藤原紀香、杏、黒木メイサ…一流女優たちの「美しすぎる着物姿」
夫の舞台初日に挨拶回り
歌舞伎の世界に嫁いで早5年、彼女はすっかり〝梨園の妻〟らしくなっていた。
今年3月、東京・銀座(中央区)の歌舞伎座前に、一際オーラを放つ長身の女性の姿があった。上品な桜色の着物に淡い緑色の帯――そんな春らしい装いの美女は、女優の藤原紀香(49)だ。紀香は、周りの人々に丁寧に頭を下げ、にこやかな表情で何やら話し込んでいる。
「この日は夫・片岡愛之助が出演する『三月大歌舞伎』の初日。紀香は妻として、関係者に挨拶をしていたのでしょう。今、歌舞伎座では新型コロナ対策のため役者同士の楽屋の行き来が禁止され、彼らは舞台上でしか顔を合わせることができません。しかし、そこはベテランの愛之助。共演者と息の合った演技を見せ、評判は上々でした」(歌舞伎関係者)
今年50歳を迎えるとは思えないほど若々しい紀香。スラリと伸びた背筋と、着物の上からでもわかる身体の曲線が美しい。
日本の女優は、やはり和服の着こなしがうまい。着物の色やデザインにも、センスを感じる。和装に身をつつんだ彼女たちの魅力を紹介したいーー。
スタイルが良すぎる…
身長174cm、8頭身はあろうかという女優・杏(35)の艶やかな着物姿に、約3000人の観客がため息も漏らした。
「杏が出演したのは、14年5月に京都の名刹・大覚寺で行われたファッションイベントです。さすが、15歳の時からモデルとしても活躍しているだけあります。凛とした姿が、清々しい青い着物によく似合っていました」(ファッション誌編集者)
織田信長は女性だった!?
真っ赤な和装で、見事に舞を演じる美女。09年6月より上演されていた、舞台『女信長』のワンシーンだ。女優の黒木メイサ(32)は、戦国の雄・織田信長は女性だったという難役を見事にこなした。
「激しい殺陣と鮮やかなまいが、舞台の見どころでした。黒木が演じる信長は、長い脚で男性陣を蹴り上げ。一方で扇を手に妖艶に舞い、縦横無尽に舞台を動き回っていました」(演劇関係者)
明智光秀や斎藤道三ら名だたる武将を、信長が「女性を武器」に立ち回るというストーリー。黒木の妖艶な演技に、観客はさぞ満足したことだろう。
出演作に福を呼び込む豆まき
20年の節分。千葉県・成田山の新勝寺では、毎年恒例の豆まきが行われていた。タレントでは、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で主役・明智光秀を演じた長谷川博己、光秀の正室役の木村文乃、斎藤道三役の本木雅弘らが参加。なかでも参拝客の視線を集めていたのが門脇麦(28)だった。最初は緊張のせいかぎこちなかったが、木村からアドバイスを受けたようで、後半では大胆に手を振り、笑顔で豆をまいていた。
「門脇が演じる駒は、架空の人物ながら、光秀と深くかかわる重要な役柄で、ヒロインといっても過言ではありませんでした。駒は医師の助手なので、薬草の名前も多く出てくるのですが、門脇はもともと野草に興味があったので難なく覚えたそうです。実は彼女、アウトドアが大好きで、山登りをしたり釣りをするのが趣味なんだとか」(芸能プロ関係者)
ドラマへの期待度を表すかのように、参拝客からの歓声も大きかった。豆まきで作品にさらなる福を呼び込めたようだ。
「和の魅力」を存分に伝えてくれる着物姿の女優たち。周囲にいたファンやスタッフが、思わずため息をもらすのもうなずける。
- 撮影:鬼怒川 毅 中村和彦 原 一平