大谷翔平よ、打者に専念して「本塁打60本」を目指せ

160kmのピッチングも魅力的だが二刀流のままだと、「引っ張る」打撃が出来ない

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珍しくライトへ引っ張り17号本塁打を打った際の打撃フォーム。右ヒジがたたまれボールを引きつけている

「大谷が打者に専念して引っ張る打撃を覚えれば、シーズン50本塁打は狙えると思います。トリプル3(打率3割、30本塁打、30盗塁)も夢ではありません」

こう話すのは、スポーツ科学が専門の筑波大学体育系准教授・川村卓(たかし)氏だ。

エンゼルスの大谷翔平(24)の右ヒジに、新たな損傷が見つかった。今季は打者として出場を続ける予定だが、オフにトミー・ジョン手術(側副靭帯再建(そくふくじんたいさいけん)手術)を受ければ投手として復帰できるまでには1年半ほどかかる。前出の川村氏が語る(以下、コメントは川村氏)。

「大谷の投球フォームは、メジャーに移籍した当初より改善されています。左肩の開きが抑えられるなど下半身をうまく使えるようになり、右ヒジへの負担が減っているのです(下の2枚の写真)。ただ手術後も打者として出場し続ければ、悪影響は避けられません。恐いのは予期せぬ状態を強いられた時です。例えば左打者の大谷がボールを強く打とうとして空振りすれば、スピードにのった重いバットにより、右ヒジが伸びた状態になり相当な負担がかかります。せっかく治療し終わっても、新たにヒジを損傷することになりかねません」

再度のケガは、大谷の投手生命を断ちかねない。川村氏は「打者に専念したほうがいい」と話す。

「打者としての大谷は卓越しています。特筆すべきはアウトコースのボールに対しても、ヘッドスピードが落ちないこと。通常はインコースに比べ5〜10km落ちるのですが、大谷は変わりません。イチローでさえアウトコースの球は、ミートはできても強い打球を飛ばせない。大谷は太モモの内側にタメを作り、右ヒジをうまく使っているので、スピードが落ちずに強い打球を飛ばせるのです」

大谷の打球方向は大半がセンターから左だ。9月11日現在、19本塁打のうち12本がセンター方面。ライトへの打球はほとんどない。だが打者に専念することにより、打撃はさらに進化するという。

「最も変わるのがインコースへの対応でしょう。理想的な内角打ちのフォームは、ジャイアンツなどで活躍したバリー・ボンズのように、身体をコマのように鋭く回転させバットを振る方法。しかし投手としても出場している大谷は、デッドボールを必要以上に恐れボールから距離を置き手打ちになっています。これでは力がうまく伝わらず、引っ張ることができません。内角を克服できれば全方向に強い打球を飛ばせ、さらに本塁打を量産することができるはずです」

大谷は50本どころか、60本の本塁打を打てる可能性を秘めているのだ。

上:メジャーデビューした直後の投球フォーム。アゴが上がり(①)左肩の開きが大きい(②)。上半身をひねりすぎて胸の番号が前を向いているのがわかる(③)

下:今季最終となった9月3日の登板。上の写真と比べアゴが上がらず(①)肩が開いていないため(②)、下半身の力をうまく使えている。番号も横を向いている(③)

写真:AP/アフロ

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