関西風速60m 被災地・京都の真実「1000年の歴史が破壊」 | FRIDAYデジタル

関西風速60m 被災地・京都の真実「1000年の歴史が破壊」

京都市・髙山寺、仁和寺、渡月橋、平野神社…〈台風続発 現場ルポ〉

  • Facebook シェアボタン
  • X(旧Twitter) シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

774年に光仁天皇の勅願により開創された髙山寺の開山堂。強風で高さ10m超の木が倒れ屋根の一部が破損した

関西地方を襲った超大型台風21号は、1000年の歴史を誇る京都の文化財にも大きな被害を及ぼした。国宝の「鳥獣人物戯画」で有名な髙山寺(京都市右京区)もその一つ。創立者の明恵(みょうえ)上人の肖像彫刻がある開山堂などが、倒木により損壊したのだ(上写真)。

「樹齢400年の大木や、境内のスギやヒノキなど百数十本の木が倒れました。木の倒れた方向がさまざまなので、竜巻のように渦巻く突風に襲われたのではないかと考えています。参道には重機が入れないため、人力で復旧作業をするしかありません。紅葉シーズンまでには何とかしたいのですが……」(髙山寺の僧侶)

790年頃に創建された平野神社や、真言宗御室派の総本山で世界遺産の仁和寺。桂川にかかる木造の欄干が美しい渡月橋など、他にも京都市内の多くの歴史的建造物が被害を受けた。京都大学教授で日本中世史が専門の上島享(すすむ)氏が語る。

「1000年以上続く古刹(こさつ)のような文化財には希少な素材が使われているため、簡単には修復できません。被害が大きいところでは、復旧までに5年以上の年月がかかるでしょう」

風速60m近い暴風雨は、京都の伝統と歴史を破壊してしまった。

京都市北区にある平野神社の拝殿も全壊。もともと平城京に祭られていた神様を平安京遷都とともに同地に移転

桂川にかかる渡月橋では欄干が倒壊。承和年間(834〜848年)に架橋されたのが始まりという

京都市右京区にある仁和寺。正門にあたる二王門では瓦数十枚が暴風のため吹き飛ばされた

撮影:川柳まさ裕

Photo Gallery4

FRIDAYの最新情報をGET!

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事