確実に取り締まる「半固定式移動オービス」の恐るべき性能
関西発 阪神高速道路神戸線で発見 スピード違反取り締まりの隠し玉 「移動式」と「固定式」の「いいとこどり」した最新型
スピード違反取り締まりは、新しい探知機が投入されるたびにドライバーが対策を講じ、「イタチごっこ」が続いている。だが、今春に入って交通警察が「隠し玉」の配備を開始。新展開を迎えそうだ。
写真は阪神高速道路で目撃された最新型「半固定式移動オービス」である。情報サイト『オービスガイド』を運営する有限会社パソヤの大須賀克巳氏が言う。
「『移動式オービス』は神出鬼没ではありますが、バッテリーで動くために稼働時間が限られていました。また、近くで警察官が必ず立ち会う必要があったんです。
一方、この『半固定式』は、電源が備わった土台を路肩に設置し、そこに移動可能な本体(カメラとレーザー測定器)を取り付けます。土台は小型なので非常駐車帯ならどこにでも置けて、カメラは無人で時間制限なく稼働することができます。しかも、近づかないと中にカメラがあるかどうかもわかりません」
大須賀氏によれば、「半固定式」は現在のところ阪神高速道路の神戸線、環状線、池田線の3ヵ所でしか目撃情報がないそうだ。だが、自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏はこう指摘する。
「阪神高速では、これから古いタイプの『固定式』が撤去されていき、まず『半固定式』の土台だけがあちこちに設置されると思います。そうすると、ドライバーは安易にスピードが出せない。それが警察の狙いでしょう。いずれ首都高にも導入されることになると思います」
ともかくドライバーはスピードを出しすぎないこと。それが一番の防衛策だ。
『FRIDAY』2021年4月30日号より
- 撮影:伊﨑ユタカ