六代目山口組・竹内照明若頭補佐が現れて「朝のJR熱海駅が騒然」
稲川会・内堀和也会長が出迎え、ヤクザと警官が入り乱れ……
3月24日、午前8時34分。六代目山口組若頭補佐を務める竹内照明(てるあき)・弘道会会長(61)がJR熱海駅の新幹線上りホームに降り立った。竹内会長は「七代目候補の一人」と目されている大幹部だ。
ホームでは稲川会の内堀和也会長が約15人の部下を引き連れて出迎えた。二人は横に並んで改札を出る。駅前には稲川会組員と思われる約10人が待機し、さらにその周囲で10人前後の私服警察官が見守っていた。緊迫した空気のなか、竹内会長は内堀会長とともにワンボックスカーに乗り込み走り去った。
なぜ大物ヤクザ二人が熱海駅で合流したのか。元産経新聞社会部記者でノンフィクション作家の尾島正洋氏が語る。
「この日、熱海で故・稲川会三代目会長の夫人の葬儀が行われました。稲川会三代目と故・山口組五代目は兄弟盃を交わした間柄で、その義理を欠かさないために、竹内会長が焼香に訪れたのでしょう。また、竹内会長と内堀会長も兄弟分です。六代目山口組と稲川会の強いつながりを内外にアピールするという意味もあったと思われます」
駅前で足湯を楽しんでいた観光客はキョトンとした表情で、黒いスーツの集団を見つめていた――。


『FRIDAY』2021年4月16日号より
撮影:田中俊勝