療養から復活したかが屋が明かす「絶体絶命だったあの日のこと」 | FRIDAYデジタル

療養から復活したかが屋が明かす「絶体絶命だったあの日のこと」

スペシャル企画『キングオブコント2019』ファイナリストが8ヵ月ぶりに帰ってきた! 「やっぱりコントを続けたい」今日までのこと

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休養から復帰した加賀(左)と、今年『R-1グランプリ』でファイナリストになった賀屋(右)。ネタは二人で一緒に作っている
休養から復帰した加賀(左)と、今年『R-1グランプリ』でファイナリストになった賀屋(右)。ネタは二人で一緒に作っている

「戻ってまいりました!」

復帰初仕事となったラジオ番組。加賀翔(27)の声は明るかった。

先輩芸人に天才と呼ばれ、『キングオブコント2019』決勝の舞台にも立った『かが屋』に異変が起きたのは昨年8月。加賀は突如休養を発表し、今年3月初旬まで表舞台から姿を消した。

お笑いから離れた療養期間、彼は何を考えたのか。相方を待つ間『R-1グランプリ』に出場するなど、一人で仕事を続けた賀屋(かや)壮也(28)はどんな思いを抱えていたのか。取材当日、真っ先に加賀が口にしたのは――。

加賀「フライデーのインタビューと聞いて、心臓が止まるかと思いました! またなんか撮られたのか? って……(笑)」

加賀の復帰直前に本誌が報じた、賀屋と恋人の「買い物デート」の件だった。

賀屋「撮られたくて撮られたわけじゃないから! 今日はちゃんと良いことを言おうと思ってますから、僕!」

8ヵ月間のブランクを感じさせない掛け合いを見せる二人。しかし療養前は、かなり心に負担がかかっていたという。

加賀「去年の1月くらいから眠れなくて、体調が悪くなっているのを自覚していました。新型コロナで外出できない状況になってから、さらに悪化して……病院で脳の検査をしてもらったら、『脳波が死んでいます』と言われました。早期発見して対処しようと思っていたのに、実はもう爆発したあとだったんですよね」

賀屋「見るからにしんどそうだったので、当然そういう診断になるだろうなって思いましたね。新型コロナの影響でライブがなくなって、収録の形が変わって――お互いに疲れていた時期でした」

加賀「あのとき、僕じゃなくて賀屋が病院に行っていたとしても、同じことを言われていたかもしれないよね。僕は高校時代引きこもりだったことがあって、新型コロナの巣ごもり生活で当時の感覚を思い出して、余計につらかった」

賀屋「ネタ合わせにすごく時間を割(さ)いていたのに、それができなくなってしまったことで、悪循環が生まれました」

加賀「『現場に16時入り』と言われたら、9時には会場の最寄り駅に到着して、近くの公園で練習――っていう生活でしたからね。スタッフさんより僕らのほうが早くて、ライブ会場を開けてましたから。いま思えばちょっと早かったかなと」

賀屋「完全に早いよ(笑)。でもそうしないと不安だったんだよね」

二人ともギリギリの状態だった

賀屋の後押しもあり、すぐに療養を決めた加賀。少しでも早く復帰しようと、通院を始めたという。

加賀「病院では、『あなたには根本的な生活のケアが必要だ』と言われました。
そこからは食べるものに気をつけたり、枕を替えたり、換気をしたり、でもなんだかんだで一番効いたのは整体でしたね。首と背中と腰の歪みを治してもらったら、異様に身体が軽くなりました」

賀屋「そこから徐々に良くなってという感じだったね。僕の顔を見たら仕事のことを思い出しちゃうだろうなと思ったので、それまであまり会わないようにしていました」

加賀「実際、賀屋が出ているバラエティ番組とかラジオは避けてました」

賀屋「実は僕もずっと前から自分のことで精一杯だったんです。とにかく結果が欲しくて必死でした。加賀くんが休みに入ってからは、『相方が安心して戻って来れる場所を作ってるんだね』と言ってくださる方もいたけれど、そんなキレイな話じゃない。単純に、『R-1』で結果残してカッコイイと思われたい、という気持ちでしたね」

加賀「休養前の時点で、すでに『お互いに支え合おうね』みたいな穏やかな雰囲気はなかった。いわば、二人とも絶体絶命だったんですよ(笑)。とにかく自分の能力に自信がないし、どっちも常に『ネタを作らなきゃ』『ヤバいヤバい』って言っていた。賀屋は、歯も欠けた(笑)」

賀屋「そうそう! 去年の秋頃、ピンネタを本格的に考えていた時期ですよ。起きて舌で口の中を触ったら、歯がない! 歯ぎしりしすぎて、前歯が欠けていたんです。これは身体からの異変を示すシグナルだと思って、『今後どうやってお笑いを続けていこう?』と考えるキッカケになりました」

もう一度『かが屋』を始めるために

相方が不在の中、ストレスを抱えながら仕事を続けることに限界を感じた賀屋がまず思い返したのは、『かが屋』結成当時のことだった。

賀屋「僕らはコンビニバイトの同僚として出会って、コンビを結成したんですね。バイト中、レシートの裏にコントのアイディアをメモして、バイト終わりにファミレスに行って、ネタを考えて……。そんな生活をずっと続けてました。あのときみたいにもう一度過ごせたら、もしかしたら、また上手くいくんじゃないかな、って感じたんですよね」

加賀「いま思うと、忙しくなる中で、以前のように、二人でお笑いのことを話したり、ネタを作る時間が取れなくなっていて、納得がいかないまま毎日が過ぎてしまっていた」

賀屋「だから復帰にあたって一番大事にしたかったのが、『どんなに忙しくても二人でコントを作る時間を確保する』ってことだったんです」

加賀の復帰後、所属事務所のライブに出演した二人。8ヵ月ぶりに観客の前に立った瞬間こみ上げたのは、自分たちへのねぎらいの気持ちだった。

加賀「二人ともここまで本当に頑張ったなあ、って」

賀屋「お疲れさん、よく頑張ったよ、立派だね、って感じだよね。自分たちにそう言ってあげられたから、『おお、よくやった、もうちょっとやれるんじゃない?』と思えたというか」

加賀「出演者の中に、新型コロナに感染して2週間休んでいた方がいたんですよ。その方が『2週間も休みもらっちゃってスミマセン』と言う、そこで僕が『いや、俺、俺〜!』ってツッコむ……というのが復帰の一言目。そのとき、『いま、めっちゃお笑いやってるなあ、戻ってきたんだなあ』って感じましたね」

復活した二人に、次なる目標を聞いた。

加賀「昔から少年漫画が好きで、強くなるために一生懸命修行する脇役がカッコいいなあと思ってました。でも僕がやれることは違うと気づいた。僕は『もっと頑張れ』『月に100本、コントのシチュエーションを考えろよ』って、自分を追い詰めちゃうんです。でも、人生の中で自分のために一番動いてくれる人間は自分だから、僕自身を大切にしよう、って気づけたんですね。

まだ心配しているファンの方も多いと思うので、今後は不安を吹き飛ばすような面白い単独ライブがしたいです」

賀屋「僕は、ちゃんと休みを取りながら、やっぱりコントを続けたいです」

加賀「もっと根本的なことをね」

賀屋「うん。いまは、『続けること』が一番すごいことだと思っています」

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『FRIDAY』2021年4月30日号より

  • 撮影會田園

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