22歳母親が「出産直後の愛児を投げ捨て」悲劇が起こった背景 | FRIDAYデジタル

22歳母親が「出産直後の愛児を投げ捨て」悲劇が起こった背景

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愛児を自宅の窓から投げ捨てた石原容疑者(画像は一部加工しています)

深夜の住宅街に響く赤ん坊の泣き声。生まれたばかりの幼児は、「生きたい」と求めるように激しく泣き続けていたーー。

4月28日、千葉県警は船橋市の自称無職、石原美帆容疑者(22)を殺人未遂の容疑で逮捕した。同月24日の夜、自宅で出産した直後の男の子を窓から投げ捨て、殺害しようとした疑いが持たれている。

「石原容疑者は、24日の午後8時~10時ごろに赤ちゃんを出産しましたが、扱いに困り、窓から投げ捨てたとみられています。その後は、自宅敷地内に放置。『赤ん坊が泣いている声がする』との近隣住民の110番通報で警察官がかけ付けると、石原容疑者の自宅の庭にヘソの緒がついたままの裸の赤ちゃんがいました。幼児は2時間ほど放置されていましたが、命に別状はなく病院で治療中です」(全国紙社会部記者)

石原容疑者は出産後の処置のために入院していたが、退院を待って逮捕された。調べに対して石原容疑者は「投げたのは間違いないが、殺すつもりはなかった」と、一部容疑を否認している。

注視すべき「母親の過去」

新型コロナウイルスの影響もあるのだろうか、「望まぬ妊娠」が増えているようだ。全国各地の妊婦むけの窓口では、相談件数が昨年4月から急増。外出自粛で10代20代の若者が家に籠りがちになっていることが、予期せぬ妊娠の増加につながっているという。ウイルスが広がるなか、女性たちが医療機関へ行きづらい環境になっていることも、事態に拍車をかけていると指摘される。

厚労省の調査では、昨年10~11月に人工中絶手術を受けた約2000人のうち、8%が「コロナの影響があった」と答えている。平常時であれば育てられたケースでも、コロナ禍による自身やパートナーの収入減で、「望まれない妊娠」になってしまっていることも少なくない。

親が育てられない赤ちゃんを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」の運営で知られる熊本県熊本市の慈恵病院では、「望まれない妊娠」などの妊娠相談を年間6000~7000件受けている。同病院の蓮田健・理事長兼病院長が語る。

「私たちは、医療従事者が立ち会わない状態での出産を孤立出産と呼びます。中でも産婦人科にほとんどかからずに、自宅などで隠れて出産するケースが問題になっている。日本では〝望まれない妊娠〟のほとんどは人工中絶で処理され、その件数は年間15万件におよびます。

産む意志が固まらないままに人工中絶が可能な期間を過ごしてしまう人は、虐待された経歴があったり、精神疾患、発達障害、知的障害があったりするなど〝ものごとをうまくできない人たち〟が8割を占めているんです」

だが問題は、決して本人だけにあるわけではない。周囲との関係が、大きな要因になるのだという。

「虐待された経歴とオーバーラップしますが、家族から孤立しているとか、コミュニケーションがとれていないなど。とくに妊娠、出産を経験した人生の先輩である母親はキーパーソンなのですが、その母親との関係が悪いことが多いのです。世間の人は『どうして赤ちゃんにそんなことを』と考えるでしょうが、孤立して誰にもケアを求められない状況なのです」(蓮田院長)

今回の事件で、石原容疑者が赤ちゃんを投げ捨てた動機については今後の捜査結果が待たれる。彼女も、心を開く相手がおらず孤独の淵をさまよっていたのかもしれない。

  • 撮影蓮尾真司

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