだった』とわかっていると思います。でもそのデマを読んだ人は、もしかしたら信じてしまうかもしれない。悔しい気持ちはあります。

けれども、デマを流す人でもわたしに否定的な人でも、わたしは政治家ですから、その人のことも守る。当たり前のようですが、これをできなかった、しなかったのが安倍政権でした。分断を煽りました。政策論争どころか普通のやり取りもできませんから、ほんとうに異常事態でした。

総理大臣が国会でヤジを飛ばすという前代未聞のことをして、議長に厳重注意され、謝罪して、でもまたやるんです。

政治の影響力って大きいです。リーダーが分断を煽れば、社会もその方向に流れます。共振してしまうんです。

かつての自民党は、そうじゃなかった。きちんと対話ができたんです。菅政権は、比べればまだ議論ができる可能性がある。広がってしまった格差は簡単には埋まりませんけれども」

ネット上ではアンチも少なくない辻元議員がたびたび「指摘」されるのが「秘書給与流用事件」だ。「初当選のとき、政策秘書の名義借りで給与を国から不正に受け取った」という容疑で裁判が行われたのが2003年末。これに対して全国から「公正で寛大な判決を」と3万3036筆の署名が集まった。法廷に積まれた署名簿を見て裁判長は「証拠採用は却下しますが、ボリュームはわかりました」と述べたという。

「この署名が自分を救ってくれた。この人たちがいなかったら、私はいま国会にいないと思う」

東京地裁で懲役2年、執行猶予5年の判決を受けた。そして今も「反省しています」と言う。

資金も知識もなかった新人時代の大きな失敗と反省を経て、「若くて元気な女性議員」は、野党第一党で初の「女性国対委員長」を務めたベテランになった。

問題解決のために、与野党がともに戦うということ

「河野太郎さんも同期で、一緒に、辺野古の基地反対運動をしている人たちに会いに行ったり、福島にも行きました。仲良いんです。彼は変わり者ですけれども。

自民党の議員ともいくつもの問題を共闘しています。党が違っても『敵』ではありませんから。女性の問題を野田聖子さんとやったり、労働者の問題を超党派で話し合ったり」

テーマによって、同じ問題意識をもつ議員とは党派を超えてともに考えてきた、と言う。そして、その考え方にはひとつのスタイルがある。

「格差をどんどん減らしていかなければなりません。経済苦で自殺なんて、政治の責任です。経済を活性化する。公的支援はそのための投資です。たとえば、地元の大阪・高槻市では高齢者は市内のバスに無料で乗れます。乗らなもったいないし、どんどん出かけていく。市内で買い物して、散歩して、消費もするし健康増進もできる。がん検診を無料にしたら、高額医療が減って医療費が減らせる。結果、公共の経費が減らせた。これって、投資ですよね。

隣の島本町では、仕事作りのNPO活動が広がっています。ソーシャルビジネスが毛細血管のように広がって社会を守れたら、と思うんです。投資とリターン、商人の子なので、ビジネス感覚です」

菅政権の課題

菅政権の課題は多い。

「菅さんにはイデオロギー色があまりありません。それって、いいことなんです。イデオロギーで、個人の思いで政治をしてはいけない。政治はすべての人の幸福のためにするんですから。

個人のイデオロギーで動き、周囲を巻き込み、官僚に自殺者まで出してしまった安倍前首相のめちゃくちゃな行為は、うやむやにはできません。虚偽の答弁、公文書の偽造、あり得ないことだらけです。

野党の仕事のひとつは、政権の歪みを追求して正すこと。調べて調べて、国会の場で質問を重ねて資料を出させる、資料は何度も質問してようやく出てくるんです。官僚も、政権に遠慮はあるでしょう。でもね、政権交代が起きたら?疑惑をうやむやにはできませんよね。政権交代の可能性があれば、今の問題、政権の不正、官僚の不正はかなり防げるでしょう。それが健康的な在り方だと思う。

「何度も何度も質問を繰り返して出てきた資料」だという、生々しい接待リスト

国対委員長をしていたとき、当時の野党6党で常に連絡を取り合い、情報共有もして共闘してきました 。その基盤があります。今、立憲民主党が衆参合わせて152議席、野党4党で200人近い勢力です。

自民党の政権、隠しごとやおかしなことが多すぎます。政権交代をして、おかしなことを正して、すべての人のための政治を進める。夢じゃなく現実のこととして、それを目指しているんです」

自分を応援している人だけでなく、自分に批判的な人も「すべての人のために働く」という辻元清美議員は、同期・菅義偉の率いる政権と対峙するなかで、今後も存在感を発揮するのか。

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