<figure id="attachment_172921" aria-describedby="caption-attachment-172921" style="width: 2272px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="f3317cb1"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/34fe1bce2db91d06497a76d1ddca41c2.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-172921" class="wp-caption-text">絵本『アマガエル』について語る太田光（撮影：ハギワラマサヒト）</figcaption></figure>
「絵を描くのは好きだったね。でも、ちゃんとした絵というよりは落書きに近いかな。マンガに登場するようなオリジナルキャラクターを考えて、それを元に空想をして遊んでいたね。俺は一人っ子だったから、究極の一人遊びだよ」
そう答えてくれたのは、爆笑問題の太田光だ。
太田といえば、本職の漫才にとどまらず、これまでもマルチな才能を発揮してきた。エッセイ集や小説を発表し、2018年に監督した映画『クソ野郎と美しき世界』からの一編、「光へ、航る」では、ブルーリボン賞監督賞にもノミネートされた。
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そんな多才な太田が、このたびオリジナル描き下ろし絵本「アマガエル」（アプリ限定）を発表した。全22ページにおよぶ作品では、テレビで見せる破天荒な太田とは違い、例えばラストシーンに描かれた宇宙空間は、星雲までもが繊細に表現されていた。この絵心、画力はどこからくるのだろか。──「もともと、絵を描くのは好きでしたか？」と、そんな素朴な疑問の答えが、冒頭の発言なのである。
「漫画家になろうとは思わなかったけど、ノート一冊分のSFマンガを描いたこともあった。宇宙戦艦ヤマトが大好きで、それを上回るスケールの物語。タイトルは孤独な影と書いて“孤影（こえい）”。我々の銀河系がある宇宙に、別宇宙から敵が攻めてくるという壮大なストーリー」
<figure id="attachment_172924" aria-describedby="caption-attachment-172924" style="width: 3017px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9d45e632"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/2281094e2cd1b520dc55462b9b7d8853.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-172924" class="wp-caption-text">アプリ限定絵本『アマガエル』の表紙</figcaption></figure>
ぜひ、太田が描くマンガも読んでみたいものだが、子供の頃、絵本は読まれたのでしょうか？
「藤城清治さんの絵本が大好きで、家にたくさんあった」
藤城清治氏といえば、日本を代表する影絵作家で多数の絵本も出版されている。まさに太田が上梓した小説「マボロシの鳥」を原作とした、「絵本マボロシの鳥」も発表している。
「あれは嬉しかったね。絵本も好きだったけど、藤城さんの作ったキャラクターのケロヨンが子供の頃に大好きでね。その藤城さんが俺の小説で絵本をつくってくれたんだから。『絵本マボロシの鳥』を見たら、もう俺の文章なんてどうでもいい。邪魔とすら思ったよ（笑）」
ケロヨンとは「バハハーイ」のフレーズで昭和40年代に一世を風靡したカエルのキャラクターだ。その生みの親こそが、影絵作家の藤城清治氏なのだ。そして、太田光が初めて手掛けた絵本のタイトルも「アマガエル」という。
主人公は心に深い闇を抱えた少年だ。表紙をめくると、こんなことを心の中でつぶやいている。「ボクはかいぶつだ。ボクはかいぶつ。ボクはかいぶつ」と。太田はこの絵本について、こうコメントしている。
「自分がいつも考えていることを、物語にしました。今、私たちが生きている世界や社会に、居心地の悪さはないだろうか。自分は、この世界に馴染めているだろうか？という思いを主人公に託しています」
<figure id="attachment_172926" aria-describedby="caption-attachment-172926" style="width: 2878px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="4a9eb7ea"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/8d6c3110f0c53985bf0a66287bb7f975.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-172926" class="wp-caption-text">絵を描く太田光</figcaption></figure>
そんな少年が、おさない頃に見たアマガエルを通して自分の居場所を見つける。そんなストーリーである。製作日数はどれほどかかったのだろうか。
「今回の絵本は、もともと、雑誌の連載で書いた短編小説が原作になっているんだ。それを絵本用に直して、時間を見つけては事務所の会議室で、去年の12月いっぱいかかって描いたかな」
表紙を含めて22枚の作品からなる絵本ですが、一番のお気に入りはどのページでしょうか？
「それを選ぶのは難しいよ。どのページもお気に入りだけど……、しいていえば最後のページが大変だったかな。このシーンの背景は宇宙なんだけど、俺のイメージとしては、真っ暗な宇宙空間に、無数の星がきらめいている感じにしたかったんだ。ただ、それをどうやって描けばいいかわからなくて。
まさか、筆で一点ずつ描くわけにもいかないし、白い絵具を散らしてもうまくいかない。それで細かいザルの網目に絵具をおいて、ふるいにかけたんだ。アイデアとしては悪くなかったんだけど、俺が不器用だから、ときどき、ボトッて絵具が落ちちゃうんだよ。しょうがないから、また宇宙を重ね塗りして、それを何度も繰り返しているうちに、逆に星雲みたいな感じに仕上がって、すごい気に入っている」
<figure id="attachment_172927" aria-describedby="caption-attachment-172927" style="width: 2591px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="87e9303f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/d5008f0bb2dc13356f111fbce66afbc0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-172927" class="wp-caption-text">水彩絵の具で色をつける</figcaption></figure>
