大谷翔平以外にもこんなにいるMLB「日本人・日系人」選手たち | FRIDAYデジタル

大谷翔平以外にもこんなにいるMLB「日本人・日系人」選手たち

日本人選手、そして意外に多い日系人選手の顔ぶれ!

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4月4日のホワイトソックス戦、投手で2番の打順に入った大谷翔平は第1打席でホームランを放つ
4月4日のホワイトソックス戦、投手で2番の打順に入った大谷翔平は第1打席でホームランを放つ

いよいよMLBも開幕した。新型コロナ禍で昨年は、開幕が7月下旬になり、公式戦の試合数も60試合と大幅に削減された。今季も開幕が危ぶまれたが、2019年までと同じ162試合が、4月1日から9月末までの間に予定されている。

日本人選手は現時点では以下の8人

アメリカン・リーグ

タンパベイ・レイズ 筒香嘉智
ボストン・レッドソックス 澤村拓一
ミネソタ・ツインズ 前田健太
シアトル・マリナーズ 菊池雄星
ロサンゼルス・エンゼルス 大谷翔平
テキサス・レンジャーズ 有原航平

ナショナル・リーグ

シンシナティ・レッズ 秋山翔吾
サンディエゴ・パドレス ダルビッシュ有

昨年、トロント・ブルージェイズで投げた元巨人の山口俊は、契約を解除されサンフランシスコ・ジャイアンツのキャンプ招待選手となっていたが、彼もマイナー降格。マイナーで投げて昇格を目指すことになる。

このほか昨年までヤンキースのマイナーにいた日米二重国籍の加藤豪将が、パドレスのキャンプ招待選手として参加していたが、マイナー行きを命じられた。ただ今季は新型コロナ禍の対策として補充選手を常時5人までチームに帯同することが認められており、ユーティリティの加藤が初めてメジャー昇格する可能性はある。

今季MLBに初挑戦するのは、前巨人の澤村拓一と、前日本ハムの有原航平。澤村が所属するレッドソックスも、有原のレンジャーズも昨年は下位に低迷。今季も戦力的に苦しいことから、ともに即戦力として期待がかかっている。

昨年、慣れない境遇で初めてのMLBのペナントレースを戦った筒香嘉智、秋山翔吾の2人の野手は、十分な成績を挙げられなかったが、今季はフルシーズン存分に活躍してほしいものだ。

エンゼルスの大谷翔平はオープン戦で打者としては31打数17安打5本塁打8打点2盗塁、打率.548という驚異的な活躍。投手としては4試合10.1回で15被安打、防御率12.19だったが、好投した試合もあり、「二刀流」復活への期待が高まっている。

従来、大谷翔平は投手として起用される試合では打席に立たなかったが、エンゼルスのマッドン監督は、4月4日のホワイトソックス戦で投手で先発するとともに、打順も2番に組み込み「リアル二刀流」で起用。初打席の初球をいきなりホームランするなど、ド派手な活躍を見せたものの、投手としてはあと1アウトで勝ち星を逃した。しかし破天荒な実力をまざまざと見せつけた。

怪我することなくシーズンを全うできれば、野球史に残る活躍をする可能性があるだろう。

MLBで活躍する日本人選手は以上の顔ぶれだが、じつはMLBでは「日系選手」も活躍している。日本の名字を名乗り、アジア系の風貌をした選手がメジャーの舞台で活躍しているのだ。開幕ロースター(名簿)に載った日系選手を紹介しよう。

カート・スズキは、37歳。すでにMLBでは16年目のベテランハワイ出身の日系3世で2007年のアスレチックスを皮切りに6球団を渡り歩き、今季は大谷翔平がいるエンゼルスでマスクを被る。1512試合に出場し1347安打133本塁打。出場試合数は現役ではカージナルスのモリーナに次ぐ2位、歴代でも41位。堂々たる名捕手の一人だ。「キヨシ」というミドルネームを持つ。

カイル・ヒガシオカも今年4月20日で31歳になる捕手。カリフォルニア出身の日系4世2008年にヤンキースに入団。2017年にメジャーに昇格し、田中将大の球も受けている。田中を先生にして日本語を学んだという。チームにはゲリー・サンチェスという強打の捕手がいるため、二番手捕手に甘んじているが昨年9月16日には1試合3本塁打。エースのゲリット・コールの信頼が厚く、コールが登板するときはマスクを被ることが多い。

ジョーダン・ヤマモトは、ハワイ出身の日系3世24歳の右腕だ。2014年、マーリンズに入団し2019年6月にメジャーに昇格、元巨人のマイルズ・マイコラスとの投げ合いを制して初勝利。ここから4連勝したが、以後全く勝てなくなり2021年2月1日にトレードでニューヨーク・メッツに移籍。現時点では40人枠には入っているが、メジャーで生き残るためには実績を挙げる必要がある。

ケストン・ヒウラは、カリフォルニア州出身の日系3世。24歳の内野手だ。父が日系、母は中国系。大学屈指の強打者として2017年ドラフト1巡目でブリュワーズに入団したエリート。期待通りに出世をして2019年にメジャー昇格。いきなり19本塁打を打って注目された。ポジションは二塁手だが、1年目にメジャー最多の16失策をするなど守備はやや苦手。昨年はチーム最多の13本塁打を打ったが、打撃を活かすために今季は一塁にコンバートされた。8月生まれなので「ナツオ」というミドルネームを持つ。

実は日本的な名字を持たない日系選手はMLBには意外に数多くいる。ブリュワーズでのケストン・ヒウラのチームメイトで、2018年MVPに輝いたスター外野手のクリスチャン・イエリッチも、母方の祖父が日本人だから日系3世ということになる。

また、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は母が日本人の日系2世。沖縄生まれで、自身も「アジア系」という意識が強く、最近のアメリカでのアジア人に対する「ヘイトクライム」に強い懸念を表すメッセージを発信している。

NPBでも外国人の親や親族を持つ日本人選手の活躍が目立っている。今季でいえば西武ライオンズにドラフト6位で入団し早くも一軍初安打を打ったブランドン (タイシンガー ブランドン 大河)も父がアメリカ人、母が日本人。いわゆるハーフ、クオーターの選手も珍しくなくなった。

日本人選手にとってMLB挑戦はまだ高い壁だが。世界がボーダレスになる中で近い将来、「日本人」「アメリカ人」という区別にはあまり意味がない時代がやってくるのではないだろうか。

  • 広尾 晃(ひろおこう)

    1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイーストプレス)、『球数制限 野球の未来が危ない!』(ビジネス社)など。Number Webでコラム「酒の肴に野球の記録」を執筆、東洋経済オンライン等で執筆活動を展開している。

  • 写真時事通信社

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