夫人まで引退を勧めたが…休場・白鵬「それでも現役続行」の理由 | FRIDAYデジタル

夫人まで引退を勧めたが…休場・白鵬「それでも現役続行」の理由

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3月場所2日目に勝利したもののヒザの痛みから蹲踞できず立ったまま懸賞金を受けとろうとした白鵬(画像:共同通信社)
3月場所2日目に勝利したもののヒザの痛みから蹲踞できず立ったまま懸賞金を受けとろうとした白鵬(画像:共同通信社)

非礼は承知の行動だった。2日目に白星をあげ、立ったまま受けとろうとした懸賞金。激しい痛みでヒザが曲げられず、蹲踞(そんきょ)ができなかったのだ――。

3月16日、横綱・白鵬(36)の休場が判明した。日本相撲協会に提出された診断書に記されていたのは、「右膝蓋大腿関節軟骨、関節水腫で手術加養を要する」という内容。直近10場所で、7度目の休場となった。

「白鵬の右ヒザには、昨年8月に手術を受けてから慢性的に水が溜まっています。今年1月に新型コロナウイルスに感染してからは、症状が悪化。炎症が治まらず、溜まった水の量も増えたそうです。コロナとの因果関係はわかりませんが、本人も『初めての経験』と不安そうな顔をしていました。

2日目の宝富士戦にかろうじて勝ったものの、コロナ感染以降、同日まで水を抜くこと9回。一度に注射器3~4本分を抜き、軟骨がすり減ってしまったそうです。担当医師からは『この状態で出たらもう相撲をとれなくなる』と言われたとか。白鵬は、早ければ今場所中にも再手術を受けると思います。次の5月場所の出場も難しいでしょう」(相撲協会関係者)

7月場所での復活を期す白鵬。だが6場所連続休場が濃厚となり、進退をかけることになりそうだ。今場所も前述のような状況で、本来は土俵に上がれる身体ではなかった。

「白鵬の誕生日は3月11日。東日本大震災が発生した日です。今年は震災から10年の節目。本人は『運命、宿命というのがあった』と話しているように、被災地を勇気づけるためにムリを押して土俵に上がったのでしょう。相当な覚悟で臨んだようで、休場が決まりかなり落ち込んでいます」(同前)

偉大な父と「同じ景色を見たい」

史上最多44回の優勝をとげた大横綱も、30代後半になり身体の衰えは否めない。満身創痍で、全盛期の相撲を期待するのは難しいだろう。

「昨年11月に、横綱審議委員会は白鵬に対し『引退勧告』の次に厳しい『注意』を与えました。世の中にも、休みの多い横綱へバッシングムードが漂います。夫人の紗代子さんは、夫にこう言ったそうです。『もう十分やったじゃない。(横綱になった07年7月場所以来)10年以上もよくがんばったわよ』と」(スポーツ紙記者)

それでも、白鵬は現役を続けた。東京五輪にこだわったのは有名な話。父親ジグジドゥ・ムンフバトさん(故人)は、モンゴル相撲の盟主として6度の優勝を誇る。前回の東京五輪(64年)から4大会連続で出場し、メキシコ五輪(68年)ではレスリング代表として同国初の銀メダルを獲得している。白鵬には、五輪開幕式で土俵入りを披露し「(偉大な父と)同じ景色を見たい」という強い思いがあるのだ。

現役続行する理由は、それだけではない。

「大横綱が引退する前には、引導を渡す次世代の力士が必ずいます。古くは北の湖を倒した千代の富士、その千代の富士を凌駕した貴乃花……。白鵬も朝青龍を破って、現在の地位にいます。

しかし、今のところ白鵬を脅かす存在がいない。自分を打ち負かすような逸材が出てこないのに辞めては、相撲界の発展につながりません。よく本人は『(若い力士の)壁になる』と言っています。裏を返せば、『早くオレを乗り越えてくれ』という思いなのでしょう。次の世代の中心になる力士が現れるまで、ケガだらけの身体にムチ打って土俵に上がる考えなんです」(スポーツ紙担当記者)

大横綱が、ボロボロになっても相撲を取り続けている。力士たちが刺激を受けないワケがない。復帰する7月場所で、「ポスト白鵬」が出てくることを望みたい。

  • 写真共同通信社

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