中尾ミエの炎上に見る「視聴者が芸能人に求めるもの」の急激な変化 | FRIDAYデジタル

中尾ミエの炎上に見る「視聴者が芸能人に求めるもの」の急激な変化

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一流ホテルを名指しで批判し、騒動になった中尾ミエ

5月7日に放送されたTOKYO MX『5時に夢中!』(月~金曜・午後5時)で、金曜レギュラーの歌手・中尾ミエが生放送中「注文しないと水を出さない」という姿勢の一流ホテルを名指して批判したことが物議を醸している。

事の顛末はホテルで食事していた際、遅れてきたマネージャーが「時間がないから注文はいいです」と言ったため、中尾は従業員に水を出すようにお願いしたが、「いや、何か一品とっていただかないと、お水は出せません」と対応をされ、憤慨したというものだ。

これについて、非常識なのはどちらの方かといえば中尾の方だと筆者は思った。店に入ったらせめて一品は注文する。それが最低限のマナーであり、暗黙のルールでもあると教わってきたからだ。

ネット上の意見も、

《ホテルの厚意のサービスをどうこう言う前に、まずは身内の振る舞いから直しましょうよ》

《そもそも飲食店を利用するなら一人一品注文するのがマナーだと思う》

とその多くは中尾の姿勢を問うものだった。

結局、中尾はジュースを一品頼んだようだが、生放送でホテルの実名を出した姿勢もどうかと思うし、コロナ禍でサービス業が軒並み厳しい状況に置かれている今、往年のスターが飲食店を応援するどころか足を引っ張るような真似をしたことは残念だと思った。

■キンタロー。も似たような理由で炎上

少し前に起こった炎上で思い出されるのは、モノマネ芸人のキンタロー。だ。一時保育に預けていた1歳の娘が転び、ケガをして帰ってきたことで、ブログにケガをした子供の写真とともに、預け先に対する不信感を綴ったことからブログが炎上した。

預け先からは謝罪があり、病院にも連れていってもらうなどの対応をしてもらったにも関わらず、一方的に預け先に対する批判を助長させるような内容に、逆にキンタローに対する批判が向いたといえる。

それ以前に大きな騒ぎとなった木下優樹菜のタピオカ店主とのトラブルの件とも重なる点がある。「事務所総出」や「週刊誌に暴露する」というような芸能人特権を振りかざしたそのやり方にも批判が噴出した。

いずれのケースも「芸能人である」という驕りや特権意識が引き起こしたとも言えるが、それ以前に炎上する場合は発信する側に「他者への配慮や思いやり」がないケースが多い。

ひょっとしたら、フォロワー数が多かったり、肯定的なファンに囲まれていると当たり前のように「きっと自分に同調してくれるはず」と勘違いしてしまうのかもしれない。

■時代とともに変わる”スター”の条件

中尾や木下、キンタロー。のケースは”私がこんな思いをしたのだからみんなも同調してくれるだろうし、するべき”というある種の”図々しさ”に一般側の人間が強い拒否反応を示してしまっていると筆者は思う。

特に謙虚な姿勢を好む日本人特有の考え方も影響していると思うが、ここ数年は芸能人に求められる質が変わってきているように感じる。芸能人の常識は、一般人にとっては非常識なケースが多い。

それがたとえ非常識と呼ばれるものでも、一昔前は“芸の肥やし”などと美化され、「スター性」を作っていたとも言えるが、今はネット社会で一般人の真贋を見極める目も高くなっている。特に昭和の頃とは求められるスター性は変わってきていると言えるだろう。

今は自分たちと同じ目線で物事を考え、適度に同じ価値観を持ちつつ、その中でいかに大衆に響く言葉やコンテンツを届けられるのか?という「共感性」や「親近感」が重視されていると感じる。

だからこそ「芸能人らしさ」を振りかざした姿勢は、どうしても好まれにくいだろうし、そもそも”人として”という部分に違和感を感じられた時点で、芸能人としての魅力につなげていくことはもう時代的に厳しい。

リテラシーを刷新できない芸能人は生き残れない時代がすでに始まりつつあるようだ。

  • 水野詩子(ライター・コラムニスト)

    大分県出身。メディアの仕事を経て、ライター・コラムニストとして活動を開始。主に女性の社会問題や政治、芸能など、時事問題からドラマ批評まで鋭い視点で書く記事に定評がある。現在、「日刊ゲンダイDIGITAL」などで連載中

  • 写真共同通信

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