空振り連発…⁉菅義偉首相の「片思い」日米会談のヤバイ成果

20分の会談に1億6000万円…日本外交が漏らした「本音」

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訪米3日間にかかった費用は、専用機と随行団の滞在費など1億6000万円。バイデン大統領は、日本側が期待した「東京オリンピックに参加」の言葉は最後まで口にしなかった 写真:AFP/アフロ

「われわれバイデン政権が発足して初めて我が国を訪れた外国首脳として、菅総理を心から歓迎する。ヨシと呼ばせてもらいたいな。いいかい?」

「バイデン大統領の友情とおもてなしに対する深い謝意を表します。私からは、ジョーとお呼びしてよろしいですか?」

ジョー・バイデン大統領の言葉に、菅義偉首相は、手はず通りこう答えた。

4月16日13時過ぎ、防弾仕様の車でホワイトハウスに到着した菅首相は車を降りると、緊張感からか、まぶしそうに白い館を仰ぎ見た。

菅首相と一行は15日の夜、政府専用機で羽田空港を立った。「日米のリーダーシップを世界に示す」(加藤勝信官房長官)という意気込みだった。

ホワイトハウスで行われたバイデンー菅の会談はわずか「20分」。少人数会合55分、拡大会合65分。合わせても、2時間20分の会合だった。

「調整」による振り付け通りに動いた

1対1の首脳会談にはピクルスを挟んだハンバーガー、たっぷりのフライドポテトのおやつが振る舞われたが、ディナーは断られたという。これも、予定通りだ。

「菅首相一行は、政府専用機を使ってアメリカまで行ったはいいけれど、すべての発言、文書の文言、会談場所の広さ、座席の場所、会議場所への移動、会合メンバーまで、なにもかもが詳細に分刻みで『調整』されていた。外務省と駐米大使館は、その米国側との調整であり得ないほどの忙しさだったそうです」(外務省関係者)

「日本側関係者はなにより、菅首相が事前レク通りに立ち振る舞ってくれてホッとしていたんだよ。『ジョー』『ヨシ』と呼び合うのも、なんだかよそよそしい感じだったけどな。なんとか笑顔を作ろうとする菅首相の表情は痛々しかったよ」(外務大臣経験者)

前首相の安倍晋三がトランプ前大統領とゴルフをし、トランプタワーに招かれた「親密さ」と比べると、あまりに「片想い」な外交だったと外務大臣経験者は言い放った。

訪米費用1億6000万円の「成果」は

訪米3日間にかかった費用は、専用機と随行団の滞在費など、しめて約1億6000万円。これが「高い」のか「お手頃」なのか。いずれにしても、われわれの税金が使われたことには間違いない。

外務省幹部は「台湾」問題を明記した日米共同声明は「1969年以来52年ぶりの快挙」だと胸を張る。しかし、この日米首脳会談を受けて、日米両国民の誰が熱狂しただろうか?むしろ、東アジアで日本と中国の緊張に一段と拍車がかかったのではないか。ひょっとした弾みで軍事的なアクシデントがあるかもしれない、と不安に思った国民は少なくないはずだ。

日本が熱望した「五輪参加」の言葉はなく…

外務省が外交成果としては「大成功」と喧伝しても、振り付け通りに振る舞った訪米から帰途に着いた菅首相もまた、なにやらすっきりしない複雑な気持ちがあったにちがいない。

はしゃぎ過ぎた3日間の訪米日程の帰り、政府専用機で菅首相はどっぷりと疲れていた。

「東京オリンピックに向けた日本の努力を、アメリカは支持する」

バイデン大統領は、日本側が期待していた「東京オリンピックに行くよ」という言葉を最後まで口にしなかった。

「そう言うのが精一杯なんだよヨシ」「わかってくれるよな、ヨシ」

そんな心の声が聞こえそうだ。

18日、専用機で羽田空港に到着。帰国した菅首相の表情は冴えなかった

外務省幹部によると、帰国した菅首相はこう漏らしたという。

「アメリカのオリンピック参加は、詰め切れなかったのか?」

幹部は「不調で申し訳ありません」と頭を下げるしかなかったという。

しかし、救いはあった。ファイザーとの直談判が功を奏し、ワクチン確保にメドがついたのである。

訪米中の17日午前8時30分(日本時間午後9時30分)から約10分間、アルバートブーラ・ファイザー社CEOと電話会談を行い、ワクチン供給の確約を得たのだ。

これから、英国型ウイルス変異体が猛威をふるうことが明らかな日本にとって、バイデン大統領との首脳会談より、ワクチン買付け商談が成立したという発信のほうが、はるかにインパクトを持って歓迎された。

訪米の最大の目的は「ワクチン確保となってしまったな」(閣僚)とさえ言われている。

もっとも、このことは訪米以前に菅首相と河野太郎ワクチン担当大臣との面接で報告されていた、という。「首相動静」の「14日午後4時16分~」にそれが記されている。

「この時点でワクチンは確保され、訪米の折に菅首相自身によるブーラ·ファイザー社CEOが最終確認したにすぎないのです」(厚労省キャリア)

18日朝の民放番組に出演した河野大臣が「新型コロナウイルスのワクチンは、全国民の必要数量を9月中に供給できる」と話したのは、菅首相がアメリカから帰国するのを待っての発言だった、ということか。

「対中国」の姿勢を見せてしまった日本の今後は

思わせぶりなバイデン大統領の頭の中には、対中国制裁しか頭にない。東京で行われるオリンピック・パラリンピックの開催など二の次三の次なのである。

したたかな外交駆け引きの場に放り出された菅首相は、アメリカと歩調を合わせつつ、「台湾」に触れてしまった以上、最大の貿易相手国である中国ともハードに向き合っていかなくてはならない。

瀬戸際といわれる菅政権は、訪米の「成果」によって、より難しいかじ取りが求められている。

  • 取材・文岩城周太郎写真AFP/つのだよしお/アフロ

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