全部タダで利用可能!株取引が上達するアプリ「スーパー活用術」
他人の保有銘柄も参考にでき、自分の投資法も見直せる ゲーム感覚でリアルな取引がわかる!
投資の世界が相変わらず賑(にぎ)やかだ。世界中が新型コロナに苦しんでいるにもかかわらず、昨年の春頃から株価は急激に上昇を始めた。大幅な下落を何度も乗り越えて、今も高値圏で推移している。
「買っておけばよかった」「今から買うなら、何がいいのか」などと悩んでいる人も多いかもしれない。そんな人にオススメなのが、本物の株取引さながらのデモトレードを体験できるアプリだ。
経済アナリストの森永康平氏が言う。
「オススメの理由は何と言っても、無料ということ。アプリによっては現実の株価に連動しているので、買ったらどうなるのかをシミュレーションできます。
もう一つの利点は、投資についての勉強のきっかけになることです。
株やFXは専門用語が多く、入門書を1冊読んだ程度では尻込みしてしまいがちです。ところが、スマホアプリでは、他のユーザーのコメントも見ることができ、よく使われている言葉が重要であると自然に理解できる。
たとえば、多くのユーザーが『上方修正に期待』と言っているのを見れば、言葉の意味を調べますよね。そうすると、その企業が決算で予想よりもいい業績を発表することを期待して、株が買われていることがわかります。スマホアプリは実践的に学びのヒントを得られるというメリットがあるのです」
デモトレードというと、黙々と架空の取引をし続けるイメージがあるが、最近はゲーム性を高めたアプリがトレンドになっている。ミッションをクリアするとランキングが上がったり、ランキング上位になると商品券などの特典が付いたりして、思った以上に楽しめる。
証券会社などの広告が入りやすいという事情もあり、アプリは数多く開発され、玉石混交だが、今回は「現実のトレードの練習になる」という視点から森永氏に厳選してもらった。
「『トレダビ』は現実と同じ銘柄を売買できるうえ、株価も20分遅れでリアルと同じ動きをします。仮想マネー1000万円を元手に、ユーザーの売買成績がランキング化され、上位入賞者になるとアマゾンギフト券がもらえる特典もある。
売買する際に短いコメントを残し、それを他のユーザーが閲覧できるのも特徴です。気になるユーザーをフォローでき、ユーザー同士でグループを作れるなど、コミュニケーションを重視した作りにもなっているので、初心者が楽しく株を学べるアプリだと思います」
経験者も有効活用できる
実際に『トレダビ』を利用してから株式投資を始めた、主婦の藤川直子さん(50歳・仮名)が経験を語る。
「デモトレードとはいえ、保有する銘柄の株価が上がるとうれしいんですよね。それで日々の経済ニュースを追うようになりましたし、株の本もちゃんと読むようになりました。昨年8月から始めて含み益が出ていたので、9月に証券口座を開設して現実の株式投資を始めました。
一番の違いは、やはりメンタルですね。実際におカネがかかっていると、買いのボタンもなかなか押せない(苦笑)。損切りもアプリよりも格段にしにくい。覚悟はしていましたが、全然違うと実感しました。しかし、デモトレードを経験することなく、いきなり実物で株を売買していたら、絶対に失敗していたと思います。いつまでも損切りできず、塩漬けになっているのが目に浮かびます。
なんとか損切りをして、次の銘柄を買うことで、150万円から始めた資産運用が半年で170万円台に。初心者にしては上々の滑り出しかなと思っています」
実際に株取引をしている人にもアプリは有用だという。『トレダビ』のサービスディレクター・菅原良介氏がこう話す。
「現物を買う前にトレダビで買って様子を見る人もいますし、なかには自身のリアルトレードとは逆の動きをトレダビで行う人もいます。リアルと異なるアプローチをすることで、自身の投資スタイルを見直す材料にされているようです」
通貨を売買するFX取引でもデモトレードアプリが運営されている。楽天銀行が提供する『新・楽天銀行FXバーチャルトレード』は、本物とほとんど同じ画面でデモトレードができるのが特徴だ。
「レートも本物同様、リアルタイムのものを使用しています。元手は50万円分のバーチャルマネーで、通貨を選択してタップするだけで瞬時に売買できる。成績ランキングもあり、月間1位になると1500円の現金がプレゼントされます。
株やFXのデモトレードアプリが充実していて、今は初心者が資産運用を始めやすい時代になったと思います。これまでは実際に現金を使って学ぶしかなかったですし、ネット上の掲示板に書き込まれる情報は悪質で真偽不明のものが多かった。それに比べてアプリ内の書き込みは運営側が一定のチェックを行っています。
資産運用を始めようと迷っているのなら、一度デモトレードアプリで遊んでみてもいいと思います」(森永氏)
早速、ダウンロードしてみよう。
『FRIDAY』2021年4月23日号より
- 撮影:鬼怒川毅(1枚目)