「汚いゴミ!」と韓国罵倒の金与正に訪れた最大の危機 | FRIDAYデジタル

「汚いゴミ!」と韓国罵倒の金与正に訪れた最大の危機

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ビラ散布を許した韓国を罵倒した金与正氏。国内は意外な反応だった(画像:共同通信社)
ビラ散布を許した韓国を罵倒した金与正氏。国内は意外な反応だった(画像:共同通信社)

「南側で起きているゴミのようなやつらの妄動」

「責任は汚いゴミに対する統制を取らない南朝鮮当局が負うことになるだろう」

北朝鮮の指導者・金正恩氏の妹、金与正氏が、韓国(南朝鮮)を激しく非難する談話を5月2日に発表した。キッカケは韓国の脱北者団体が、4月25日~29日の間に大型風船で北朝鮮へ向け飛ばしたビラ約50万枚。他にも小冊子500冊、1ドル紙幣5000枚が撒かれ、ビラには「人類は金正恩を糾弾する」という内容が書かれていたという。

『デイリーNKジャパン』の高英起氏が語る。

与正氏が韓国を罵倒するのは、今回が初めてではありません。20年5月に脱北者団体が北朝鮮にビラを撒いたさいには、こう罵っています。『人間のクズが人間の真似をして。汚い口で吠え立てる野良犬と同じだ』『悪意に満ちた行為が「個人の自由」だの「表現の自由」だのという美名で放置されるなら、南朝鮮当局は遠からず最悪の局面に陥るだろう』と。

与正氏が韓国を批判するのは、ビラの内容が現体制にマイナスという理由だけではありません。過去には女性の水着写真も飛ばされていた。正恩氏の妻・李雪主氏や側近男性が裸で寝ころがる、合成写真もあったと言われています。あまりにも卑猥で北朝鮮にとっては最大の侮辱なため、与正氏は『報復に出る』と主張したんです」

面目躍如と思いきや……

20年5月のビラ散布直後に、北朝鮮は与正氏の予告通り韓国の事実上の大使館である「南北共同連絡事務所」(北朝鮮南部・開城)を爆破している。事態の悪化を恐れた韓国は、今年3月にビラをまくなど北朝鮮への挑発行為に対し、3年以下の懲役または3000万ウォン(約300万円)の罰金を科すとの法律を施行。今回も警察庁長官が「対北ビラ散布に対して迅速かつ徹底した捜査を通じて厳正に処理せよ」と指示を出すなど、事態の鎮静化のため迅速な行動に出ている。

与正氏は韓国を黙らせ、面目躍如と思われるが――。意外にも、国内からは批判の声が高まっているという。高氏が続ける。

「反発している人々は、主に二つのグループです。一つは年配の党幹部たち。北朝鮮は儒教の影響を強く受け、年上の人が敬われます。若い与正氏がスタンドプレーをとることに対し、『生意気な青二才』とこころよく思っていない高齢者も多いのでしょう。爆破された『南北共同連絡事務所』は、開設されて2年もたっていなかった。頭にきたからと破壊してしまえば、国際社会がわが国をどのように見るか想像できないのかという批判です。

二つ目が、韓国と敵対するのではなく協力すべきだと考える人々です。北朝鮮は経済制裁や新型コロナウイルスの影響で、深刻な不況に苦しんでいる。経済的に余裕があり同族の韓国と手を結び、活路を見いだすべきだと考えている人たちも多くいるんです。南北交流ができれば、暮らしは良くなるはずだと」

人々の暮らしが満ち足りていれば、批判など起こらないだろう。与正氏の罵倒への非難は、ひっ迫した北朝鮮経済の実情を表している。

  • 写真共同通信社

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