元日本代表ハーフナー・マイク「社会人2部でも現役を続けるワケ」 | FRIDAYデジタル

元日本代表ハーフナー・マイク「社会人2部でも現役を続けるワケ」

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最強の“アマチュアストライカー”が誕生した。

元日本代表フォワードにして、今年4月まで欧州主要リーグの日本人最多得点記録(16得点)を保持していた大型フォワード、ハーフナー・マイク(34)。昨年までJ2『ヴァンフォーレ甲府』に所属していた彼が新たな挑戦の場所として選んだのは、Jの舞台ではなく東海社会人サッカーリーグ2部に属する新興クラブ『FC.Bombonera』だった。

なぜ日本代表にまで上り詰めた男が、社会人リーグの、それも2部のチームに移籍してまで現役を続けるのか。「プライドなんて若い頃にどっかの公園に捨ててきた」と語るハーフナーは、新たな挑戦を心から楽しんでいる。

「ヴァンフォーレ退団後、『引退』を考えていました。次に何をしたらいいのか悩んだ時に、自分はサッカー以外の世界を全然知らないから、選択肢が思いつかなかったんです。サッカーを除いたら、自分に何ができるんだろうという答えが出せないでいた時、声をかけてくださったのが『FC.Bombonera』強化部長の片桐淳至さんでした。

『サッカーを続けながらセカンドキャリアについて考えてもいいんじゃないか。社会人リーグなら、それができる』と言ってくださって。それがきっかけになりましたね。だから自分の中ではむしろ『社会人リーグ』という部分が決断の理由として大きかったですね」

練習に参加するハーフナー。最前線で躍動し、「天皇杯」出場へつながる全国社会人サッカー選手権県大会ではチームを決勝に導いた

現在は大学を卒業したばかりの若者からさまざまなチームを渡り歩いてきたベテランまで、約30名の部員たちとともに週6日、汗を流している。

「火曜日から練習が始まり、日曜にリーグ戦、月曜日が休みというのが1週間の流れです。時間は朝9時~11時までの2時間。環境もガラリと変わりました。クラブが所有するグラウンドはないので、練習場はいろいろなところを借りています。練習着はもちろん自分で洗う。送迎バスは借りられますが、決して大きくはないので、みんなで車を出し合って試合に向かいます。

でも一番驚いたことは、本当にサッカーを好きな人が多いこと。プロではないということは、逆を言えばみんなお金のためではなく、心から好きだからプレーしているんですね。例えば現役消防士がいるのですが、夜勤明けでヘトヘトでも練習に参加しに来るんですよ。そんな選手とプレーしていると『サッカーって楽しいんだ』という気持ちを思い出させてくれますよね」

自分もメンバーにまざって泥んこでプレーするのが楽しいと語るハーフナー。ほかにも社会人リーグならではの試合風景を明かしてくれた。

「思い出深いのは4月4日に行われた『天皇杯』出場へつながる県予選3回戦ですね。河川敷にあるグラウンドだったのですが、大雨が降ったせいで、とにかくグッチャグチャで。ただ高校以来の経験に、初心に戻ったようで楽しくて。スライディングとかめっちゃしました(笑)。どろっどろになって帰りましたね。

チームにはすぐに打ち解けられました。今後は自分の経験をなるべく多くの選手に伝えて、目標である『2025年のJリーグ加入』を達成したいと思います」

運命を変えたアーティストとの出会い

取材に応じるハーフナー。広告塔としての活動も精力的にこなす

現在はオフの時間を利用して、チームの広報活動やスポンサー企業への営業、さらにごみ拾いなどの地域貢献活動に積極的に参加しているハーフナー。チームを通じて社会と関わっていく中で、さまざまな変化があったという。

「現在はチームのフロント活動に関わっています。一番のやりがいはスポンサーさんとの交渉。お金だけでなく食料品や道具の提供などいろいろな面での協力の形があるので、どんなスポンサーさんがいれば選手のためになるのかを考えることが楽しいです。自分の活動を通じて、裏側からチームを支えることができるのは嬉しいですね。

給料については……どうなんですかね(笑)。ただ、生活に苦労するほどではありません。それ以上は聞かないでください(笑)」

取材予定時間を30分以上もオーバーして語ってくれたハーフナー。その笑顔からは、現在の活動を心から楽しむ様子がうかがえた。それでもやはりJリーグが恋しいのではないか。最後にもう一度、その疑問をぶつけてみた。

「もちろんプレーできるならプレーしたいですが、個人的には一区切りついているかなと思っています。それよりも今は、チームでのプレーに集中しています。

ある出会いが決断を後押ししてくれました。それはチームの顧問でもあるレゲエユニット『MEGARYU』のRYUさんと出会いです。RYUさんはアーティストとして活動していた2014年に、『痙攣性発声障害』という病気を発症し、歌声を失いました。自分のアイデンティティーをなくした中でも、厳しいリハビリに励み日常会話はできるまでに回復。現在は音楽活動で培った経験をイベント企画や講演会などに活かし、第2の人生を歩まれています。

それを聞いて『サッカーがなかったら、何ができるんだろう』と悩んでいた僕も、この『FC.Bombonera』で答えを見つけられる気がして。だからこそ、ここで新しく頑張って、挑戦していきたいです」

日本を代表する大型フォワードは、今も新たな“ゴール”を求め戦っている。

  • 写真提供FC.Bombonera

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