市野瀬瞳 「空気を読まない女子アナ」がフリーに転身したワケ
スペシャルインタビュー
お酒と激辛料理をこよなく愛する市野瀬アナ。「いつか24時間飲み続ける配信にチャレンジしてみたいです!」
「ウザイけどクセになる」と話題沸騰
「中京テレビ時代も、その前に勤めていたNST新潟総合テレビ時代ももちろん楽しかったんですけど、フリーになってからは、その100倍楽しいです! 36歳の現在まで紆余曲折はありましたが、私が辿り着きたかった場所は、ここだったんだと感じていますね」
フリーアナになって、今年の4月でちょうど1年。初代アシスタントを務めた中京テレビの人気番組『オードリーさん、ぜひ会って欲しい人がいるんです!』で注目を集め、東海地方では抜群の知名度を誇る美女アナウンサーだ。フリー転身後、いよいよその名は全国区へ。
今年に入って、全国区のバラエティ番組『踊る!さんま御殿!!』の「勝気女子アナが気弱男子にダメ出しSP」に出演。負けず嫌いな性格と、歯に衣着せぬ発言で司会の明石家さんまをタジタジにさせる局面も。
昨年9月には、自身のYouTubeチャンネルを開設。「激辛料理を食べながら早口言葉」「何杯お酒を飲んでも噛まないのか」といった芸人顔負けの企画でアナウンサーらしからぬ姿を披露し、視聴者を楽しませている。
「地元の新潟を出て、横浜にある大学に進学。興味本位でテレビ神奈川の大学生レポーターに応募したら合格しました。母が若い頃にアナウンサーを目指していたことも知っていたので、娘が夢を継ぐのも悪くないと思い、そこから私もアナウンサーを志望するようになったんです。
地元の新潟にあるNSTのアナウンサー職を経て、27歳で中京テレビに中途入社。8年勤めたのち、去年の4月にフリーアナウンサーとして独立しました。でも、当時年齢はすでに30代半ばで結婚もしているし、子どももいる。きっと反対されると思って、夫にも親にも相談せず、一人で決断しました」
中京テレビ時代は、前述した通り、オードリーとの共演で局アナの枠を超えた人気を博していた。順調なキャリアを捨ててまで、なぜフリーの道を選んだのか。
「局アナを続けていたら収入も安定しているし、仕事も途切れない。自分に実力がなくてもオードリーの若林さんがうまく料理して面白くしてくれる。人によっては、それでもう十分じゃないかって思う毎日を送っていたとわかっています。
でも、私はそれで満足できない性分なんですよね。このままだったら唯一無二のアナウンサーにはなれないし、人生にももっとスリルがほしいなって思ってしまうんです。人生は一回きりなんだから、もっと自由に自分を表現したいなって。
私の夢は、死ぬ瞬間に『私は全部やりきりました!』って思うこと(笑)。その夢を叶えるためには、たとえハラハラする人生になっても、もっといろんなことに挑戦したほうがいいだろうなって」
尊敬する上沼恵美子さんと共演するのが夢です
しかし今は、フリーアナウンサーが群雄割拠する時代。しかも、俳優業やグラビア、バラエティ出演など、ジャンルを超えた活躍をしている人も多い。
「正直、ライバルはいないです! だって、私はほかの女性フリーアナの方たちみたいに、キラキラできないですもん(笑)。だから、私が目指すのは、炎上を怖がらずに自分を発信できるアナウンサー。どんな番組でも、思っていることを正直に話して、リアクションしたいです。そのうえで、素のままの私を好きになってもらえるのが理想です。
でも、好きなようにやっていると、批判がくることも覚悟しています。こんな私を好きになってほしいとは言いません。ただ、こんなアナも一人くらいいていいかって、少しだけ肯定してほしいとは思います」
そんな市野瀬アナの趣味は、激辛料理の食べ歩き。息抜きは、自身の動画に寄せられたコメントを読みながら、大好きなお酒を飲むことだ。
「激辛料理は、この取材後にも食べに行きます(笑)。YouTubeの褒めコメントを読みながら一人でお酒を飲んでいる時間は、本当に幸せですね! 心が折れそうなときの、最高のクスリです(笑)」
次に抱いている野望は?
「予測不能な人生のほうが楽しいので、アナウンサーの枠にとらわれずに、なんでも挑戦してみたいですね。高所恐怖症なんですけど、バンジージャンプとか。あと、これは夢なんですが、いつか私にとって神様のような存在の上沼恵美子さんと同じカメラの前に立って、5秒でいいから共演することです。そして、100歳まで生きて、『全部やりきりました』と心の中でつぶやいて死にたいです!」
文:大久保和則撮影:下田直樹