まさにこのラストシーンの前頁に、ピエロのメークをした少年が椅子に座っている。爆笑問題の太田といえば、時々、ピエロのメークをしてテレビに登場する。また、高校時代、学校に友達が一人もいなかったエピソードは有名である。どうしても、この主人公の少年と太田光少年が重なって見えるのだ。
「それはそうだと思います。小説を書いていても、この絵本もそうだけど、どうしても自分が考えてつくるものだから、どうしても自分を消すことはできない。……それとあのピエロのページには仕掛けがあって、前半にでてくる同じ構図の少年の絵と対になってるんです。絵本を読むときは、そこにも注目して欲しいですね」
<figure id="attachment_172929" aria-describedby="caption-attachment-172929" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="0b8fde16"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/79ac7aaeb8b3e258129ed4b34667ebfe.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-172929" class="wp-caption-text">事務所でコツコツと作業</figcaption></figure>
絵本をつくる工程は楽しかったと語る太田だが、これからもまた絵本を描くかと問われると、それは否定的だった。
「それよりも、新作の小説がすでに書きあがっているので、それを発表するのが先決です。これも力作ですから、楽しみにしていてください」
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偶然とはいえ、藤城清治氏の産んだケロヨンが大好きだった太田少年が、大人になって描いた絵本のタイトルが「アマガエル」。漫才、小説、映画監督と多才な太田光だが、子供の頃の究極の一人遊びこそ、太田の想像力の源なのだろう。
太田が発表した絵本は、地域教育アプリ『maria＠home』で、５月１日（土）まで、期間限定で無料公開されている。
<figure id="attachment_172938" aria-describedby="caption-attachment-172938" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5fb09ebf"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/ab6b99a58f76d0444a691e8ae24339ad.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-172938" class="wp-caption-text">何ページ目の絵なのか、ぜひ探してみてほしい</figcaption></figure>
<figure id="attachment_172930" aria-describedby="caption-attachment-172930" style="width: 4032px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="51da0a2f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/ffe6ea533e0c72fb358519df17bfc12d.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-172930" class="wp-caption-text">ペンで輪郭を描いている</figcaption></figure>
<a href="#" data-ident_hash="62cc4f2b"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/24866e183fda70c30a3231b2e006a2da.jpg" alt=""></a>
<figure id="attachment_172935" aria-describedby="caption-attachment-172935" style="width: 2487px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2cede54a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/04/6eda420298c2f097b696715b95ad566c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-172935" class="wp-caption-text">『アマガエル』の朗読を録音しているところ。アプリでは、太田光の肉声による朗読も聞ける</figcaption></figure>
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※閲覧にはアプリのインストールが必要です。
■アプリ概要 
名称：子育てがもっと楽しくなるアプリ　maria＠home 
配信プラットフォーム：Google Play / App Store 
ジャンル：教育アプリ 
URL：https://home.mariaproject.com/ 
内容：子どもの考える力、伝える力を育む対話型知育アプリ 
推奨環境：Android: 5.1以降 / iOS: 10以降 
利用料：無料
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1967年生まれの臓器移植芸人兼ライター。人生で二度の臓器移植を体験し、移植医療普及の活動をしている。2000年に日本人初の肝腎同時移植をアメリカで、2015年に国内で妻より生体腎臓移植。

ハギワラマサヒト

爆笑問題の太田光が初の絵本『アマガエル』を描き下ろした。子供の頃から絵を描くのは好きだったという太田、この絵本に込めた想いとは？　絵を描いたり朗読したりしている制作過程も併せて公開する。

爆笑問題・太田光がオリジナル絵本を描き続ける理由

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