脳動脈瘤で死を覚悟したDJ KOO「家族がくれた戦う覚悟」 | FRIDAYデジタル

脳動脈瘤で死を覚悟したDJ KOO「家族がくれた戦う覚悟」

テレビ番組の企画で脳動脈瘤が発覚。絶望の中で見つけた幸せと使命とは何だったか。

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手術を終えた直後のDJ KOO

ダンス&ヴォーカルグループ『TRF』のデビューから30年弱。

40年のキャリアを誇るDJとして、タレントとしていまも活躍中のDJ KOOのモットーは「触れ合う人々をエネルギッシュに!元気に!笑顔に!」だ。

ライブやTVで見る彼はまさに快活で陽気なのだが――17年、死の淵に立っていたことを知る者は少ない。

「テレビ番組の企画で人間ドッグに行ってみたところ、9.8mmの脳動脈瘤が見つかったのです。聞き慣れない言葉で最初はピンとこなかったんですが、放送終了後に医師から詳しい説明を聞いて…うまく言えないですが、恐怖でまるで自分の身体が自分のものじゃないような感覚に襲われました。先生は『ちょうど左目の後ろのほうに脳動脈瘤があって、このままでいくと失明の恐れもある』と説明してくださったんですが、話を聞きながら頭が真っ白になりました」

脳動脈瘤は脳内の動脈の一部がコブのように膨らんだ状態を指す。

「大きさや形状などにより治療方法は異なりますが、破裂してしまうと助からないケースが多い。治療法は、大きくわけて、頭をあける手術(開頭手術)と血管内治療(大腿部などの動脈からカテーテルを使って行う治療)があります。50歳以上の2~6%が脳動脈瘤を持っているといわれています」(『MYメディカルクリニック』笹倉渉医師)

それまで、大きい病気はもちろん手術もしたことがなかったDJ KOO。不安に襲われながら、帰宅する車の中で妻へ電話をした。

「自宅へ帰ると、妻も娘も脳動脈瘤についてネットなどで調べてその深刻さを理解していました。二人とも顔面蒼白でした。その夜はどうしても希望が持てなかった。死を宣告されたというか、.自分の人生が絶たれた感じがしました」

しかし、家族の存在がDJ KOOに勇気を与えた。

「妻と子供を残して逝けない。寂しい思いをさせたくないと心から思えた。妻も娘も『パパとずっと一緒に居たい』と言ってくれたことで、病気に向き合う決意が固まりました」

脳動脈瘤を見つけた上山博康医師の言葉もDJ KOOの心から不安を取り去る助けとなった。上山医師は穏やかにこう話した。

「いま、手術をすれば治ります。完治します。開頭手術を行ないます。頭部の真ん中から半分を開頭します。もしかしたら、血を逃すため喉を切るかもしれません。大変な手術になります。でも私はKOOさんの脳動脈瘤を手術するのではなく、KOOさんの人生を手術するんです」

上山医師はこう続けた。

「私に手術をさせていただければ、完治をして、病気する前と同じ生活とお仕事ができるようにします。責任を持ってメスを握らせていただきます」

DJ KOOは東京を離れ、上山医師がいる札幌禎心会病院(北海道)に入院した。

「妻が付き添い、当時受験生だった娘は東京に残ることになったのですが、手術当日、まだ17歳だった娘が一人で飛行機に乗って札幌まで来てくれました。おかげで妻と娘、大事な家族に見守られて手術に臨むことができました。6時間半の手術が終わり、麻酔から覚めた私を見て普段は冷静な娘が大声で泣きました」

手術は、見事成功。ただ、術後の痛みは壮絶だった。

「想像していた何倍も痛かったですね。3日ぐらい、ずっと気持ち悪くて、痛くての繰り返し。病室の窓から信号機が見えるんですが、赤になった数、青になった数をかぞえて、気を紛らわしていたのを覚えています。痛みが落ち着き、術後に最初に飲んだお味噌汁は本当に美味しかったですね。リハビリで病院の周囲を散歩したときは『外に出られるのがこれほど嬉しいものとは!』と一歩一歩、幸せを噛み締めながら歩きました」

家族の愛の深さに改めて感謝し、術後に変化したことがある。

「家族の記念日や行事を大事にするようになりましたね。結婚記念日はもちろんのこと、娘のテスト期間が終わったら”お疲れさまケーキ”を買ったり、ちょっとした記念日をみんなで祝う習慣ができました」

脳動脈瘤が見つかったとき、共演者やテレビ局スタッフは言葉を失った。放送を控えるという選択肢もあったが、DJ KOOは自らこう提案した。「病気は公表します。放送してください。ただし、僕が退院するところも一緒に放送して欲しい」。たとえ脳動脈瘤であっても、早期に発見し、きちんと治療すれば完治する。そう視聴者に伝えたかったのだ。

「術後は1年に1度、検診を受けています。大丈夫だと思っていても検診の度にドキドキしますが、おかげさまで後遺症もなく経過は良好です。妻にも脳の検査を受けてもらっています。僕の脳動脈瘤の体験を聞いて『ちゃんと検査に行った方がいいんだ』って思う人が1人でも2人でもいれば、そこで救われる命があるかもしれない。健康管理や検査の大切さを伝えていくことが僕のこれからのライフワークです。皆さん!健KOO第一!!」

  • 取材・文吉澤恵理

    薬剤師/医療ジャーナリスト

  • 写真提供DJ KOO

    YOUTUBEチャンネル「DJ KOOの電KOO石火わいたー」
    https://www.youtube.com/channel/UCK2U_K8LCwq7tNuwfhGgqZQ?

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