被害総額500億円!?仮想通貨を巡る超巨額トラブルのヤバイ実態 | FRIDAYデジタル

被害総額500億円!?仮想通貨を巡る超巨額トラブルのヤバイ実態

昨年春から広まり始めた新たな仮想通貨ビジネス「PGA」

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「初めてXからPGAを紹介されたとき、『これは詐欺じゃないのか』と問いただしました。Xの答えは『すべて上手くいきます』という返答でした。Xは終始、僕らの要望や質問にも誠実に答えてくれた。この人にダマされることはないと思い、すっかり信用してしまいました……」

元トップリーダーの西田康太氏(仮名)は本誌の取材に、そう悔しさを滲ませた。

昨年秋からのビットコインの高騰をきっかけに再び熱気を取り戻した仮想通貨業界。だが、そんな熱狂と時を同じくして、巨額の出資金をめぐるトラブルが発生、今もなお混乱が続いている。

「トラブルになっているのは『プランスゴールド・アービトラージ』。通称『PGA』と呼ばれる用いた仮想通貨ビジネスです。アービトラージとは取引所で仮想通貨の売買を行い、その差額を利益化するという、言うなれば仮想通貨版の為替取引のようなもの。PGAの触れ込みは、『独自のアルゴリズムを使って24時間体制で複数の仮想通貨の売買を自動かつ瞬時に行い、高い利鞘を生み出す画期的なシステム』というものでした。

中国の企業で発明されたシステムとされており、日本に入ってきたのは昨年の春頃。月に10~21%という高配当や一口約10万円から投資が出来る気軽さ、また誰かを紹介すれば40%の配当が手に入るというシステムも重なり、PGAは全国的に広がりを見せました。実に2万人以上が出資したと言われています」(全国紙社会部記者)

しかし、昨年10月に突如として出金が出来なくなるトラブルが発生。PGAが集めた出資金の総額は実に500億円を超えると見られている。日本にPGAを持ち込んだとされるのが、自称・コンサルタントのXという女性だ。彼女からPGAを紹介された後、膨大な出資者を集め、とりまとめていたのが、前出の西田氏を始めとした「トップリーダー」と呼ばれる人物である。

出資者を募るPGA運営側の勧誘手口は、非常に巧妙だったという。西田氏がその一部始終を明かす。

「昨年3月下旬、運営側は100人規模の会場に私達を集めて、目の前で実際にPGAを用いたセミナーを開きました。仮想通貨の口座額はみるみる増えていき、これが本当なら確かに説明通りの高い月利も可能だと納得しました。

ただ、実際の運用については『1回ないし2回~3回は見せられるが、特許的な事情ですべての情報は開示できない』と説明されました。運営側は信用を得るために、『PGAは中国版の高級誌など複数の有名媒体が紹介している』『多額の出資をした者には世界の一流ホテルVIP待遇を受けられる特典もある』などと言っていました」

出資者たちはまず、10~20万円という小額から出資を始めた。するとやはり、金額はみるみる膨らんでいったという。西田氏が続ける。

「僕は最初に300万円を入れました。そしたら1ヵ月で800万になりました。そこからは増資もしながら倍々ゲームのように増えていきました。僕が集めたグループだけで、昨年9月末までに売上は400億円近くになっていました」

まさに打ち出の小づちと化したPGAだったが、その狂乱は長く続かなかった。

「昨年10月1日に突然、出金ができなくなりました。運営側に問い合わせると『中国の旧正月で一時的に出金できないだけ。10月半ばには出金ができます』という返答がありました。しかし、10月15日になっても出金ができなかった。中国・深センにあるオフィスももぬけの殻。当初の運営の説明ではPGAは世界9ヵ国で運用されているとの話でしたが、実際に調べてみると出資者の9割が日本人でした。出資者たちはいま『どうなってるんだ!』と大荒れに状態になっています」

西田氏は現在の心境をこう語る。

「Xに大しては『ふざけるな』という思いが強いです。騙されてしまったというのが率直な気持ちです。一部の出資者の間では『トップリーダーは運営からお金を貰っていた』と言われていますが、私たちは全く貰っていません。むしろ私自身も15億円が口座に入ったままで出金が出来ない状態です。今は弁護士に頼んで、Xを含めたPGA側に対して集団訴訟という手続きを進めています」

高騰続く仮想通貨業界。狂乱の世界の裏では、目まぐるしく動くカネを巡り、魑魅魍魎が蠢いている。

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