ゴミクズ!と韓国罵倒の金与正が「直属上司を処刑」報道の深層 | FRIDAYデジタル

ゴミクズ!と韓国罵倒の金与正が「直属上司を処刑」報道の深層

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過激な言動で国内外から注目される金与正氏。直属上司に処刑報道が出たが関与も噂される(画像:共同通信社)
過激な言動で国内外から注目される金与正氏。直属上司に処刑報道が出たが関与も噂される(画像:共同通信社)

北朝鮮の最高幹部が処刑されたーー。

5月8日にショッキングなニュースを報じたのは、韓国紙『東亜日報』記者チュ・ソンハ氏だ。自身のYouTubeチャンネルで、朝鮮労働党の宣伝扇動部長などを歴任した人物が粛清された可能性が高いと発表。騒動の裏には、北朝鮮の指導者・金正恩氏の妹・金与正氏がからんでいるとみられる。

「韓国の脱北者団体が、4月25日~29日の間に大型風船で北朝鮮へビラ約50万枚を撒いたことで、再び与正氏の過激な言動が注目されています。金正恩氏を糾弾するビラの内容に、与正氏は激怒。『南側で起きているゴミのようなやつらの妄動』『責任は汚いゴミに対する統制を取らない南朝鮮当局が負うことになるだろう』と、韓国を罵倒したんです。

20年5月に脱北者団体が北朝鮮にビラを撒いたさいにも、韓国をこう罵っています。『クズどもが人間の真似をしている。汚い口で吠え立てる野良犬と同じだ』『悪意に満ちた行為が「個人の自由」だの「表現の自由」だのという美名で放置されるなら、南朝鮮当局は遠からず最悪の局面に陥るだろう』と」(韓国紙記者)

大切なイベントにも参加せず……

前出のチュ記者が「処刑された可能性」を報じた人物の名前は、朴泰成(パク・テソン)朝鮮労働党宣伝書記だ。与正氏が所属する、宣伝扇動部を統括する責任者。つまり直属の上司で、韓国への対応でも大きな役割を担っていたと考えられる。『デイリーNKジャパン』編集長の高英起氏が解説する。

「朴氏は、今年1月の党大会の時点で党政治局の序列1位だった最高幹部です。宣伝扇動部長や、日本の国会に当たる最高人民会議議長を歴任。金正恩氏の国内視察、外国訪問にたびたび同行し、機関紙『労働新聞』にも頻繁に登場しています。正恩氏の叔父・張成沢(チャン・ソンテク)氏が13年に処刑されて以降、最高位の人物と言えるでしょう」

実は今年に入り、韓国メディアが朴氏の失脚説を報じるようになっていた。北朝鮮は3月に党幹部の講習会を、4月には党書記大会を開催。いずれも朴氏が必ず出席すべき大切なイベントであったにもかかわらず、姿が見えなかったからだ。処刑の可能性を示唆したチュ記者は、「行政上のミスが問題視されたようだが(粛清の)本当の理由は不明」と解説。一方で、与正氏との間で葛藤があったとも指摘している。

「指導者の妹として、与正氏は重職に担ぎ上げられる立場にいます。ただ、まだ30代と若く50代、60代の幹部らと衝突することもあるでしょう。歴代の宣伝扇動部長たちと、葛藤があっても当然だと思います。

朴氏の処刑が本当なら、他の幹部に足を引っ張られた可能性もあります。金正恩氏は、政策に関しては比較的オープンで寛容です。特に経済改革は、『いろいろ試してみろ』と部下にどんどん実行させている。朴氏が先行して周囲の反感を買い、正恩氏からあらぬ疑惑をかけられたのかもしれません」(高氏)

北朝鮮でたびたび起きる幹部の粛清。独裁政権を維持するため、金正恩氏は部下を信じられなくなっているという説もある。与正氏も金ファミリーの一人として、ストレスが大きく孤独な立場にあるのだろう。兄の猜疑心が、妹にも伝わっているのかもしれない。

  • 写真共同通信社

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