菅義偉首相が外務官僚に怒号…?ワクチン外交「失敗」の裏側 | FRIDAYデジタル

菅義偉首相が外務官僚に怒号…?ワクチン外交「失敗」の裏側

いつまで我慢すればいいのか

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3度目の緊急事態宣言を出した菅義偉首相が「アメリカで本当にやりたかったこと」とは 写真:つのだよしお/アフロ

4月17日、日米首脳会談のために訪米した菅義偉首相が声を荒げたのは、ワシントン時間で午前6時を少し回った早朝だった。

「なにっ!CEOに会えない?」

「なんでだ!」

安倍政権の敏腕官房長官だった当時を彷彿とさせる、すさまじい怒声だった、と居合わせた外務省キャリアが証言する。

先の訪米を「片思い外交」と揶揄された菅首相だが、本当の「意中の人」は、バイデン大統領ではなく、ファイザー社の最高経営責任者アルバート・ブーラ氏だったのだ。

「日米首脳会談以外に、訪米時のサプライズを目論(もくろ)んでいたのです。今、ワクチンの入手は世界各国のリーダーにとって最重要課題。そこで、訪米時にファイザー社のCEOと2ショットを演出して『やってる感』を見せたかったんです。菅首相は総理になって短気を封印していました。が、2ショットの目論見が外れ、ワシントンでついに大爆発してしまったのです」

「仕事をする政権」を前面に押し立てた菅首相にとって、計画通りに仕事が進まないことは許されないことなのである。

ことの詳細を、外務省キャリアが明かした。

「菅首相は、アルバート·ブーラ氏と会い、握手を交わし、会談に臨み、商談成立という一連のシーンを、日本の同行取材団と各国メディアに見せ、世界に発信させようというシナリオを描いていたのです。これが実現すれば、小泉元首相、安倍前首相を超える一大政治ショーになるはずだったのですが

外務省はその実現に尽力したが、

「各国へのワクチン供給計画に不公平があると疑念をもたれてはならない、という理由で対面での会談は頓挫してしまいました」

それで、冒頭の「早朝の激怒」となったのだ。

現在、日本の新型コロナワクチン契約状況は、以下の通り。

ファイザー社(米)1億4400万回(7200万人)分

モデルナ社(米)5000万回(2500万人)分

アストラゼネカ社(英)1億2000万回(6000万人)分(日本生産含む)

合計すると日本の人口を上回る人数分のワクチンが「とりあえず」確保されている。とはいえ、現在国内で承認されているのはファイザー社製ワクチンしかない。しかも、契約したものの現物は届いていないのだ。

ワクチン確保の致命的な遅れにより、優先接種としていた「医療従事者480万人」の「1回接種率」は36%台、「2回接種」が完了しているのは、わずか18%台にとどまっている。

4月12日から始まった「高齢者3600万人」に対する接種はたったの0.2%、約7万5千人。2回接種は0%なのだ(4月27日現在)。これでは高齢者の命は守れないし、64歳以下の一般人は、いつになっても順番が回ってこない。

ワクチン確保だけではない。その接種計画も「ぐだぐだ」だ。そんななか、接種を担う医療従事者を、オリンピックに駆り出すという計画まである。

ゴールデンウイーク中の接種は完全休止という自治体がある一方で、いきなり「ワクチン接種の24時間態勢」を唱えるなど場当たり的な対応も目立つ。

「菅政権の支持率は、新型コロナ感染状況とシンクロしている。菅さんはコロナ対応に注力していることをアピールしなければならないと考えたんだな。そのために、ファイザー社CEOと『トップセールス』アピールを外交日程に組み込みたかった。むしろそっちを優先したかった」(自民党重鎮)

訪米の忙しい日程のなか、ワシントンで「電話会談」をする菅首相の姿を見た国民は、何をしているのか?と思ったに違いない。現地で叱責を浴びた官僚たちも同じ思いだったはずだ。

EUは、ワクチンの供給が遅れたアストラゼネカ社を「契約不履行」として提訴した。アメリカは自国で使用許可を出していないアストラ社のワクチンを「他国に提供する」と発表した。日本のワクチン確保、対応は世界基準からあきらかに「周回遅れ」だ。

一刻も早くワクチンを接種して家族との日常を取り戻したいと願っている「国民」に目を向けてほしい。

  • 取材・文岩城周太郎

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